#7話#
「やめてっ!!」
私は恭平を突き飛ばした。
「ひどいじゃねぇか。」
恭平は平然としている。
「ひどいのはアンタよ!!なんで私に…キ…キスなんて…」
恭平はニヤリと笑った。
「お前のことが好きだから…だぜ?」
だからって…!!
「最低っ!!」
私はそうはき捨てると廊下を走っていった。
なんでっ…なんでっ…!!
頭の中が真っ白になっている。
私はリビングへと戻っていた。
「どう?おなかの調子は?」
お母さんが聞くが私は耳に入らなかった。
「部屋に戻る。」
私はそう言い階段を駆け上がった。
「ちょっと春架?!」
バタン。
私はドアを閉めた。
「意味わかんないよ…」
私はドアにもたれて一人、頭の整理をしていた。
あんなの絶対に気まぐれだ。
だってキスして私はすっごく戸惑ってるのに…
あいつはキスをなんとも思っていないようで…
いつもの顔で笑ったんだよ?
ファーストキス…だったのに…
私は唇に触れた。
恭平のキスは意外と優しかった。
アレがキス…
「春架?」
誰かの声がドアの向こうから聞こえる。
「なっ…何?!」
慌てて答える私。
この声…もしかして…
「俺だよ。真。」
真…?