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兄に提案されてみたんだが?

幼稚園から馬車で帰ってきたら、厳重の鉄の扉があり警備兵が

「お疲れ様です。奥様」と言って扉を開けた。

見慣れてしまった光景だ。慣れって怖いね。

庭を通っていたら兄のレアンがいた。



兄のレアンの異能は"自然"。自然でできているものを操れる。例えば雷を落としたり、水を操ったり、土や石を操ったり。強すぎる。転生者だと思ったが転生した?とか聞いたら変な弟と思われ、この先いじめられそうだから聞かなかった。



「おぉ、母さんとヤナトか。おかえり。今日はヤナトの入園式だったっけ?」



「そうよ。この子私と離れても泣かなかったのよ。中々の度胸じゃない?」



そりゃそうだろ。親と別れるだけで精神年齢20歳後半の奴が泣くわけがない。



「レアンレアン!聞いて!ヤナトね、初日からズボン破れてたの!それに多分私と別れてからだからクラスメイトほとんどに見られたのかも」



「母さん?なんでそのこと言うの?てか、兄さん!いたずらで俺のパンツクマさんパンツに替えたでしょ!」



「おおう、バレたか。せっかくの入園式だ。おめでとうって思いで替えてやった。勝負下着だ!」



「あのね、ほんとに恥ずかしかったんだからね!普通のパンツだったらいいよ!なんでクマさんパンツにした!?」



「別に誰にも見られないだろ?破れるとは思わなかった。破れて見られるのもいい思い出になったろ?」



「いい思い出じゃねぇよ!見られたし!しかも女の子に!」



「おぉぉ、それはすまんな。でも破れさせたヤナトも悪い」



「なんで俺が悪くなるんだよ。もういいよ、口論疲れた。」



「すまんな、ヤナト。もうこれからはしない。多分」



「多分じゃない、やらないで!」



「ふふふ、兄弟ね。レアンとヤナトがいて、またデュメイス家が賑やかになったわね。」



「もともと俺だけでも賑やかだったけどな。ヤナト、お前に平穏は訪れないぞ。俺がお前の人生、楽しませてやる」



「まじでやめろぉぉぉぉ!!この2回目の人生はゆっくりさせてくれ!!!!!」



「「この人生?」」



やべっ、この人生って言っちまった。転生者ってことは誰にも言わないでおくって心の中で決めてる。言い訳を!



「違う違う!人生2回目って訳じゃなくて!ええっと……。人生で2回目の危機ってこと!」



「そうか。1回目の危機は?」



「…………。」



1回目の危機はこの家に産まれたことかな。産まれてすぐに周りにいかついおじさん、強制就職先決定とか。



「2回目は?」



「……………。」



「なんで黙る」



「ん?」



2回目の危機は幼稚園に入園したこと。これは今は全然良かった。リッパーに会えたからね。



「まぁ、レアン。ヤナトにも言えないことがあるのよ。」



「そう!俺にも言えないことがあるよ。」



「そうか。まぁいずれは吐かすから、今はいいや。」



静かな空気が流れた。俺のせいではないはず。焦って変な言い訳してしまった。



「そうだ、ヤナト!明日から俺と異能訓練しないか?明日から毎日庭10周、10kmくらいだな。その後俺と組み手、木の棒を小さくする訓練だな。よし、決定!明日からすぐやるぞ!」



「ん?」



なんか変なこと提案されたな。

前世でも700回以上は転んだし、50mは高2の時は10秒だったし。別に太ってたわけでも痩せすぎてた訳でもない。ただ運動してなさすぎてこうなった。部活は弓道部だったな。小学生から高校までやってたな。運動音痴だったからこれしろって親に言われてな。

今世では身体能力が高いみたいなチート欲しいな。



「レアン、あなた弟に甘いわね。あなたの時なんて2歳で庭15周、その後サルキと異能訓練。」



「えっ?」



この世界怖い…。これがこの世界の普通なのかな?この普通についていけない。



「昔の話と父さんの話はやめろ。俺はあの人を父さんと思ってない。」



「ちょっと。ヤナトの前ではやめなさい。」



「へいへい。」



兄さん、なんで父さんと思ってないんだろう。父さんは俺が転生して一回しか会えてない。名前つけてくれたくらい。そんなに仕事だーいすき♡なんかな?



「ヤナト、ごめんね。大きくなってからお父さんに会ったことなかったね。お父さんは色々事情があって、会えないの。」



「事情って?」



「ええっと……、大きくなったら教えるね。」



事情ってどんなことだろ。仕事の出張とか?それだったら言うしな……。母さんがルートイチはでかい組織って言ってたな。まぁ、そのうち分かるだろ。



「母さんいいよな?どうせなら幼稚園で喧嘩した時相手ぼこぼこにできるようにな。幼稚園でキング。ベイビーキングにさせよう。」



「喧嘩はよくないけど、早くて良くない事なんてないわね。いいわよ。じゃあ、明日から訓練で。」



「い、嫌だ。」



お母さんの明日に抱きつき涙目で上目遣いを同時にしてみた。どう?かわいいだろ。許してくれてもいいんだぞ?やってて痛くなるから早くやめたい。



「ヤナト、兄さんはやるといったら絶対にやらないと気がすまないの。仕方がない、諦めなさい。」



くそっ。なんでだよ。こんなに可愛い上目遣いと涙目したのに。



「じゃあ、母さんからの許可が降りたし明日から楽しい楽しい訓練だ。楽しみにしとけ。」



はい、明日は俺の命日です。転生して3年しか経ってないのにまた死ぬのか。なんで兄さんと殴り合いしないといけないんだよ。

終わった。

兄さんは横でにこにこして、母さんは苦笑いしてる。

明日、俺はどうなってしまうんだろう。

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