転生:管理者との出会い
光の端に何があるのかは分からない。
しかし、闇の端に何があるのかは分かった。
闇の端、それこそ無の世界の端には亀裂がある。
その亀裂から声が響く
「ああ、愛されなかった人、やっと愛され始めただった人、これから愛されるべきだった人」
「不幸な人よ、私は世界の管理者です。」
「管理者…?」
「ここはどこですか?」
「ここは世界と世界の境界です。」
「あなたに選択の機会を与えるために、短い時間ですがここに招待しました。」
「選択の機会?」
「あなたが愛されなかったことは、あなたがそこで生まれたこと、つまり私の責任です。」
「そして、また私の失敗で危機にが迫った世界があります。」
「いったいどういう…」
「愛されなかった人がいました。」
「あなたのように転生に愛されなかった、6か国語ができる通訳士でした。」
「その人はどうなりましたか?」
亀裂がゆかみ、地図が見えた。
「ここは人間、エルフ、精霊、ドワーフ、吸血鬼。」
「この5種族がお互い違う文化と言語で生きていた大陸エスティアです。」
「私はその人をここに送りました。」
「なぜですか?」
「各種族はお互いの言語が理解できません。」
「言語の体系があまりにも違って学ぶことがほぼ不可能からです。」
「そこで私は前世で使えられた言語の数ほど異世界の言語が使えるようにしました。」
「私はその人に5種族の言語をプレゼントしました。」
「その人の通訳5種族がお互いをもっと理解しあい仲良く暮らすことを望んでいました。」
「「言語の勇者」ですね。」
「そうですね。」
「そしてその過程で、前任勇者が愛というものを知ることを願っていました。」
「しかし、前任勇者の欠乏はあまりにも酷いものでした。」
「その人は私が考えとは違う方向に動き始めたのです」
「違う方向とは」
「エスティア大陸の横にはモンスターが住んでいるパロモンという島があります。」
「前世に酷い罪を犯した者をモンスターにして閉じ込める場所です。」
「モンスター同士はお互いの言葉を理解できなくして永遠に孤独という罰を下りました。」
「そしてその人が選択できる言語は6つ、5種族の言語をのぞいたら一つが残ります。」
「前任勇者はモンスター語を通じて魔王になりました。」
「同時に初めて開かれたわざと誤った通訳で葛藤と混乱を招きました。」
「今はエスティア侵略を準備しています。」
「彼の目的は平和ではなく、全ての種族を殲滅すること。」
「前任勇者はあまりにもひねくれてしまったのです。
「あまりにも苦しい話ですね。」
「全ては管理者の私の責任です。」
「あなたが愛をしったとたん死んでしまったことも」
「エスティアが危機に迫ってしまったことも」
「私は全てを正常化したいと思います。」
「ここで提案です。」
「提案?」
「私はあなたが前任勇者になるべきだった「本物の勇者」なって欲しいです。」
「後任勇者として魔王の侵略から世界を救う勇者になって欲しいです。」
「そしてこの世の全ての種族から愛されて欲しいです。」
愛。
愛される。
その機会がまた訪れた。
「私が前任者のように変節しないか、心配になりませんか?」
「確かにあななの先にある逆境は難しいです。」
「しかし、あなたは変わりながらも、変節はしないはずです。」
「結局、超えて勇者として愛されるはずです。」
「だって、あなたは世界を愛し、世界に愛されたいから」
その時と似ている。
国際交流の面接。
私を信じてくれる存在。
私はその期待に応じたい。
「あなたの提案を受け入れます。」
「それでは、あなたに5種族の能力と勇者の資質、そしてすこし特別な能力を与えましょう。」
「では、健闘を祈ります。」
その言葉を最後に亀裂から強い光が噴出した。