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〜後日談〜 その一


〜御柳家の場合〜


「宵兄、おかえりー!はい、おかえりの―――」


「妹ちゃん、させないぞ!」


宵太が帰ると、例の如く黄泉が抱き着こうとしたが、夜凪によって阻止された。


「弟くん、ご飯も風呂も用意してあるからの。どちらを先に済ます?」


「それとも………よみにするー?」


「僕はお風呂に入って寝るよ。なんだか今日は疲れたからね。」


宵太は怠そうに歩きながら、着替えを取りに部屋に向かっていった。


「宵兄がよみを無視したー………よみ、悲しいなー。」


「弟くんは疲れているんじゃよ。儂が一緒におるから安心せい。」


「じゃあ、今日は夜凪ちゃんと寝ても良いー?」


「もちろんじゃよ!」


まったく、仲の良い姉妹だ。

そして、自分の部屋に戻った宵太はというと………


「くー………」


かなり疲れていたらしく、眠ってしまっていた。


〜近馬と式の場合〜


『わはー!ここが近馬さんのご自宅ですか。綺麗なお家ですね。』


「そうか?まあ、俺一人しか住んでいないからな。気が付いた時に掃除していれば、散らかることはほぼ無いぞ。」


近馬が風呂に入っている間に、式は家中を見て周り感動していた。

まあ、無理もないだろう。

正確な時間はわからないが、ずっとあの廃墟に一人で、ずっと独りだったのだから。


『これからは、私も一緒ですからね。といっても、何も出来ないですけれど………』


自虐的に笑いながら式は明るく言った。


「まあ、幽霊だからな。でも、気にするな。掃除なら綾杉がたまに来て手伝ってくれるからな。」


『綾杉…さん?その方はどのようなお人なのですか?』


「友達だぞ。他にも木薙や美恵留んも紹介しなきゃだな。明日、学校に行ったら紹介するぞ。」


『学校………わはー!学校は楽しみですね!私、勉強は大好きなんです。』


ふわふわと浮きながら、式は満面の笑みを浮かべていた。

廃墟で初めて見た時とは比べものにならない程、明るくなっている。

ちなみに、ここまで早く式が心を開いているのは、単に近馬が相手だったからというわけではない。

実は七士が事前に、少しずつ人間に慣れさせていたのだ。

そうでなければ、人で非ず者が人間とこんなにも早くに打ち解けるのは不可能だ。

それが、たとえ近馬でも。


「もう今日は遅いし、早く寝ないとな。そういえば、式は眠るのか?」


『幽霊だって眠りますよ。あの………近馬さんの隣で寝ても良いでしょうか?』


勇気を出して聞いたのだろう。

耳まで真っ赤になっていた。


「まあ、別にいいんだが………狭くても良いのか?」


『大丈夫ですよ。それに、私は幽霊ですから近馬さんの邪魔にもなりません。隣にいさせてもらうだけで良いのです………』


「………まあ、いっか。」


特に気にしない様子で近馬は式と一緒に寝室へ向かっていった。


〜冷と美恵留の場合〜


「よくよく考えたら、今回の仕事に自分は必要無かったんじゃないか?………まあ、今更気にしても仕方ないな。」


欠伸混じりに独り言を呟き、自室のベットに倒れ込んだ。

すると、携帯の着信音が鳴った。

メールだ。


〔おかえり、お疲れのようだねぇ。今からあたしの部屋においで!〕


それは隣に住む美恵留からだった。

冷と美恵留の部屋は窓を挟んですぐ隣だ。

もともとは、美恵留は別の部屋だったのだが、いつの間にかそこになっていた。

冷は窓を開けて、美恵留の部屋に跳び移った。


「ようこそ、痴漢くん。それとも変質者さんかな?」


「自分、眠いんだけれど。何か用なの?」


「そんな不機嫌にならないでよ、冷。そんなに、今の挨拶が気に入らなかったのかい?」


「いや、別に痴漢の方は良いけれどさ。変質者に成り下がった覚えは無いから。」


「冷、良いことを教えてあげるよ。痴漢は冤罪なんだよ。」


「え、冤罪だと!そんな………全世界中の男性が怖くて電車に乗れなくなるじゃないか!」


「それぐらい、罪なことなのさ。まあ、冗談はこの辺にして、こっちにおいでよ。」


そう言うと、美恵留はベットに正座して手招きをした。

冷はそれに素直に従いベットに座る。

ぽんぽん、と自分の膝を叩きながら美恵留が言う。


「疲れている冷に、あたしからのサービスだよ。ひざ枕してあげる。」


「うわー、恥ずかしいことを平気でやるね。でも、美恵留の膝ってすごく柔らかくて自分好みだからお言葉に甘えさせて頂きます。」


「冷もなかなか恥ずかしい台詞を言うじゃないか。―――ひゃあ!くすぐったいじゃないか!」


「そんなこと言われても………目の前に綺麗な生足を出されたら、くすぐりたくもなるさ。」


美恵留の今の服は寝易いように、Tシャツ一枚にショートパンツだ。

美恵留らしいラフな服装だ。


「そんなことを、さらっと言うな!あたしだって少しは照れるじゃないか!」


「………」


「寝ちゃった…のか?まったく、仕方ないねぇ。このまま寝かせてやるか。」


冷の頭をひと撫でして、器用に膝をずらして枕を置き、布団を掛けてそのまま美恵留も一緒に寝ることにした。


〜芙和の場合〜


芙和は宵太宛にメールを打っていた。


〔お疲れ様。もう寝ちゃっているかな?明日も宵太に会えるのを楽しみにしているからね。〕


「送信、と。よし、私も寝ようかな。明日のお弁当は何にしようかな………宵太の好きな卵焼きは絶対入れなきゃなあ。」


そんなことを呟きながら、芙和は瞼を閉じて眠った。


〜依奈の場合〜


「ひいっ!た、た、た、体重が増えたです!はあ………もう、学校でおやつは食べません!」


一人で何かを決意していた。

ちなみに、増えたといっても大して変化は無いのだが………


〜天の場合〜


「お、今日は随分と月が綺麗じゃないか。これは良いことがありそうだなあ。それにしても、今日の芙和ちゃんは可愛かったなあ。ロリコン趣味の無いぼくでも思うぐらいだったよ。でも―――」


以下略。

独り言でも長く喋るのであった。


〜斗乃の場合〜


パチン。


「御柳宵太はここの手が未だ甘いな。もう少し全体を見れるようになれば、ボクも苦戦しそうだな。」


一人で宵太との対局を思い出しながら、ニッコリと楽しそうに月明かりを頼りに駒を動かしていた。


パチン。


小気味良い音が夜の静けさによく響いていた。


「ここも甘いな。」


〜七士の場合〜


「………」


七士は既に寝ていました。

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