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次元断罪嵐。

「ごめんね、鬼さん。ちょっと早めに決着をつけなきゃいけなくなった」


「お前! 今、何をした!! あそこにいるのもお前、ここにいるのもお前、まさか分裂したって言うのか!?」


「うーん。分身? って言った方が正しいかな?」


「どう言うことだ! と、言うよりも。お前、魔族か!? 俺らと一緒の存在か!? そのガワ、魔の匂いがぷんぷんするぞ!!」


 ルークヴァルト様を巻き込まないために。

 セラフィーナはこの闘いを早急に終わらせると決意する。

 その後がどうなっても構わない。

 まずここをなんとかする! そう心に決めて。


「悪いね。ちょっと違うんだ」


 そう言うと右手にアウラクリムゾンの盾を何枚も重ねる。

 筒状に展開したそこに、マナを落としていく。


 キュルキュル、キュルルル!!


 マナがだんだんと増加して、大量のエネルギーに変化していった。


次元断罪嵐ディメンションブリザードミニマム!!」


 マギア・アウラクリムゾンの権能。紅竜レッドクリムゾンの最強ブレス。


 その次元断罪嵐ディメンションブリザードを最大ではなく最小規模で放つ!


 神竜、紅竜レッドクリムゾンはまたの名をアウラクリムゾン。ギア・アウラの上位マ・ギアの化身だ。

 そのレッドクリムゾンの最強ブレスがこの次元断罪嵐ディメンションブリザードなわけだけれど、この地上、それも街のすぐそばで放つには威力が強すぎる。

 最大パワーマックスで放てばこの空間そのものまでにも被害が出かねない。

 最小値ミニマムであっても、まともに当たって無事でいられる生命体など存在するかどうか、といった威力でもある。


 それに。


(今のわたしにマックスでこれを撃てる気力が残っているのかどうか、不安だから)


 エネルギーを最小値に絞っているためその射線も細く絞られている。

 普通に撃っていたら正面にいる相手が避けることなど無理だったろうけれど。


 ギュルルル!!


 吐き出されたそのエネルギーは、周囲の空間をも巻き込みドリルのようになって直進した。

 そして、その時空の回転は鬼の右肩を抉り、弾けたのだった。




(避けた!?)


 紙一重でその次元断罪嵐ディメンションブリザードを避けた赤鬼。

 右腕右肩を犠牲にしてなんとかその場に踏みとどまっていた。


「うぐぐぐ、おのれ、おのれ……」


 苦しみながらもこちらを向いてぎろりとセラフィーナを睨みつける。


(あ、ダメ。意識が途切れそう……まずいかな)


 勝負を焦った結果ミニマムとはいえ最大魔法をこうして放ってしまった。

 まだ、この体になってから実践で試したことは無かった魔法。


 ——あるじさま! 


 背後から猛スピードで駆け抜けて行ったのはクロムの気配。

 そのまま赤鬼の首に噛み付いた。



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