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赤鬼の棍棒。

 前線では既に大勢の騎士達と大きな赤鬼が対峙していた。

 人の背の倍はあるかと言う大鬼はみかけの筋肉も盛り上がってみえ、右手には銀色に鈍く輝く大きな棍棒を抱えていた。

 いや、そんな大きさの棍棒を軽々と片腕一本で振り回していたと言った方が正しいか。


 そのせいか騎士達は遠巻きに囲むだけでなかなか近づくことができないでいた。

 その外側に陣取る魔法師団の面々、三人ひと組で固まり魔法弾をいつでも撃てるよう詠唱を終え熾した魔力を維持している。ルークヴァルトの号令を待って待機している状態だった。


「騎士団、さがれ! 魔法師団は散開しつつ魔法弾撃て! 連弾、途切れさすな!」


 ルークヴァルトのその合図に合わせて一歩引く騎士達。開いた射線に一斉に放たれる魔法弾。

 魔道士たちは三人一組交代で魔法弾を熾し放つ。連続に放たれる十組の魔法弾がその赤鬼に襲いかかる。

 ドドドドドン

 今回選ばれたのは氷の魔法。

 前回の鬼との戦いの教訓からだろうか。敵は見るからに炎の属性だろうと意思の疎通をし選ばれたそれらは、ルークヴァルトによって前もって指示されていた作戦だった。


 特に三人のうちの一人が必ず狙うのが敵の足元。

 これは魔法で倒しきらない場合でも、せめて動きだけでもとめる為。


「はははは、無駄だ無駄無駄。俺にはその程度の魔法は蚊に刺された程度にしか効かんぞ!!」


 そう叫びつつ棍棒を振り回す赤鬼。いくつかの魔法弾はその棍棒に阻まれ赤鬼の体には到達できない有様だった。


「魔法師団よくやった! しばし魔力回復に努めよ! 騎士団、奴の足元は固めた! かかれ!!」


 剣を構え赤鬼に切り掛かる。こちらも常に三人一組で行動し、一撃離脱を心得て。


 前回の魔獣ドラゴベアーであればそうして魔獣を翻弄しながら機能したその攻撃。しかし。


「ぬるいぞ! 蚊トンボ! 落ちるがいい!」


 飛び掛かる騎士が赤鬼の腕の一振りで弾き飛ばされる。

 超重量の棍棒は硬く、剣を折り弾き、騎士の鎧ごとへこませる。


(やっぱりダメ! 見ていられない! ごめんルーク様!)


 空中に浮かび様子を伺っていたセラフィーナ。


「みなさん! さがって!」


 そう叫ぶと騎士達と赤鬼の間に飛び込んだ!


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