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部隊。

 騎士団は前衛騎士が40名、魔法師団が30名、兵站も含む後方支援部隊が20名ほど。それらの人員を率いるのが国家安全保安局局長という職にあるルークヴァルト・フォン・ウィルフォード公爵と、その部下10数名からなる特務部隊であった。

 元々マキアべり領との全面的な戦争をすると言うわけでもない。

 明らかに内乱にするのはデメリットが多すぎる。そういう事情もあって、大軍で鎮圧をするというよりは国家安全保安局による強制捜査の形式をとっている。

 侯爵は出頭命令を無視し領都の屋敷に立てこもっているという。

 領地に入り次第なんらかの罠があるだろうとはルークヴァルトも予測をしていたけれど、それにしては魔獣一頭の出迎えというのはいささか拍子抜けではあった。


 確かに強力な魔獣だった。ドラゴベアーといえば通常でもAクラスに相当する害獣だ。

 倒した後の魔石の大きさからいっても、かなりの上位種であったのも間違いない。


 しかし。


 あれが大勢の魔獣を引き連れて現れる、とか、何頭も出現する、といったことでもなく、ただ一頭で向かってきたのでは100人の部隊の敵ではない。

 こちらが全く油断していたのでもない限り、対処を間違うこともなかっただろう。


 そもそも、あのクラスの魔獣が一頭だけ自然に存在をするというのも、一目散にこちらの部隊に向かってきたことも、偶然ではあり得ない。

 であれば間違いなく侯爵側のなんらかの作戦であろうというのは確定であるのだけれど、それでも。

「ぬるいな。ぬるすぎる」

 追撃もあるだろう。

 他にも罠があるだろう。

 どこかに兵が潜めてあるのではないか。

 奇襲にも覚悟をしなければ。

 結局そんなことも一切なく領都に到着したわけではあったけれど、随分と警戒したせいであゆみもかなり遅くなっていた。


 昼前には領都に入り様子を確認、屋敷に乗り込む計画であったけれど、到着した頃にはすっかりと陽も落ち、部隊はまた一晩郊外での野営となったのだった。


 一応、斥候は早馬で送り領都の様子は探らせてある。

 今夜はその報告を聴き明日の作戦の確認をしなければ。


 ルークヴァルトは野営の準備中の部隊を見渡し、そう考えを巡らせて。







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