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漆黒の底の穴。

「あんたがここの魔溜りを作ったの?」


「はは。そうとも言えますし、そうじゃないとも言えますね。ワタシはただこの穴を通ってきただけ。ワタシを呼んだのは、ほら、そこの石でしょうか」


その魔人が指し示した先にあったのは魔溜りの中心。目を凝らすとその漆黒の底に魔結晶があるのを感じる。


「あれをここに置いた人は別にいるっていうこと?」


「なのでしょうね。ほら、そこに」


漆黒の魔溜りは既に元々そこにあっただろう泉を埋め尽くしている。

それでもそれは先ほど急激に広がったようだったけれど。


魔人が指差す方向には既にこときれているのだろう、干上がってしまったかのような魔道士のローブから見える人だったものの腕。


「あれを殺したのはあんた?」


「殺す? ああ、ちょっとマナを貰っただけですよ? 穴を通るのにちょっとチカラを消費しましたからね。でもそのかわりにほら。魔素の穴を大きく広げて差し上げましたよ? あの黒ローブの男はそれが目的だったのでしょう? お粗末な魔法陣では難しそうでしたからね。見返りに少々手を貸して差し上げたわけです」


「なるほど。それでやっと分かったわ」


要はあの黒ローブの魔道士がやっとの思いで開けた穴を通ってこの魔人はやってきたのだ、と。

そして、マナと引き換えに魔溜りをここまで大きくしたのだってこと。


「わかって頂けてなによりです。と言うか、貴女、お仲間ですか?」


「バカね。そんなわけないじゃない」


「そうですかね。それにしてもそのガワ、我ら魔族と同じに見えますがね」


そういうと舌をなめずりをし顔の真ん中にある目を縦に見開いた。




(そう言えば魔族は精神生命体。その身体というか外側のガワだけを魔素で構成しているんだったっけ。わたしのマジカルレイヤーと原理は一緒っていうわけ、かぁ)


あらためてそんなことに気がついて。


確かにあちらさんの言う通りではある、と、納得する。


(でもね。根本的に違うのよ! わたしとあなたたちではね!)


「まあ、でも、そんなことどうでもいいわ。問題なのはあなたがわたしの敵かそうでないか、ってだけだから!」


「ふはは。ずいぶんと好戦的な物言いですね。いいでしょう。遊んであげますよ」


「じゃぁ、お言葉に甘えようかしら!」


両手を伸ばしそこに魔力を熾していく。

まずはこてしらべ。

魔法陣も展開して周囲にまず十個ほど並べる。

これは時空の鏡の魔法陣。

解き放ったチカラをこの鏡に反射させながら増幅し目標を打ち崩す、そんな魔法。


光鏡幻撃(リフレクターアタック)!」


掛け声とともに解き放った光が魔法陣の鏡に反射し、魔人の周囲を埋め尽くした。

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