表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

今、心から恋愛がしたいのに、いい相手が現れない

作者: 七村 沙友

 今とても彼氏がほしい。欲しくてたまらない。


 けれど誰でもいいわけではない。付き合うなら好きな人じゃないといやだし、妥協はしたくない。だからまずは好きな人が欲しい。


 なのに全くピンとくる人が現れない。なんとなく直感的に「この人いいなー」って思うワクワクトキメキセンサーが働くこともしばらくない。インスタでカップルが笑顔で並んでいる写真を見るたびに泣きそうになっている。

 ストーリーの場合は、だいたい開く前に、今日のこの子のストーリーは彼氏と一緒にいる様子を写したものかもしれないな、という予想がなんとなくできる。私は悔しい気持ちになりながら、でも気になって見ないわけにはいかなくて、すぐに見てしまう。2回に1回くらいはその予想が当たって、「やっぱりな...」と思うが、それが押しているアイドルの投稿だったりした時は、なんだかホッと胸を撫で下ろしてしまう。

 投稿の場合は、複数写真があるものだったら、しばらく写真を右に左にスワイプして眺め、ふぬぬと苦し紛れにいいねをする。だから、投稿を見てからいいねをするまでには時差ができる。ふーん、二人で温泉旅行に行ったのか。いいなあ、誕生日を祝ってもらったのか。デパコスの香水の写真がこれ見よがしに載せてあるなあ。それに、この世で一番幸せそうな二人の笑顔。いいなあ。


 正直に言うと、羨ましすぎていいねができないときもある。そんな時は自分の心の狭さに落胆する。

 でも、あんたらばかりずるすぎるのよ。どこでどうやってどの男手に入れたのよ。私にも少しくらい出会いがあってもいいんじゃない?


 これまた高校まであまり恋愛沙汰を聞いたことのなかった子が、大学生になって彼氏ができていたりする。これもインスタのストーリーで知って一人で衝撃を受ける。

 その時の私のリアクションはこうである。


「うっそー!?!?(涙)」


 これは心の中で言っているつもりだが、もしかしたら声まで出ているかも知れない。この子、高校の時は恋愛肌っていうタイプじゃなかったのに。それまで色恋沙汰がなかった子に恋人ができるのは喜ばしいことのはずなのに、私は全然喜べない。そしてどうして私には全く彼氏ができないのだろうと自己嫌悪に陥る。

 かといって、多忙になって恋愛のことを考える暇がなくなって、彼氏が欲しいとうめき声を上げて切望していたことなんか忘れていたときに、ふと出会いがあったりするから不思議である。

 そんなときは、私の脳内は彼に占拠されはじめる。四六時中彼のことを考えて、今度会ったらあの話をしようなんてたくらんでいる。彼は肉食系か、草食系か、行動パターンから推測して、その攻略方法をネットで調べてみたりする。脈アリな行動がヒットしていたら、「もしかして私のこと気になっているのでは?」とスーパー自意識過剰女になって一人盛り上がる。勉強もアルバイトも、好きな人パワーで嘘みたいに頑張れるから恋愛の力は凄まじい。

しかし残念なことに、彼氏が欲しいと切望している今しばらくは、出会いはなさそうである。


 今来てくれれば、私本望なのですがね。どうか未来から、先取りで来ていただけませんかね?









2021年9月執筆

19歳のときに初めて書いたエッセイです。今後も書いていくのでまず過去作を投稿しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 素敵な恋ができると良いですね!
2023/01/03 11:09 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ