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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ピーターのストレスについて短編集

ぐるぐる、ふらふら、ぐ~るぐる、世界が歪む。不思議な不気味な眩暈の世界

作者: ピーター

 こんばんは、作者のピーターと申します。

 今日は皆さまを私が体験した、不思議な不思議な眩暈(めまい)の世界へご案内いたします。



 とは言っても、このピーター自身が眩暈の世界に足を踏み入れたのはつい最近。

 先週~先々週程度前の話です。

 これが中々に大変なものでございまして……



 え? なんですって? 眩暈くらいで泣き言いうな??



 まったく、これだから素人は困る。

 自分が眩暈を体験したばっかりのクセに堂々と言い返せますが、これが結構シャレになりません。

 お勉強して眩暈を主な症状とする病気だとか体質だとかあると知っているにも関わらず、私も重度な眩暈でなければ問題ないだろうと思っていました。



 自分が体験するとびっくりします。「これはまずい!」とハッキリ思うようになります

 立っている事自体を負担に感じてくるので、生活に困難というか不安が強烈に掻き立てられます。

 怖くて、車の運転するとか、包丁を握るとかできなくなります。

 もっと強烈なものになると、気持ち悪くて動く事すらできなくなります。



 例え、眩暈が一時的な物だったとしても『立っている事すら怖くなる眩暈がまた起こったらどうしよう』と思うようになるので、眩暈が回復しても、運転や料理が怖くなってきます。



 ピーターはこれまでに勉強していたので『おお! これが眩暈か!』となりまして『確かに、これは怖い!』『普段は駆け下りれる階段がすっごい怖い!』『世界が歪むって表現がすごい分かる!』なんて興奮しておりました。

 ですが、楽しかったのは1回目だけ、2回目からはいつ起こるのか、ちゃんと回復してくれるのか、すっごい不安な気分になっていました。

 



 さて今日はそんなピーターが体験した眩暈の世界をご紹介しましょう。



◇◇◇



~眩暈の種類~



 みなさんは眩暈にも種類がある事を知っていますか?

 まずは基礎知識から、すっ飛ばしたい方は次の『◇◇◇』の所までビューンと行ってくださいませ。



 眩暈は専門家の方によっても分類方法や使っている用語が違っていて、2種類という人もいれば、3種類という人もいたりします。

 ピーターが勉強したのは3種類の眩暈として分類する方だったので、まずはこれを見て行きましょう。



 1つめの眩暈は『回転性』と言います。

 体験するのは簡単です。興味がある方は早速やってみましょう。



 バットを地面に立てて、上半身をぺこりとお辞儀をするように曲げて額をバットの先端につけます。

 そのままカニ歩きの要領で、額を離さないでぐるぐるとバットの周りを回りましょう。

 全力で10回くらい回ってから顔をあげれば体験できます。



 はい! はじめ!!

 しっかりグルグルバットをやってくださいね、早く回れば回るほど強烈なのが体験できます。



 さぁ、どうでしょう。

 世界がぐるぐる回っていて、自分が立っている事すらできなくなります。

 渦の中心に自分がいるような、世界が歪みながら流れて行っているような、キモチワルイ感覚に襲われて吐き気すら実感しているところかもしれません。



 これが回転性の眩暈です。

 この世界がぐるぐる回る感覚に突然襲われるのが『回転性眩暈』の特徴です。

 遠近感すらも滅茶苦茶になったように感じるので、運転中だったりすると大変危険です。自転車やバイクなら転倒の危険も高いですね。

 歩ける物なら歩いてみてください。大体の方は歩きだす瞬間に崩れ落ちてしまうことでしょう。



 眩暈の病気の代表格ともいうべき「メニエール病」はこの眩暈に急に襲われる事を繰り返す病気で、低い音がブーンと響くような耳鳴りや聴力低下などを併発することもあるため、本当に怖い物です。

 心当たりの方は眩暈を診療できる耳鼻科さんを探してレッツゴー。



 2つめの眩暈は『浮動性』といいます。『浮遊性』とか『流動性』、『下船症候群』と言われる事もあります。

 船に乗っているような感じだとか、乗り物から降りた後も乗っている時の揺れを感じている現象から、このような名前が付いています。



 感覚で言うと『船の上に立っている』『バランスボールに乗っている』ような足元が不安定になっているような感じです。

 ちゃんと地面の上に立っているのに、急にボートで池の上にいるように感じるわけですから、不気味としか感じられません。

 熱にうだされてふわふわした経験もある人がいるかもしれませんが、あの感覚にも通じる物がありますね。



 重症になると、穏やかな波ではなくて荒波に揉まれている木片の上に立っているような物になります。

 他の病気が隠れていて、最初に眩暈の症状が出た結果がこの浮動性の眩暈ということもありえます。何度も発生するようなら病院に行ってみてもらいましょう。



 ちなみにピーターの体験した眩暈もこれになります。

 遊覧船など、穏やかな海や湖を走る船でも、結構揺れますから船の中を歩くというだけでも不思議にふわふわした感覚を味わえます。

 これが家の階段や風呂場で発生するわけですから、意外と怖く感じます。地震が起きている時に階段を降りているとか思えばイメージもしやすいかもしれません。



 3つめの眩暈は『眼前暗黒感』と言うすっごい名前がついていますが……

 別名『立ちくらみ』という実に一般的な名前です。

 他には『起立性』とか『虚血性』といったりすることもあるようです。



 この眩暈に襲われると、目の前が暗くなったように感じ、場合によっては眠りに落ちるかのように意識が離れるような感覚も伴ってきます。



 これはいわゆる「貧血」というものに関係しています。

 座っている状態から急に立ち上がると、頭部に回る血液の量が一瞬だけ不足して、脳を含めた頭部全体が酸欠になりますから意識が遠くなって目の前が暗くなる訳です。

 次の瞬間には回復しているので、全身のバランスを崩しかけていても、即座にバランスを立て直す事ができることが大半です。



 即座に回復しなくても、立ち上がった直後に座り込んでしまったりということになり、重度になる事は滅多にありません。

 ですが、高血圧や動脈硬化、血管の病気や状態異常を健康診断で指摘されている方は要注意、急激な血圧の変化が起こっているので、脳梗塞などの致命的な症状を誘発する事が『稀によくある』となっております。


 貧血や低血圧の傾向を持っている方はこの『眼前暗黒感』を感じやすくなります。血液そのものの量や血に溶け込んでいる酸素量が少ないからですね。

 対処方法は簡単、バッと素早く動くと出現する眩暈です。逆に「よっこいっせっと」ゆったりと動けば出現しません。



◇◇◇



 さてさて、ピーターが体験した『浮動性』の眩暈ですが、これは船の上で立っているような感覚に襲われる眩暈です。



 朝目が覚めて、なんとなくふわふわした気分で起き上がったわけです。

 最初は気が付きませんでしたよ、寝起きのボンヤリ感、まどろみの中にいる感覚のままトイレに行きました。

 そして思います。



「あれ? 2日酔い?」



 昨日は確かに飲んだけど、普段の晩酌レベルです。

 2日酔いになるレベルではありません。



「なら、熱がある??」



 咳も、だるさもありません、トイレから出て体温をチェックしましたが、やっぱり平熱。

 それでもフラフラする感覚が続いています。

 さすがに気が付きましたよ、自分が眩暈に襲われている事に。



「メニエール? それにしては眩暈は軽い。耳鳴りこそしているけれど、音が違う気がする」



 ここで気が付きます。

「あ、浮動型めまいだ」

 さて気が付いたは良いけれどどうしましょう。

 手すりがないと階段が昇れない、ご飯を食べている間もなんかゆれています。



 とりあえず、スケジュールを確認すると何とか休めそうな所、連絡を入れて休みを頂きます。

「これが眩暈か、確かにこれがいつ来るか分からないと不安だし、視界が歪む感覚があるから車の運転は怖くてたまらない。でも、この遠近感が狂う感覚は面白いな」

 なんて思っていたわけです。

 数時間もすればだいぶ眩暈は抜けて来て、翌日の朝はスッキリいつも通りです。

 そして、その1週間後……



 なんかフラフラする。眩暈再びです。さすがにまずい、月に何度も眩暈が出ていれば仕事もままなりませんし、台所に立って食事を作るのも不安です。カップラーメンに入れるお湯すらこぼしそう。

 という訳で、行ってまいりました「めまいクリニック」。

 耳鼻科で運営していますから、ついでに鼻の詰まりも改善してもらいましょう。



 いくつか検査の結果、メニエールや脳に関する病気などでは無いという診断になりました。

 これだけでも、ホッとした感覚がありました。メニエールや脳機能障害となると、しばらく休職することすら考えなければならない所でした。

 また、自分がメニエールではなく別の理由があるという自分の予想が合っていたということです。ちょっとガッツポーズですね。



 なんだかんだ言ってハッキリした原因は不明だったんですけどね。

 眩暈の原因には毛細血管の関係などもあるようで、眩暈と言えば定番という薬が処方されました。眩暈の改善ばかりか、予防にもなるようです。

 鼻の方もアレルギー関係の可能性を疑って、吹き付ける薬と飲み薬が処方されました。



 結果、朝夕食前1種・毎食後食後2種・鼻吹き付け1日1回・寝る前1種と処方されました。

 ごちゃってる~!?

 なんて思ったので、100円ショップで振り分けできるケースと、昼薬持ち運ぶための小分け用小袋を買ってまいりました。

 2日間くらい、処方の説明書とにらめっこしながら服薬してましたが、その後は慣れたもんで、服薬パターンは頭に入りました。



 そして、お医者さんからは水分を多く摂る事、ストレスを溜めずによく寝て疲労を回復しておくこと。

 これらを指導されてきました。

 ストレス・疲労を溜めないのは現代人には無理じゃね? って思ったのはナイショです。



 でも、出来るだけやろうと思いまして、毎日水のペットボトルを手元に置いて、残業はできるだけカット。先月だけで有給をトータル3つ使用などなど実践。

 評価も落ちたでしょうけど、それどころではありません。お先に失礼しますと行ったときの視線は全部無視です。文句を言われたら職場で倒れてやろうかと腹をくくっておりました。

 眩暈を実感して、運転中に事故したり、階段で転げ落ちてしまったりに比べたらはるかにマシです。



 それ以降、眩暈は出現しても数分で収まる程度で早朝だけです。仕事に支障は出ておりません。

 鼻の薬も効いており、呼吸もとっても楽になっています。

 このまま改善していくことを願うばかりです。



 たかだか眩暈と思ったそこのあなた!

 ぐるぐるバットやってから運転するというイメージしてくださいませ!

 眩暈って、怖いんですよ。

 あなたもお気を付けくださいませ、眩暈の世界は突然やってきますからね。

眩暈の世界の一旦に触れる事ができたでしょうか?

それとも眩暈の世界から戻ってきたのでしょうか?


人によって眩暈という感覚は千差万別、共感・共有が難しい感覚です。

「海に浮かんだ木の葉」なのか「渦に引き込まれた哀れな藻屑」なのか、あなたの思う眩暈は何でしょう?


世界が回り、歪み、遠近感が消失する、重力も乱れ、足元が隆起して陥没する。

それでも誰も気が付かない。

みんなの世界は変わらない。

恐ろしい眩暈の世界に囚われても、その感覚を知っているのはあなただけ。



実感ある方、休みましょうね。

休めない方は少しでも安らぎを。

良く寝て水分取るだけでも結構回復するそうです。

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[良い点] めまいは怖いですよね。 幸いにして私は慢性的なめまいにはなったことないですが、人の話を聞くとなりたくないな~。 ピーターさんはお大事にしてくださいね!
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