力の行使
<キャラクター紹介>
●バスター
翼の生えた白い竜。とても優しく穏やかで、力強さと勇気も持ち合わせている。バスターの一族は宝玉エアロフスキーの首輪、「玉輪」を守り続けてきた。これを持つ者は力を得るという。世界の力の在り方に疑問を持っている。
●キッチー
小柄な金色キツネ。古風な性格。鋭いキバと電撃攻撃で援護するバスターの相棒。分析力がある。子ギツネの頃、幼いバスターに拾われて一緒に育った。
●エコロン
大きめのニワトリ。黒い太眉が印象的。バスターとキッチーの世話をするのが生き甲斐。ロックが大好きで、良いロックミュージックに出会うと別の姿「ロック鳥」になる。バスターとキッチーが幼少の時から二人の面倒を見ていた。
●ダークフレイム
黒い炎の翼とオレンジ色のたてがみを持つ赤いドラゴン。バスターが身につけている「玉輪」を付け狙う。"自由"の存在に気付き、これを積極的に利用する。新しいものが好き。世界は愚か者のせいで正しい姿をしていないという考えを持っている。
●アイシクルスパーク
氷と電気を扱う灰色のドラゴン。ダークフレイムの弟。兄以上に賢く狡猾。兄の行動力の高さを羨ましく思っている。
<バスターvsダークフレイム>
その日は丁度満月だった。
バスターはキッチー、エコロンと一緒にマホロケ山に登り、満ち満ちた月をうっとりと眺めていた。
キッチーのエレキギターの伴奏に合わせ、エコロンのロックンロールが始まるところだったのだが...
空から、火球が一つ、また一つと落ちてきた。
因縁の敵のものであった。
バスター「ダークフレイム...」
ダーク「お月さんか、呑気なもんだな。」
キッチー「貴様を招待した覚えはない。帰れ!」
ダーク「つれないな、まあ良い。」
ダーク「俺の中の決意もな、今は満ちている。」
バスター「...?」
ダーク「今宵、俺はあんたの"玉輪"を、取り戻す!」
玉輪、それはバスター一族が守り続ける宝玉、エアロフスキーがはめ込まれた首輪であり、これを手にした者は強大な力を得るという言い伝えがある。
ダークフレイムは空から急降下してバスターに体当たりを仕掛けた。
バスターは坂道を転げ落ち、岩に頭をぶつけてしまった。
エコロン「バスター!!」
キッチー「おのれ...!」
キッチーは牙を剥きながらダークに飛び掛った。しかし容易に跳ねのけられてしまった。
バスター「いたた...ダーク、さすがに不意打ちはずるいぞ...」
ダーク「あれが不意打ちだと?随分と身体が鈍ったようだな、バスター。昔のあんたなら避けられたはずだ。」
バスター「とにかく、これを渡すことは出来ない。そして、お前もこれを持つことは許されないんだ。」
ダーク「俺が玉輪を手にすれば、この世界を真っ逆さまにすることだって出来るのだ。何故あんたのようなつまらぬ者がそれを所持している?俺は疑問でならない。」
バスター「...玉輪は、俺の先祖が管理してきた。ずっと守ってきたんだ。これを悪用する者達から...
その為に犠牲になった者もいる。もう、本当は要らないのかもしれない...こんな宝玉は。」
ダーク「フン、全くつまらない。さあさあ、早くよこせ。俺は別にあんたを傷つけたい訳じゃあ無い。素直に渡してくれさえすれば良いんだ。」
バスター「...それはできない。」
ダーク「ああ、そう。なら仕方ねえ、強奪するぜ。」
ダークは右手を銃の形にして、バスターに向けた。
ダーク「悪いな、いくぜ。BANG!!」
バスター「......ぐっ!!」
バスターが膝から崩れ落ちた。腹部を両手で覆って呻き声を上げている。
バスター「ぐぅぅぅ......っ!」
エコロン「バスター!!どうしたんだ?!」
ダーク「指鉄砲ねぇ...なかなか使える。」
バスターの右脇腹から背中まで何かが貫通したようだ。辺りには血が飛び散り、バスターの白い身体は真っ赤な鮮血に塗れている。
バスター「ハァ、ハァ、ハァ...」
エコロン「しっかりしろ!バスター!」
バスターは虚ろな目をしたまま、小さく呟いた。
バスター「逃げろ...」
キッチー「そんな、バスターだけ置いて、行けるか!」
ダーク「...俺はあんた達も一発でやれるんだぜ?バスター、このままあんたが玉輪を渡さないのなら、あんたの仲間もブチ殺す。さあ、どうする?」
バスター「.........分かった...渡そう...」
キッチー「バスター...!」
バスター「だからっ...二人には...何もするな...」
ダーク「よろしい、では早速頂くとしよう。」
ダークは血を浴びた玉輪を手に入れると、すぐに何処かへと飛び去って行った。
エコロン「...バスター、すまん!わしらの為に、お前の大切な物を...!」
バスター「いや...良いんだ....」
キッチー「バスター...酷い怪我だ、すぐに家に戻って手当てを!」
エコロン「ああ!」
<バスター達の家>
負傷したバスターの足取りに合わせたため、10分で着く家に到着するのに30分弱もかかった。
エコロン「さあ家に着いたぞバスター、もう大丈夫。」
バスター「ありがとう...」
キッチー「包帯と消毒、軟膏、血止め草と...」
エコロン「(奴の指から弾は出てないのに、背中まで貫通しとる...こりゃどうなってるんだ?)」
バスター「ちょっと、水浴びしてくる...」
キッチー「一人ではキケンだ、一緒に行こう。」
手桶で水を掬い、血がこびり付いた部分にかけていく。赤く染まった水が大量に洗い場を流れていく。
キッチー「...ダークフレイムの奴め。バスターの玉輪は絶対に取り返すぞ。」
バスター「...っ!」
キッチー「あっ、バスター!痛むか?...バスター?」
激痛と大量失血でバスターはとても弱っていた。ついに、そのまま水浴び場から動けなくなってしまった。目を瞑り、壁に体を預けてぐったりとしている。
キッチー「...バスター!これはマズイっ」
バスター「あっ、キッチー...待って、実は...」
<その頃、ダークフレイムの本拠地、黒煙城にて>
ダークフレイム「やったぞ!アイシクルスパーク!!ついに...」
スパーク「手に入れたのだな、玉輪を!」
アイシクルスパーク、それは兄ダークフレイムとは違い非常に利発な弟であり、氷と電気を扱うドラゴンである。
ダークフレイム「あー!毎回先に言うな!...まあいいや、これで俺たち側に力が集まるようになった訳だ。文字通り、世界がひっくり返る...」
スパーク「どれもこれも兄さんのおかげだよ、流石は僕の兄さんだ!」
ダークフレイム「ダハハ!まだまだ驚くんじゃないぞ!俺は今日、バスターを倒したんだ!!ついに!!!」
スパーク「バスターを...すごいよ兄さん!!」
ダークフレイム「よっしゃあ!これで邪魔者はいなくなった!さあ、これから俺たち二人で、この思考停止した馬鹿どもが腐らせた世界を変えてやるんだ!もう誰も、何の制約からも縛られない、理想の世界を...」
スパーク「そうだね、兄さん。
...あっ、折角だから記念写真を撮ろう!兄さんが奴から玉輪を取り返した記念にね。」
ダークフレイム「おお!良いなそれ!よーし、あ、俺のケータイ充電切れてるわ。お前の借りるぞ。」
スパーク「ああ、はい...これで撮れる。」
ダークフレイム「ようし、じゃあいくぞー...ハイ、チーz」
ドスッ!
ダークフレイム「ん゛!? い、痛...お前何.....うぅぅっ!」
スパーク「あー、これ写真じゃなくて動画撮影になってたねぇ...兄さんが刺されて崩れ落ちる瞬間までバッチリ写ってる。」
ダークフレイム「お゛い.....貴様ぁ....!」
スパーク「油断大敵ってやつだね、馬鹿がよくやる失敗の一つ。」
ダークフレイム「なんっ....だ、と」
スパーク「何が俺たち二人で世界を変えてやる、だよ。お前のような生ぬるい愚鈍と一緒にされたくない。」
ダークフレイム「なぜ、どうして....」
スパーク「兄さんは邪魔者がいなくなったと言うけど、僕にはまだ邪魔者がいるんだよね。」
ダークフレイム「.....俺たち...兄弟なのにっ....うっ....俺はお前を」
スパーク「黙っててくれないか、ウスノロ。」
ダークフレイム「....こんなことになるなら....こんなことになるなら、いっそこんな物ぉ...!!」
スパーク「そうだ、こんな兄さんでも感謝はしないとね。玉輪入手とバスター撃破、ありがと。兄さんの役目はもう終わったよ。あとは僕の目の前から消えてもらうだけだ。」
ダークフレイム「こんな終わり方...あるかよ...っ」
スパーク「じゃあね、兄さ......ん?」
玉輪を手にしたアイシクルスパークの表情が険しくなった。
スパーク「待て、これは....」
ダークフレイム「なっ、なん...?」
十数秒、玉輪を見つめた後、アイシクルスパークは上を向きながら大きなため息をついた。
スパーク「ハァ....兄さん、これ持った時に気がつかなかった?これニセモノだよ。」
ダークフレイム「....えっ」
スパーク「本物だったらここに小さい石が付いてる。エアロフスキーがね。でもこれはどこにも付いてない。馬鹿な兄さんはまんまと奴らに騙されたんだよ!」
ダークフレイム「何ぃ!?クソっ....!(手に入れた嬉しさで確認するの忘れてた!)」
スパーク「ほんっと、どこまでも役に立たない屑だ。もうアンタは必要ない。」
そういうと、アイシクルスパークは両爪でxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
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xxxxxxxx...
その頃
エコロン「何?!あの首輪は」
キッチー「もっとボヤかしてっ」
エコロン「あっ....えっと、つまり、ホニョホニョは偽物だったのか...」
キッチー「あのバスターが、まさかそんな策を用意してたとは、意外だったな。」
エコロン「それじゃ、本物はどこに隠してるんだ?まさか留守中の家に置いてく訳にはいかんし...」
バスター「二人とも...大事な話がある。」
エコロン「バスター!目を覚ましたか!大丈夫か?気分は?」
バスター「ああ、大丈夫。平気だよ。」
キッチー「バスター、大事な話って?」
バスター「実は.....
玉輪はもう......
............存在しないんだ。」
エコロン「なにーー!?」
キッチー「.......存在しないって?」
バスター「ああ、俺が壊したんだ、この手で....あれを持つ者が力を得るなんて、おかしいよ。
力で世界は変えられるけど、それだけじゃダメだ。それでは結局、力を支配しそして力に支配される世界のままだ。だから、俺は玉輪を...」
エコロン「そうだったのか.....
...偽物のためにこんなに傷つかなければならなかったなんて...お前...
お前は正しいことをしたよバスター!それでこそ力の守り手だ!!わしはお前を誇りに思う!!」
キッチー「ということは、バスターは最後の玉輪守護者になる訳か。」
バスター「ああ、もうこれで奪い合いが起きることはない。」
キッチー「...となると、偽物を持ち去ったダークフレイムは、今頃さぞかし悔しがっていることだろう。」
キッチー「........。」
エコロン「あっ...ということは。」
キッチー「今度はこっちに来るぞ。カンカンに怒ってな。」
バスター「うちに来てどんなに探しても、絶対に見つからないけどね...」
2時間後
エコロン「(お茶を飲みながら)来ないな。」
キッチー「(顔を尻尾に埋めながら)そうだな。」
バスター「(布団の中でケータイゲームしながら)もしかして気付いてないのかな。」
....
アハハハハハハ!!!
それありそう!!
意外とアイツ間抜けで単純だからなー!
本物の見た目を知らなかったりして!
ハハハハハハハハ!!
....続く
深夜テンションでスマホのメモに書き殴った物語の断片。スマホのデータが消えたら失われるのでここに書き記す。自己満足の道具の一つ。




