表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

出遅れた主人公

 勇者召喚が行われた翌日。王都中で終車が召喚された事が話題になっていた。


「ふーん、勇者召喚かー」

「おっ、何だ兄ちゃん召喚の勇者の事が気になるのか?」

「今王都中その話持ちきりだからなー」

「それにしても見ねー顔だな。兄ちゃんどっからきたんだい?」

「俺は冒険者だから依頼で来たんだ。しばらくはここに滞在するつもりだ」

「そーかそーか冒険者か兄ちゃん若いのにすごいね〜」


 今、夜神月輪廻(やがみりんね)(主人公)は朝食をとる為に近くにあった屋台に来ている。2話目にしてようやくの登場である。

 冒険者とは、冒険者ギルドに登録しているものの事である。色々なクエストや依頼をこなす事で冒険者ランクが上がり、ランクが上がると受けられるクエストや依頼も多くなる。

 ランクは低い方から、G.F.E.D.C.B.A.S.SSとなっている。冒険者の数はとても多いが、SSランクの冒険者は50人もいないと言う。


  (召喚の勇者か、果たしてどのぐらい強いのか)


「はい、焼肉定食だ。味わって食べろよ冒険者の兄ちゃん」

「なんだ、ここの焼肉定食は肉が多いな」

「それは、頑張ってる冒険者の方々への俺なりの感謝の気持ちだよ。冒険者の人達のおかげでこうして屋台が出せるわけだからな。ガハハハハハ」

「それじゃ、遠慮なく」


 そう言うと輪廻は夢中で焼肉定食を食い始めた。「店主がいい食いっぷりだなー」と笑っているのにもきずかないくらい夢中に。


「うん。ここのはうまいな」

「また腹が減ったら来るといい兄ちゃん」

「んじゃー暇ができたら是非来るとしよう。はい銅貨4枚」

「まいどありー」


 お金を払って屋台を出る輪廻。これからどうしようと悩むが取り敢えずギルドに行くかと、大通りに出た。


 大通りをしばらく歩くと冒険者ギルドの看板が見えた。「何でこう無駄に広いんだよ王都」と、内心悪態をつきながらもギルドの中に入る。


 ギルドの中には10人ほど依頼版に貼ってある依頼書を見ているものと、まだ朝だと言うのに酒を飲んでいるゴツい男たちが6人ほど居た。他にも朝食をとているものや依頼をしに来たものが数人いる。

 酒を飲んで居た6人がこっちの様子を伺っている。どうやら俺が見たことない冒険者だったから観察をしているのだろう。冒険者の中ではよくあることだ。


「おいおい兄ちゃん、見ない顔だな」


 酔っ払いのうちの1人が声をかけて来る。こういうめんどくさいのは無視に限る。だが、どうやら男は無視されたのが気に食わなかったらしく、こちらに向かって歩いて来る。


(はー、面倒ごとは極力避けたかったんだけどな。まーなんかあいつムカつくしいっか)


「おいおい兄ちゃんよ〜、おれが誰だかわかってんのかぁ。アァ、俺様はAランク冒険者のガイル様だぞ」

「おいおいもうその辺にしとけってガイル、そのガキ泣いて逃げちまうだろ。ぎゃハハハハハ」

「はぁ、少し黙れ」

「何だとこのガキ、痛い目見ないとわかんないようだな」

「ガッ、ガイルさんやめてくださいここはギルドの中ですよ」

「知るかぁんなこと」


 そう言うと、ガイルは輪廻に向かって拳を振り下ろす。酔っ払い以外の冒険者がとっさに止めに入ろうとするが間に合うはずもなく輪廻に向かって拳が振り下ろされる。

 だが次の瞬間ギルドにいるものが全員驚愕の声を上げる。


「「「「「「「えっ」」」」」」」


 そんな声をあげた理由は、1発喰らえば気絶するようなガイルのパンチを指1本で止める輪廻の姿がそこにあったからだ。


「んな」

「Aランクごときが調子にのるからこうなる」


 そう言うと輪廻は、左手でガイルの腹に1撃入れた。するとガイルは1撃で気を失いそのまま前に倒れてしまった。


「お前らもやるか」

「いっ、いえ。や、やりません」

「ならいい。次からは相手の力量を見極めてから喧嘩を売るんだな」


 輪廻に言われて酒を飲んで居た他の5人は酔いが覚め真っ青になった顔で頷いた。だが輪廻は、気にした様子もなく受付の前に行き、


「魔石の換金をしたい」

「ひゃっヒャい、まっ、魔石の換金ですね。で、では魔石を見せてください」

「ほら」

「中級魔石5個と上級魔石1個ですね。中級魔石は1個銀貨1枚、上級魔石は銀貨5枚ですね。合計金貨1枚ですギルドカードを出してください」

「ん、ほら」

「はい、夜神月輪廻さんですね。えーとランクは……ランクは……」

「おいどうした一体?」


 すると受付嬢は、突然後間を下げて、


「た、大変失礼致しました」


 と謝罪の言葉を述べたのだ。おいおい一体今度は何だと、輪廻に視線が集まる。一体何なんだよと輪廻が受付嬢に、「おいおい、今度はどうした」と聞くと、


「まさかSSランクの冒険者様だとは知らずに、数々の非礼お詫び致します」

「…………」


 1時の静寂が流れる。そして、


「おいおいおい、まじかよSSランクって強いとは思ってたけどそんなにかよ」

「あんなに若いのにSSランクって超すごいじゃん」

「お、俺らもしかして今物凄い人と同じ空気吸ってんじゃね」

「さ、サインもらわないと」


 超うるさくなった。

 めんどくさくなった輪廻は、報酬だけ受け取ってギルドを後にした。本当は依頼を受けるつもりだったのだが、何かもうやる気が無くなって宿に帰ることにした。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 時間は朝に戻ってここは王城の修練場。

 いつもは騎士団訓練に使う場所だが今日はいつもとは違うものたちが居た。


「えー、勇者の方々まずこれから戦い方を覚えるに当たってまずは自分のスキルと適性魔法について知っておく必要があります」

「それはどうやったらわかるんですか?」

「はい、まずスキルや適性魔法の事を引っくるめてステータスといいます。そしてこのカードなのですが、これはステータスプレートと言います。これを手に持って、心の中でステータスと、念じて見てください」

「分かりました。皆んなやってみよう」


 33人はそれぞれ配られたステータスプレートを持って、ステータスと念じる。すると、プレートに文字が浮かび上がってきた。


 天上颯汰 16歳 Lv.1


 スキル


 聖剣使い

 全能力向上Lv.1

 全装備能力向上Lv.1

 高速治癒

 成長速度上昇大

 言語理解


 適性魔法


 火・水・風・土・雷・光・闇


 筋力:100

 体力:100

 耐性:100

 敏捷:100

 魔力:100


 橘佳奈 16歳 Lv.1


 スキル


 治癒魔法効果上昇Lv1

 高速治癒

 結界魔法上昇Lv1

 魔法耐性Lv1

 言語理解


 適性魔法


 水・風・光


 筋力:30

 体力:80

 耐性:70

 敏捷:50

 魔力:120

 

 坂上健斗 16歳 Lv1

 

 物理攻撃上昇Lv1

 身体強化Lv1

 物理攻撃耐性Lv1

 高速治癒

 言語理解


 適性魔法


 火・土・雷


 筋力:150

 体力:120

 耐性:120

 敏捷:50

 魔力:30


 十条紗綾香 16歳 Lv1


 魔法威力上昇Lv1

 消費魔力半減Lv1

 魔法速度上昇Lv1

 高速治癒

 言語理解


 適性魔法


 火・水・風・土・雷・闇


 筋力:20

 体力:70

 耐性:40

 敏捷50

 魔力:200


 神崎雅 16歳 Lv1


 斬撃威力上昇Lv1

 斬撃速度上昇Lv1

 身体強化Lv1

 高速治癒

 言語理解


 適性魔法


 水・風・闇


 筋力:100

 体力:120

 耐性:60

 敏捷:160

 魔力:40


 他の生徒もこの5人ほどでは無いがかなりのステータを持って居た。

 そしてそれを目の当たりにした騎士団長バラルは、空いた口が塞がらない程驚いた。本来スキルは2持っていればいい方で3つ持っているものなどほとんどいない。適性魔法魔法も同じだ。数値は普通はLv1なら1桁でよくて2桁だ。

 だが、彼らは皆んなスキルは3以上、適性魔法は3属性以上、数値に関しては100を超えているものまでいる。

 はっきり言ってただのチート集団だった。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 勇者達のステータスが判明した日から1週間。勇者達の訓練はつずいていたのだが、何とたった1週間で騎士団長を余裕で超えてしまった。

 魔法についてもどうして魔法が使えるかなどの座学もはさみながら訓練した結果、魔法師団以上の魔法が使えるようになってしまった。

 ちなみに魔法が使うには2つの方法がある。


 1つ目は、自分の体内にある魔力をイメージによって魔法にする方法。詠唱は、イメージの補助に過ぎない。


 対して2つ目は、空気中にある魔力を1箇所に集めて使う方法だ。魔力を集めた後は、イメージによって魔法にするのは1つ目と同じだ。だが、この方法は魔力を集めるのが難しく、使うことが出来る者は数えるほどしかいない。


 今は、いつもの朝の訓練を終え朝食を取っている勇者達今日は今までとは少し違う内容の訓練ということもあって少し緊張しているのか食堂の空気が少し張り詰めている。

 なぜ緊張しているか、それは、今日から実戦訓練をすることになっているからだ。今日はこの後、冒険者ギルドにて冒険者登録をした後実際に魔物討伐の依頼を受けて実戦訓練と、いうスケジュールになっている。

 この1週間で皆んなかなりレベルが上がり実際に魔物と戦っても大丈夫だろうということで許可が下りたのだ。


「よし、皆んなそろそろ行こうか」

「おし行くか」

「しっかり戦えるかな颯汰くん?」

「大丈夫だ、訓練の時と同じさ。前衛と後衛のコンビネーションがあればどんな魔物が出てきても負けないさ」

「うん、そうだね。少し心配しすぎだったかな」

「うむ、今の勇者様方なら龍級の魔物でもでない限り余裕でしょうな」


 ちなみに魔物も強さによって分けられており、低い方から、下級、中級、上級、最上級、超級、龍級、破滅級、星級、神話級に分けられている。

 だがあくまで区別があるだけで破滅級までしか実際は確認されていない。それ以上は、神話の中の話でしか無いがいるかもしれないということで一様階級がある。


「ではギルドへは馬車で移動します。私についてきてください」

「分かりましたバラルさん」

輪廻:ようやく本文に登場した。主人公なのに2話で登場した。

作者:いゃ〜ようやく主人公登場ですねー

輪廻:そういえばどうして俺は1話で登場しなかったんだ?

作者:勇者召喚について書いてたらなんかもういいやって思ってついw

輪廻:ほう、そうかそうか。俺に切り刻まれたいようだな

作者:すみません。調子こきました。もうしません。

輪廻:よろしい

作者:と、それはさておき、次回予告です。

輪廻:次回ついに勇者が魔物と戦うようだな。

作者:そうです。遂に勇者と魔物の戦いです。

輪廻:これで勇者の実力がわかるな


次回:勇者初の魔物討伐 絶望の果てに見たもの

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ