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プロローグ 異世界召喚

 ここは、地球。

 今は全くと言っていいほど争いのない平和な星。

 だが今、そんな平和な星にある1つの学校の1つの教室だけは、他とは違う状況にあった。


 その日、天上颯汰(てんじょうそうた)はいつものように学校へ行こうと身支度を整え家を出た。颯汰は、運動神経が良く、その上頭脳明晰、さらに容姿端麗。女子が黙っていない完璧人間だ。


 そんな颯汰が家を出ると、そこには1人の少女が立っていた。少女は家から出てきた颯汰を見ると微笑みを浮かべた。


「おはよう颯汰くん」

「ああ、おはよう佳奈」


 2たりは、笑顔で挨拶を交わすと並んで歩道を歩き出した。


 颯汰を外で出迎えたのは、橘佳奈(たちばなかな)。佳奈は颯汰の幼馴染で、2人が通う学校の3大女神と、呼ばれるほどの美少女である。


 家を出て、10分ほど歩くと2人の通う学校が見えてくる。校門をくぐり学校の中に入ると2人は、内ばきに履き替えて校舎の中に入って行った。


 教室に入ると、すでに20人ほどの生徒が登校していて、友達と喋っていたり本を読んでいたりと、いつも通り活気に満ち溢れていた。


「よう」

「おはよう、健斗」


 颯汰が自分の席に着くと前の席に座る、男子が声をかけてきた。


 今颯汰に話し掛けたのは坂上健斗(さかがみけんと)。颯太の親友の1人だ。健斗は、柔道部のエースでなんと全国ベスト8という実力の持ち主だ。


 健斗と部活や授業の事について話をしていると、ガラガラガラガラと、教室のドアを開けて2人の女子が入って来た。


「おっはよー、颯汰っち」

「ああ、おはよう紗綾香。今日も元気だな」


 十条紗綾香(とおじょうさやか)、彼女も3大女神と呼ばれる1人。少し小柄でどんな時でも笑顔で、誰にでも明るく振る舞う美少女だ。颯汰とは中学からの知り合いだ。


 紗綾香と一緒に教室に入ってきたのは、神崎雅(かんざきみやび)。長い黒髪と整った顔立ちをしていてまるで、大和撫子のような美少女だ。雅は、剣道で全国大会準優勝という記録を持っている。


「雅もおはよう」

「ええ……おはよう」


 それから少しの間5人は、話をしていると先生が教室に入って来た。


「ようーし、みんな揃っているな。それでは、朝のホームルーム……」


 そこまで言いかけた所、いきなり強い揺れが起こった。どうやら地震のようだ。先生は、皆んなに「机の下に隠れろ」というと教卓の下に頭を隠した。

 だがどういう訳か、一向に揺れが収まる気配がなく、どんどん揺れは激しくなって行く。すると今度は、クラス全員の目の前が真っ白になった。


 こうしてある日、大人1人と生徒32人1クラス、計33名が行方不明になったのであった。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「どこだ……ここは」


 今、颯太達は全く見覚えのない部屋にいた。特徴は、床に魔法陣のようなものが書かれているというだけで、他に変わったものは見られない。颯汰は周りを見回して見る。そこには、自分たちを取り囲むように立つ真っ黒なローブに身を包んだ男達と、純白のドレスに身を包んだ美少女がいた。


(どういう事だ、ここは一体どこだ。それにこの人たちの服装、まるでファンタジー小説とかに出てくる魔法使いと、お姫様みたいじゃないか)


 他の生徒達が、「ここは何処だよ」「あの人たちは誰」などと、つぶやいているのを横目に、颯汰は自分たちに何が起こったのかを整理するため、思考を巡らせていた。


(今日は、朝起きて普通にご飯を食べて、いつものように佳奈と学校に登校して、いつも通り皆んなで喋っていたら、先生が入って生きて、そしたら急に自信が起きて、目の前が真っ白になって、きずいたらここにいた)


 そこまで考えると、颯太の頭に一つの可能性が浮上して来た。


(いやまさか、そんなはずは無い。だってあの世界には魔法なんてなかったし、……でも本当にそうなら、僕たちのこの状況はまさか……)


「異世界、召喚……」


 さっきまで、皆んな動揺して騒いでいたが、颯汰のそな一言で皆んなが颯汰を見る。すると、ドレスを着た少女が、颯太のつぶやきを聞いて少し驚いたような顔をして口を開く。


「皆さま、今は大変混乱していると思います。ですので私から少し説明させていただきます。まずあなた方 は、そちらのお方がおっしゃった通り皆さまは、異世界召喚されました」


 少女の説明を聞くと、ここは颯汰達が元いた地球とは別の世界のオルダリール王国らしい。そして今説明をした少女の名前は、ルルアリーナ・オルダリールと言い、この国の第一王女様らしい。

 そこまで話すと、ルルアリーナは詳しい話は国王の前でと言ってついて着てほしい言い部屋を出て言った。颯汰達もどうすればいいかわからなかったため、素直にルルアリーナのいうことを聞くことにした。


 ルルアリーナの後について歩いて行くと、1つの大きな扉の前で立ち止まった。


「皆さまここが、玉座の間です。ここに国王が居ます。なので詳しい話は中でお話しします」

「分かりました」

「では開けてください」

「はっ、御意に」


 扉の前に立って居た兵士に1人が扉を押すと、ギギギギという音と共に扉が開いた。


 玉座の間には、明らかに位の高そうな文官と剣を腰に差している武官と思われる人たちの他に、恐らく召喚されたもの達を見に着たのだろう、貴族の令嬢と思われる、ドレスを着たもの達が居た。そして玉座に座る初老の男の4種類の人が居た。


(あの人が王様か)


「父上、召喚の勇者様方をお連れしました」

「うむご苦労であった、ルル。あなた方が勇者様か?」

「はい。勇者かどうかは分かりませんが、私達は召喚されたもの達ということで間違いはありません」

「うむ……成程、確かに物凄い魔力を感じる。どうやらそなたらが召喚の勇者で間違い無いようだ。私はガルハラス・オルダリール、オルダリール王国国王だ」


 そこまで言うと、ガルハラスは立ち上がり颯汰達の前まで歩み寄った。


「まず始めに、此度の召喚のこたについて1つ言っておかなければいけないことがある。勇者の方々、この度は大変申し訳ない事をした。どうか許して欲しい」

「えっ」

「勇者様がと私からもお詫び致します。この度は、大変申し訳ない事をしました。どうかお許しください」


 突然国王と王女に頭を下げられて一体どう言う事だ?と、それぞれ驚きの表情を浮かべている。だが、颯汰だけは冷静になようで、


「国王様、王女様、どうか頭をあげてください。悪いと思って居てでも召喚したのには、それなりの理由があるはずです。先ずはそれをお聞かせくださいませんか」

「そ、そうですよ国王様、王女様、別に2人が頭を下げることでは無いでしょう」

「頭をあげて下さい」

「私達なら大丈夫ですよ」

「私達でよければ力になりますよ」

「そうです。せっかく召喚されたんだから王女様達のために頑張りますよ」

「それになんか俺たち勇者なんだろ。チート能力とかもあるかもしれないし、俺たちが全員で戦えばどんな奴がきても怖く無いよ」


 颯汰につずいてクラスメイト達が口々に喋る。先程までは召喚されて起こっていた生徒も多かったが、2人の行動に毒気を抜かれたのかほとんどの生徒が、2人を慰める言葉をかけ出した。


「ありがとう勇者方々」

「先程も言いましたが気にしないで下さい。それより、僕たちが召喚された理由を説明して下さい」

「そうだったな。それでは説明させていただく」

「待って下さい国王様。説明については私からさせていただきたく思います」

「うむ、良かろう。説明についてはお主に任す」

「はっ、御意に」


 そう言うと騎士は1歩前に進み少し前に出ると、颯汰たちを見て1礼した。


「私は近衛騎士団団長のバラル・ローダと言うものです。以後お見知り置きを……それでは勇者様方が召喚された理由について話させていただきます」

「お願いします。バラルさん」


 バラルの説明をまとめるとこう言うことだった。この世界には魔物という者がいる魔物は強いものから弱いものまで様々なものがいる。確かに強い魔物はいるがいくら強くとも国の軍隊レベルの力があれば大抵はどんな魔物でも倒すことは可能だ。

 だが今から約1000年前、魔物が突然変異を起こし魔族が生まれた。魔族はとてつもなく強く、魔物の比ではない力を持っていた。そして、魔族が生まれてから1000年間人間と魔族は幾度となく戦争を繰り返した。

 魔族を束ねる魔王は、強く初めて生まれた魔族とも言われている。魔王は1000年という長い年月をかけても倒すことの出来なかった。

 そこで、魔王を倒し魔族を滅ぼす為に召喚されたのが、颯汰たち勇者だ。


「成程、大体は分かりました。僕たちはその魔王を倒せばいいわけですね」

「そうだ。どうだやってくれるか、勇者殿?勿論強制ではない」

「そうですね。少し待って下さい」


 そういうと、颯汰はみんながいる方を振り向いて言った。


「みんな、僕は魔族と戦う。だけどみんなには強制しない。もし、一緒に戦ってくれる人がいたら手をあげて欲しい」


 颯汰の決意と、自分達への問いにみんな少し悩んだ顔をするが、何とみんなが戦うと手を挙げた。


「水臭いな〜颯汰っち、颯汰っちが戦うって言ってるのに僕たちだけ逃げるわけには行かないでしょ〜」

「そうだぞ颯汰、俺たちは親友だろ。どこまでだってついて行って戦ってやるよ」

「颯汰くんと一緒ならどんな事があっても大丈夫」

「……私だけ、逃げるわけには……行かない。友達なら、一緒に戦うべき」

「みんな……ありがとう。国王様、決まりました。僕たちは魔王を倒して見せます。ですが1つだけお願いがあります」

「うむ、してその願いとは?」

「見ての通り私達は、戦いにおいては何の知識もございません。なので、私達に戦い方を教えて欲しいのです」

「戦い方を教えるのは召喚したものとしての当然の義務だ。バラル騎士団長、勇者様方にこれから戦い方を教えてやってくれ」

「はっ、承りました」

「今日はもう疲れたであろう。ルル、勇者様方を部屋に案内してあげなさい」

「分かりました父上。勇者様方、お部屋に案内します。ついてきて下さいませ」


 颯汰たちはそう言って部屋を出て行ったルルアリーナの後について各自の寝室に案内され、その日はみんな静かに眠りについた。

なぞのにんげんX おいどういう事だ俺が出てねーじゃねーか。

作者 いっや〜君の出番は実は次話からなんだよね〜

なぞのにんげんX 本当だろうな。出さなかったら締めるからな


次回 出遅れた主人公

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