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僕が守るから。

扉に手をかけたアリスの背中を僕は見つめていた。


「アリ・・・」

声をかけようとした瞬間彼女は崩れ落ちた。


僕の目にスローモーションでうつる。


「アリス!!!」

僕は彼女が床に落ちる前に抱きとめた。

彼女の口元に頬を持っていくとしっかりと息をしていた。

よかった・・・。


「アルヴァもいたのか」


上を向けばいつものように椅子にふんぞり返って座っているアリア様がいた。


「ええ。」


いや、いつものようにではない。


「アリア様・・・いや、アリア王子と呼んだほうがよろしいですか?」


にっこりと笑って返せば、アリア様もふっと笑う。

いつもの女性の服ではなく男性の服を身に着けている。

これが彼女の…いや、彼の本来あるべき姿だ。


「ああ。そうだな、今後はそうなるな」


「何故、女装など?」


そう聞くと顔の前でぶんぶんと手を振るアリア様


「やめてくれ、女装なんていうの・・・俺だって好きでやってたわけじゃないんだぜ?」


「それは重々承知しております」


僕の言葉にアリア様は顔を歪めた。


「なんだ、今日のアルヴァはやけにツンツンしてるな」


「無駄な話はしたくありません。…早く状況を詳しく説明していただけますか」


僕の言葉にアリア様はへらへらしていた顔を急にムッとさせた。


「図に乗るなよ、この世界では俺がルールと言う事はかわらねぇんだからな」


つまり、あまり反抗的な態度を取ると殺すぞということか。


おもしろい…


僕は自分の口が弧を描くの感じた。


「そんな言葉に僕が屈するとでも?…王子、僕はね「アリス」じゃなくて「水城有守」が大切なんです。アナタと違ってね…」


有守を抱き上げながら、睨むように言えば王子はぐっと言葉を呑み込んだ。


「僕なら、…彼女を…元の世界に帰すこともここにとどめる事もできます」


「おまちなさい、白兎」


その言葉と共に白の女王が現れた。僕は彼女を見つめた。


「…そんなに殺気立たないで。まず、アリスをそこに」


女王が指差した先には、椅子が一脚あった。僕はアリスをそこへ座らせ、くたっとしたアリスの顔にかかる髪をゆっくりと梳いた。


「白兎、アナタも座りなさい。…すべては彼女が起きてからにいたしましょう。」




                                     つづく

お久しぶりです!復活しました!…ただまた死亡するかも。(死亡フラグ

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