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自分の気持ち

お久しぶりです!

わたしはベットの上で昨日アルヴァに言われた事を思い起こしていた。


「何か…いろいろ言ってたけど」


ー議題は…アリスを元の世界に戻すかどうかですー


頭の中に流れ込むアルヴァの言葉。


「嬉しい…嬉しいんだよね?」


でも何でだろ…すごく寂しい気もする。


みんなと出会って変な体験もして、最初は早く帰りたいって思ってた。


でも…


でも今は…



「わかんないよ…自分が。」


まるで


深い森の中で迷った迷子の子供のようなそんな感覚がした。


枕に顔を埋めていると


コンコンッ


窓をノックする音がした。


「誰?」


ゆっくりと窓に向かう。カーテンを開けるとそこには


「あっ…確か…」


急いで鍵を外し窓を開けた。

するとバルコニーに立っていた人は翼をしまいニコリと微笑んだ。


「やぁ。アリスくん元気かい?」


そう言ってわたしの頭を撫でた。

懐かしいと何故か思ってしまった。

きっと頭を撫でられるなんて久しくされていないからだろう。


「まぁ…それなりに…あのどうぞ中に」


わたしは道をあける。すると


「こんなところからお邪魔して申し訳ないね。失礼するよ」


靴を脱ぎ丁重に並べ入った。わたしは窓を閉め鍵をした。


「きちんと掃除されていて良いね。」


グリフォンさんはあたりを見渡した


「ありがとうございます。あの紅茶飲みますか?」


「ありがとう…でも悪いね紅茶は嫌いなんだ」


「そうなんですか?じゃあコーヒーにしますね」


「ああ。ありがとう」


「適当なところに腰掛けてください。直ぐ持ってきますから」


意味の無い会話を交わしわたしはお湯を沸かしに台所に入った。

グリフォンさんは椅子を引きそこにゆっくりと腰掛けて足を組んだ


「それで…今日は「あのさーアリスくん」


「はい?」


わたしの言葉を遮ってグリフォンさんが喋る。わたしは振り返りグリフォンさんの顔を見ると、にこりと微笑みわたしを見ていた。

なんとなく、それが嫌で直ぐに視線を戻した。


「アリスくんはこの世界が好きかい?」


いきなりの質問で驚き手が止まる。

そして小さく笑って


「そんなわけないじゃないですかー…ここの住人はみんな変人…いや変なものばっかりでこっちに迷惑はかけるわ、苦労はさせるわ、わたしの不幸度倍増ですよ。早くうちに帰りたいです」


今思い起こしても、笑えて来る。


「じゃあ…キミは帰りたいんだね?」


コーヒーが一滴ずつ落ちる。


ぽちゃんっ


あたりが静まる。


ギシッと椅子が軋む音が聞こえ、グリフォンが歩み寄ってくる音がする。


心臓がうるさくなる。あたりに響くんじゃないかと思うくらい


「もう一度問う。キミは帰りたいんだね?」


わたしは振り返ってグリフォンの目を見る。

すべてを見透かすような…嘘をついた瞬間自分が死んでしまうんじゃないかと言う錯覚さえも起こる。

わたしは声を絞り出すように紡いだ。


「わ…わかりません…」


グリフォンはメガネ越しにわたしを見つめ続ける。

息が詰まる


心臓が鳴り響く。


スッとグリフォンが手を伸ばす。わたしは身を硬くし身構えた。

しかしグリフォンの手はわたしを越えて、コーヒーポットを掴んだ


「あーあ…落としちゃったね。もうおいしいコーヒーは飲めないよ。


もう失敗したら二度と戻れないんだ…


わかったかい?」


わたしを見てニコリと笑った。

わたしはその笑顔に少し安堵のため息をついた。

でもその言葉はコーヒーの事以外のことを言ってる気がした。


「はい…」


「まぁいいか。アリスが俺のために点ててくれたコーヒーだし…いただくとするよ」


そう言ってグリフォンは食器棚からコーヒーカップを取り出し注いで一口コーヒーを飲み


「おいしいよ。」


と言って笑った。


いつの間にか心臓の音は止んでいた。




                              つづく


じゃんじゃん書けたら良いのにナー…中々アップしないのにみなさん来てくれてありがとーございます!

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