青春の1ページ
「ふぅ・・・とうとう明日かぁ」
城の長い廊下を歩きながらわたしは呟いた
ここ数日間わたし達は漫才の練習にあけくれていた。
・・・・まぁもちろんティアは仕事をしながらだけど。・・・わたし?わたしはアレだから。夢を追いかけてるから・・・別にプーじゃないからね!!!!
「あっアリスだ。」
「ホントだ。久しぶりだなアリス」
後ろから声をかけられ振り向くとそこには
「チュにリスとシウくんじゃん・・・えっと久しぶり!?」
日数はあやふやです・・・ごめんね!でも最近全然会ってなかったなぁ
「はははっ。久しぶりだな・・・っ・・なんで最後ッ・・・疑問系なんだよ・・ッ?」
すいませーーん!笑いながら言わないで!!言葉途切れてる!!
ってか笑うとこ今あった!?
「チュニリス。笑うのやめなよ」
「悪いな・・っ。ははっ・・・。ヤべッとまらねぇ・・・っ」
口元を抑えながら笑いを堪えるチュニリス。シウくんはそれを見て暫く考える。が、諦めたらしく
「アリス。何か考え事してたの??」
と、チュニリスを無視してわたしに話しかけてきた。
「いやー・・実はさ〜明日漫才にティアとでるんだよね〜」
すると、チュニリスがピタリと笑うのを止めわたしを見て目を輝かせた
「すげぇ!!アリスすげぇ!!いいなー!なぁシウ!俺たちも出ようぜ!!」
くるっと振り返りシウくんに輝いた目のまま頼む。するとシウくんは溜息をつき
「絶対嫌。チュニリスと出ると絶対自分だけ先に笑ってお客さんシラけさせちゃうし」
肩を竦めた。
「あーわかる。いるよねー・・・そういう人。見てる人シラけちゃうよねー」
「んーそうかな〜?俺はシラけないぜー?」
チュニリスがんーと考えながら言った。
それはアナタだからです。するとシウくんが
「そういえば、ティアって誰?」
と首をかしげた。
「あっ・・・そっか。知らないんだ。ティアルス=ダイアだよ」
「「ええっ!?」」
二人は声を揃えて、叫んだ。
「なっなに!?」
今吃驚したよ!? 心臓バックンバックンだよ!? アリスちゃんもう少しでアレだったからね! 昇天あんちきしょー! だったよ!!?
「えっ・・・ティアルス=ダイアってあの「黄金の死神王子」!?」
シウくんが目を見開いてわたしに聞く。
「いや。うん・・まぁそーだケド?」
初めて聞いたよ。ティアがそう呼ばれてるの・・・自称じゃなかったんだ
「ダイア隊のエースの?!」
チュニリスもシウくんと同じ様な顔で聞く
「そうだよ。なんで?」
そう聞くと二人は顔を見合わせて
「だって・・・言っちゃあれだけど「死刑執行人」だよ?」
「風の噂では非道な奴だって聞いたぜ?」
そう口々に言った。・・・・ティアが・・・?
「あー・・・無い無い。だってM男だし」
わたしが笑顔で否定するとシウくんは
「M男って・・・」
と顔を引き攣らせ、チュニリスは
「あはははははははっ」
笑っていた。
「ふぅん・・・でもホントに「黄金の死神王子」と、「赤うさぎ」のアルヴァには気をつけて方がいいよ」
「赤うさぎ?」
わたしが疑問符を浮かべると、シウくんが
「アルヴァは魔物をたくさん狩ったりすると、まぁキレちゃうって言うか・・なんていうか」
シウくんがそこで口篭り、チュニリスを見た。
「まぁ狂うからな・・・ついでに「バキューンッ」なんて事もあるかもな」
チュニリスが手で銃の形を作りわたしの心臓をにこやかに撃ち抜いた。
いやいや。そんな表情な顔で言うことじゃないからね。
「んーまぁ・・・アリスにそんな事はしないんじゃない?」
「そうだよねー白うさぎはアリスによわ゛ッ
後ろから声が聞こえてわたしは、肘鉄をお腹に綺麗に決めた。
「ごめん。シェル・・・反射条件でつい」
わたしは全く反省して無い顔で謝罪を述べる。シェルはしゃがみこんでお腹を押さえている
「いや。アリス・・アレついとか言うレベルじゃないでしょ?まぁ・・・チェシャ猫だから良いけどね」
シウくんがクールなツッコミを決めた。・・・あっやっぱ嫌いなんだ。
「グッジョブ!シウくん。よかったらわたしと漫才組まないか」
親指をたてて言うと
「えー・・ずるい!俺がアリスと漫才を組みたい!夫婦漫才やろうぜ」
チュニリスが笑顔でわたしに向かってそう言ってきた
「えっ?なにコレ。もしかしてプロポーズ?プロポーズとして受け取って良いの?」
わたしがそう言うとシウくんが
「いや。違うと思う」
簡単に返してきた。
「そうだよ。アリス・・・いつも俺が送ってる愛情表現には拳で返すくせに何でチュニリスには優しいんだよ」
ぶーっと言いながら言うシェル。あー・・復活したんだ・・・チッ全力でやったのに。
「ものが違うでしょ。チュにリスとあんたじゃ」
「なんでだよー」
そう二人で言いあってると
「なんだかんだ言って二人とも仲いいんだな」
チュニリスがにこやかに言った。
「なっ・・・チュニリス!」
わたしはそう叫び、シェルはニタニタと笑った。
「はァァ・・・・チュニリス。空気読もうよ」
シウくんは溜息をついた。
ホントだよ!!シウく「二人がラブラブなのに邪魔したら駄目でしょ」
「ちがァァあああああううううう!!!!!」
そう言ってわたしは走ってその場から去った。
つづく
まぁこんな感じですよねー・・・青春って・・・・(遠い目)