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Gryphon

「まぁコーヒーでも飲みながら話してよ」


そう言って彼は目の前に温かなコーヒーを置いた。

ん〜・・??シェルはおじいって呼んでたけど全然おじいじゃないし・・・20代前半ぽい・・・よね?しかも知的美形で、メガネかけててめっちゃお兄さんぽいしね!


「ありがとうございます」


「・・・どうも」


「あっありがとうございます! 」


アルヴァはちょっと緊張気味にお礼を言って、シェルは短くお礼を言い、わたしはルンルンでカップを取った。


「久しぶりだね?」


彼はにこりと笑って、アルヴァに聞く。アルヴァは姿勢を正して、


「はい。そうですね確かあの時でしたよね最後にあったのは」


そうアルヴァが言うと「ああ」と彼は頷いた。


わたしはそんな話をしてるのを傍らに 

あー・・・どうしよ・・わたしブラックで飲めないんでよね・・・砂糖とミルクくださいって言っていいのかな・・・??

なんて、馬鹿な事を考えていた。

シェルの様子を見ると熱々のカップを見てムスーッとした顔をし、爪でつつき熱かったのか直ぐに手を引っ込めた。・・・・まぁ猫だからかな?


「ね、ちょっとキミ」


「えっはっ!?」


いきなり話しかけられて吃驚する。彼は、コトリっとわたしの目の前にミルクと、砂糖を置いた。


「必要なんでしょ?使えば?」


「ありがとうございます・・・・・・アレッ?」


なんで分かったんだろう・・・?


「俺も半獣だから。まぁそんな事心読まなくても分かるよ」


キミの顔を見ればね。と、付け加えて言った・・・アレッ?コレ口説かれてる?

そう思うと


「イヤイヤ。それは無いからね」


と彼は顔の前で手を振った。


「そういえば、名前言ってなかったね・・・俺はグリフォン。この国では王国専属の科学者をしてるよ」


そう言いながら座った


「ねぇ・・・」


わたしは横に座っている、シェルをつついた


「何?アリス」


シェルはこっちを向き問いかけてきた。わたしは小声で


「なんで”おじい”なの?全然若いじゃん」


そう聞くと、シェルは慌ててしーッと口の前に指を置きゆびをでわたしを呼んだ。わたしは耳をシェルの方に傾けた。するとシェルはわたしの耳に


「あのね、あの人ああ見えて、1500年以上生きてるんだよねーしかも姿は変わらないまま。怖いねー。」


こそこそと話した。するとグリフォンはにっこりと笑って


「そこ、聞こえてるよ。ああーそうだ良かったら今回発明した新しい機械の実験体にならない?」


と言った。するとシェルは


「俺やめときます。」


ニヤッと笑いながら答えた。心なしか冷や汗が見えるよシェル・・・!!


すると、アルヴァはわたしの耳に


「昔、シェルはグリフォンさんの発明品の実験体に捕まえられて酷い目にあったそうですよ」


こそこそと話してニヤリと怪しく笑った。・・・なに喜んでんだよ。まぁ何となくその気持ちも分かりますが


「懐かしいね。その話・・・確か5年くらい前だっけ? あんときは「ストープッ!ほらアルヴァ話進めよう!なっ!?」


グリフォンの言葉を遮って、シェルが慌てたように話題を切り替えた。すると、グリフォンはクスクスと笑って


「そうだね」


と言い、口パクで「今度教えてあげるよ。またおいで」と言った。


「・・・それでは本題に入らせていただきます」


アルヴァが改まって、話し出した。グリフォンは真面目な顔をして、


「あのことでしょ?大体予想はついてる・・・そうだね。女王たちがやろうとしていることは確かに間違ってはいないと思う。彼女だったら向こうに家族も居るし・・・送っても問題ない。むしろ、彼女自身は帰りたがっているんだろう?」


そこまで言い、わたしの顔を見た。


「しかし・・・!!彼女が記憶を取り戻したときに「そうだね。その通り・・・結局帰るか帰らないか決めるのは彼女なのだろう?だから仮に彼女が、帰らないを選んだら・・・どうするか、それを考えに来たんでしょ?」


アルヴァの反論を手で制止、そこまで一気に言った。シェルは「流石だね」と呟いた。


「その通りです。・・・それであの・・どうしたら良いですか?」


アルヴァは考えながら聞いた。するとグリフォンは


「キミ達はどう考えてるの?」


と、頬杖をつきながら聞いた。


「僕らは・・・」


「壊そうかなって! 」


アルヴァが言いかけた途中をシェルが言い切った。するとグリフォンはにっこり笑って


「無理だね。俺が作った発明品馬鹿にしてんの? あの機械に欠点は無いよ。だからあの時に何も出来なかったんでしょ? 」


そう言い放った。するとアルヴァとシェルは黙り込んだ。


すいませーーーん!!! やっぱりわたしは蚊帳の外ですかぁ〜!!!


「うーん・・・俺もね上手く考え付かないんだよ・・・というより考え付いてたら、あの時とっくにしてるよね? あっアリスくん」


はいぃぃっ!何ですかァァ!!!


うん。べ、別に出番出来たから喜んでるわけじゃないからね!!


「ツンデレ風にしなくて良いからね。服の裾・・糸が解れてるよ」


自分の服の裾を見ると、確かに糸が解れていた


「ありがとうございます・・」


それだけかよッ!!!出番それだけかよ!!!!


「嘘嘘。それだけじゃないから・・・もし、アリスくんなら「誰かを犠牲にしなければ、みんなを救えない」としたらどうする?」


いきなりなんですか??


「まぁ大切な出番だから答えるか」


「アリス、心の声が出てるよ」


「そこはあえて知らないふりしようか。シェル君。・・・・そうですね〜まぁとりあえず解決策を考えますね。」


「考えつかなかったら?」


「その時は、諦めて自分を犠牲にします」


そうにっこり笑っていうと、グリフォンも


「あはは。変わらないね〜アリスくん」


そう言ってにっこり笑った。


「へっ!?変わらない?」


「何でもないよ。・・・・さぁて忙しくなるねぇ」


「????」







アリス


我等のアリス


お帰り


心配しなくてもいいよ


大丈夫。


オレが何とかするから


だからもう


消えないで。


 


                         つづく





NO、14


グリフォン


年齢不詳の美形のお兄さん。シェル曰く1500年以上生きているらしい。


金色と茶色が混ざったような長髪をポニーテールにしている。そして眼鏡をかけている


王国専属の科学者。




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