hope
「あと少しですよ」
アルヴァが指を指して言う
「えっ・・・」
指の先を見ると目の前に聳えるのは崖かと勘違いしてしまいそうなほど急な上り坂。坂というかコレむしろ登山!? みたいな。しかも何か獣道っぽくて不気味・・・何ですかコレは。
「これ登れた人、ヤバいよ人間じゃないよッ!! 神じゃん! コレ登れたら神だよ!! 」
ねっ?! と言って振り返るとアルヴァとシェルは自分達を指差していた
「俺登れるよ」
「僕も登れますよ? 」
そう言って二人はにっと笑い
「神様ね〜」
「神ですかね? 」
と言った
「ちげーよ。2人は神様じゃなくて紙様だよ。または髪様」
「どういう意味それ」
シェルがなんとも微妙な表情で返してきた。アルヴァにいたってはぽかんとしている。
「んーなんか、居たらありがたいけど別に居なくても支障が無い・・・みたいな? 」
「アリス何気酷くない? 」
わたしはほほほっと笑って、
「わたしはこういう素晴らしい性格なの〜」
そう返すと二人はふっと笑って肩を竦めた。
「雑談はコレくらいにして行きますよ。・・・夕暮れ前にはつくといいんですけど」
アルヴァがその坂を見つめて言った。するとシェルは頭の後ろで手を組みにやっと笑って
「つくつく〜。余裕っしょ」
のんきに言った。
あの、すみません。アナタ達と違ってわたしは一般人なんですよ? わかっていますか!?
なんて言ってやろうとしたら、二人は歩き出した。
「ちょっまって・・・・!!」
こんな所でおいてかれたらどうしたら良いかわかんなくなっちゃう!!
駆け足で二人を追いかけたら二人は止まって振り返り手を差し伸べてくれた。
「アリスは歩くの遅いですから僕が引っ張って行きますよ」
そう言ってアルヴァはそっぽを向いた。
「アリスは危なっかしいから、俺が転ばないように支えてあげるよ」
そう言ってシェルはにやりと笑った。
「二人ともありがたいけど何か・・・・怪しい。」
じーっと二人の顔を見つめる。
だって何かされそうじゃない? この二人だし
「人の善意は素直に受け取ろうね。アリス」
「ごめん。ここの住人からは悪意は感じられても善意は中々素直に受け止められない」
今までの仕打ちをみなさん思い出してみてください。だって、ね!? 銃突きつけられたり!? セクハラされたり!? もうかなりな事されてますよね!?
「多分みんな善意に善意を重ねすぎて反対の悪意になっちゃったんだろうね」
「みんな重ねすぎだから!! そこまでいらないから!! ってか結局それって悪意目的になってるよね!?」
そこまで一気に言うと、シェルは横を向いて口笛を吹き、アルヴァは「あー・・先はまだまだ長いですねー」なんて言って話を逸らしてる。
オイオイ。二人ともせめて目はあわそうか。
「そーですかそーですか。よぉーくわかりました二人の悪意は」
にっこり笑っていうわたし。
「良かったわかってもらって。」
シェルはニヤリと笑い、わたしの右手を取った。アルヴァは
「僕は悪意なんて持ってませんよ」
と言いながらわたしの左手を取った。
あーはいはい。そのかわりアンタは善意も持ってないね
そう思ってアルヴァの顔を見つめる
「失礼な。僕だって善意くらいはありますよ。」
眉間に皺を寄せて不服そうに言うアルヴァ。・・・・なんか可愛いかも
でも前に向き直ると見てるだけでも息切れしそうな道が続いてる。
アレ・・・? わたし此処に筋トレしに来たんだっけ・・・?
「さぁ・・行きますよ。彼の元へ」
すいません。わたしまだ聞かされてないんですけど・・・彼って誰ッスか?
「めんどくさいなぁ〜・・・俺あのおじいとあんま相性良くないんだけど・・・」
大丈夫。キミとは誰も相性悪いから。
「最近アリス俺に対して毒舌じゃない?」
「そう・・・? 最初からじゃなかった? 」
「・・・・・・・」
長い道も
険しい道も
キミと一緒なら乗り越えられる。
さぁ一緒に歩き出そう
希望に向かって。
つづく