姫様ご乱心
「とりあえず・・座って」
今わたしはフィルの家を尋ねている。
「あっ・・うん」
フィルが指差した椅子に座る。
フィルが手際よく、紅茶を作りわたしにどうぞと出してくれた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
お互いに紅茶を飲み、一息ついた。
「で、御用事は何かしら?・・・まぁ大体察しがついているからいいわ。」
そう言ってフィルは薄く笑みをつくり、
「アルヴァのことでしょ?」
と言ってきた。
「うん。」
「・・・・渡さない!」
「えっ?」
「って言いたいんだけど・・・駄目ね。わたしにはアリスには借りがあるもの」
フィルは下を向いて弱弱しく微笑んだ。借り?
「なんで?借りなんてあったけ?」
そう聞くとフィルは笑っただけで何も答えなかった
「アリスには感謝してるし、わたしもアリスのこと大好きよ。だからこんな事なんかになりたくなかった。」
「フィル・・ごめん」
「いいのよ。仕方ないもの・・でも」
「でも?」
「アリス。本気で好きなの?」
真剣に聞くフィル。わたしも真剣に
「まだ断言は出来ないけど、好きだよ。きっと」
言った。するとフィルは
「アリス!イヤよ!!」
バンッと机に手を付いて立ち上がった
「えっ・・?」
「そんな中途半端な気持ちならアルヴァは譲れない!!・・それにアリスはアリスは!!」
何か言いかけて、フィルは止めた。
「どうしたのフィル?・・いいたい事があるならちゃんと言って」
フィルは顔を歪めたあと、「もうっ」と言って座った
「言えないのよ裁判が始まるまでは・・・・はぁー・・どうしたらいいのよ。わたしは」
ひたいを机に押し付けてフィルは言った。
あのぉぉフィルさーん・・どうしたんですか・・?キャラおかしくないですか?
「もぉぉー誰のせいだと思ってるのよ・・」
辺りを見渡したあと自分で自分を指差し聞く
「わ、わたし?」
「そーよ・・他に誰がいるの?・・アリスの馬鹿ァ〜浮気女〜」
不貞腐れた風に言うフィル
「へっ!?いきなり!?」
これって八つ当たり!!?
「お願いだから早く裁判を始めなさいよーー!!」
フィルの声が部屋に響いた
つづく