キミとボクとの・・・
白うさぎ(アルヴァ)視点のお話です。
ついにあの謎が解き明かされる!?・・・かもです。
アリア様に頼まれ、僕は白の城に行っていた。
用事も終り、ついでに『ついで』にアリスの様子を見に行った
アリスの部屋の前に来て控えめにノックする。
「アリスーいますか?」
・・・・。
返事が無い。
「アリス。5秒以内に出て来て下さい」
・・・・・・・。
5秒経ったけどやはり出てこない。きっと留守なんだろう。僕はそう思い、廊下を歩き出した。そして角を曲がったとき、アリスを見つけた。
「あっアリ」
そこまで言って声をかけるのをやめた。ビル=スエーデルとアリスが仲よさそうに話していたからだ。壁際により2人の様子を伺った
「・・・・。」
何故かしら無いけど、胸の中がモヤモヤする。
スエーデル殿が、アリスの頭をくしゃくしゃッと撫で、一言二言交わしこっちに歩いてきた。
そして角を曲がったときビル=スエーデルが僕ににっと笑いかけ
「盗み聞きとはあまりいい趣味ではないね。アルヴァ君」
「したくてしたわけではありませんよ。僕らから配慮だと思ってください」
「ふぅん。」
そこで、暫くの沈黙。
「ああ・・そうだ。アルヴァ君」
そう言ってビル=スエーデルはごそごそとポケットを探り、プレートのネックレスを取り出し、名前を確認したあと、僕に渡してきた
「・・・・。どういうつもりですか?残念ながら僕にそういう趣味はありませんよ」
「俺も無いから。まぁいいから貰って・・というか触るだけでも効果は大きいけどね」
「?」
少し怪しいと思いつつそれに手を伸ばし、受け取った
「!!?」
その瞬間目眩がし、僕はその場に膝をついた。頭を抑え何とか落ち着けようとする。
「なッ・・何したんですか」
そうビル=スエーデルを睨み上げたとき心臓が脈を打った
ドクン
そのとき頭に笑い声が流れた。幼い3人の子供・・・
ドクン
1人は僕・・もう1人はシェル・・もう1人は・・・・
ドクン
「なっ・・なぜ・・アナタがいる・・・・・・・・・・
アリス」
3人で笑いながら遊んでいる。というより、アリス1人が笑い、僕とシェルは今と同じ雰囲気で、睨み合っている。
「何故・・?何故」
ドクンッ!!
「うっ」
大きく心臓が脈を打った。その瞬間激痛と共に、すべての記憶が頭の中に流れ、痛みと共に消えていった
「・・っ・・・そうか。そうだったのか」
そう言って僕はゆっくりと立ち上がった。
「大丈夫かい?アルヴァ君」
そう笑顔で問いかけるビル=スエーデル
「・・ええ。しかし何故アナタがこれを?そして・・・何のために?アリア様やマリア様は知っておられるのですか」
僕は、ビル=スエーデルに訪ねる。すると両手を上げ、降参だとばかりに
「今はまだいえない。まだ時期じゃないんだ。・・もう直ぐに裁判が始まる。アリア様とマリア様にこれ・・・いや・・記憶を返したときに。」
そう言ってポケットからプレートのネックレスを出した。二人の名前が刻まれている
「このことを知っている人は」
「双子君にキミ、シェル君に、俺、ハンプティダンプティ、ティア君、チョコ君、あと、フィルちゃん」
「アリスにはなんと言うつもりですか」
「裁判の時に、記憶を返そうと思う」
「成る程」
「もう直ぐ、また選択しなければならない時が来る。そのときどうするのかな」
そうビル=スエーデルは言い壁に背中をつけ、腕組みしニヤリと笑った
僕は、ニッと笑い横目で
「決まっているでしょう?何が何でもアリスのことは離しませんよ。僕の命に代えても」
そう言ってやる。するとビル=スエーデルは
「記憶を取り戻した途端、強気になったねぇ〜アルヴァ君。まぁ俺的にはそっちの方がいいと思うよ。」
と言い、僕に近づき肩に手をポンッと置く。
「アナタに言われてもあまり嬉しくは無いですけど。とりあえずどうも。」
「ははっ・・そろそろアリスちゃんを迎えに行ったら?・・多分迷子になってるよ」
「ですね。」
僕はそういって、廊下を駆けて行った。
「・・まぁアルヴァ君に負けないようにしなきゃね。俺も」
とビルが呟いたのを誰も知らない。
アリス
キミが迷うことがあったなら
ボクがキミの道しるべとなろう
アリス
不安なことからもボクが助けてあげるよ
だからキミは笑顔でいればいい
ボクの隣で
つづく
もうちょっとで終りそうな予感。この連載