舞踏会前編
「ねぇ・・・可笑しくない?これ」
わたしは、選んだ和風のドレスを着て部屋で今メイクや色々終ったところでメイドさんに聞いてみた
「アリス様とっても良くお似合いですわ。」
口を手で隠して小さく笑ってから言うメイド・・いいよ。お世辞は・・笑いたきゃ豪快に笑えよチキショー。
「髪の毛が無いと・・スースーするね」
それなりに長い髪は、アップにされ髪飾りがつけられている。
「ふふっ。アリス様髪の毛が無いと仰いますと、ハゲかと思われますわよ?」
「いやッ思わないと思うよ!?」
どんだけボケてんのこの人!!
そのとき丁度、ドアがノックされた
「ほぉーい。どーぞ」
返事をするとメイドは壁際によった
ガチャッ
扉が開いた。そこには、しっかりとスーツを着こんで、髪の毛もしっかりと整えているディーとダムが居た
「「誰・・?」」
2人は声を合わせて言った後こう続けた
「ディー・・どうやら僕等は部屋を間違えたようだよ」
「ダム。それは無いだろう・・この人はきっと何かだ」
「「すみませんアリス何処ですか」」
真剣に聞く2人。
「ぶっ」
思わず吹いてしまった
「なにかって何よッ。アリスはわたし。」
半笑いで答える。
だっておもしろいんだもん2人。
「「・・・・・ええええええええええ!?」」
目を見開いて叫ぶ二人。
「あのちんちくりんの、変態アリス!?」
「あの、馬鹿でノロマのアリスか!?」
「2人とも余計な言葉入ってんだけどォ!!ケンカ売ってんのコレ!!買っちゃうよ!?」
吃驚したのは分かったけど、オイオイ。もっとマシな反応は無いの!?
「へぇ・・馬子にも衣装ならぬアリスにも衣装だね」
「いやッ意味わかんないし。馬鹿にされてるよね!?コレ」
「それにしても・・変わったドレスだな」
ディーは近づいてきてジーッと見る。
「でしょ?コレ、わたしの元いた世界の服に似てて・・だからこれにしたの」
指先まで隠れている手で口元を隠してちょっぴり笑う。
「ふぅん・・僕等のドレスじゃないくてこれ・・選んだの?・・・・まぁいっか」
ちょっと拗ねたように言うダム。
「ごめんね。ありがとう」
「おっ・・着替え終ったかアリ・・・」
ドアを開けて入ってきたのはビルだ。しかしそのままドアを閉じてしまった
「な・・なんで?」
「「吃驚したんじゃん?アリスにも衣装だから」」
「まだ言うか!!」
またガッチャとドアが開いた。
「アリスの部屋だよな・・?ここ。」
「はい。わたしはアリスです」
にこりと笑って答える。ビルもにこっと笑って
「似合うじゃん。可愛い」
と言ってくれた。
「サンキュー。」
はにかみ、お礼を言う
「んじゃあ行くぞ赤の城。招待状忘れずになッ」
ビルは先陣を切って歩き出す
「はーい」
とダム
「わかりました」
とディー
「ほぉい。」
とわたし。
「うわぁ・・スゴイ」
マリア様の魔法で作られた馬車から、ビルのエスコートで降りる。
目の前に広がるは、真っ赤な絨毯が引かれた長い階段。頭上には白と赤の薔薇のアーチがかけられている。
「初めては行った時もすごいと思ったけど・・」
今回は更にすごいよ。
薄暗くなり始めている外に対して、城の中からは明々とした光が漏れている
「豪華だな〜・・ホントやっぱり違う世界だな」
わたしが居た世界ではこんな者テレビの中でしか見れないし。
「アリス。行くぞ」
ビルはわたしの手を取って階段をゆっくり登っていく。
「うっうん。」
ちょっと緊張する。
後からディーとダムもついてくる
階段を数段登った時、一瞬にして景色が変わった一番上についたのだ。
目の前には扉が開かれた大きな入り口があり、綺麗な音楽や大勢の人のおしゃべりが聞こえる
「なッなんで!?」
辺りをきょろきょろと見渡す。
「アリア様の魔法だろうな」
ビルは驚きもせずのんびりと笑う。
「アリス。きょろきょろしないでくれる?恥ずかしい」
「別に珍しく無いだろう」
わたしにしたらとっても珍しいのッ!!
ってか魔法かけられるんだったら、はじめてきたときにもかけておいてくれればいいのに・・・そうしたらあんな大変な思いをして登らなくても良かったじゃん
「若い頃の苦労は買ってでもやれってねそういうことだよ。アリス」
ビルはまたもやのんびりという。
苦労なんて買いたく無いよ。むしろもらっても困るくらいなのに
「アリスボーっとするな」
ディーが言う。
わたしははっとして前に進んだ
「赤の城にお集まりいただきありがとうございます。えーーっと・・・・・」
アリアは真っ赤なロングドレスを優雅に着こなしているが、舞台の上での挨拶に苦労している
「見た目だけは優雅なのに・・・」
わたしはボソッと呟く。
「まぁいいや。兎に角この舞踏会楽しんでくれ。以上」
そういって早々舞台裏に引っ込もうとするアリア。
ちょッオマッいいのかよ!?一応女王だろ!
「アリアちゃん。貴方主催者でしょ?挨拶ちゃんとして頂戴」
やっぱりマリア様の待ったがかかった。舞台裏からマリア様が出てくる。アリアと同じデザインの白いロングドレスをやはり優雅に着こなしていた。
「だってマリア〜俺これ以上言うこと無いもん」
「だらしないわよ。」
マリア様はそう一言アリアに言ってこっちを向きにこりと微笑んだ
「今宵は無礼講ですわ。皆様大いに楽しんで下さい。それでは」
そういったかと思うとマリア様は欠伸をしていたアリアの腕を掴み舞台裏に連れ込んだ。
しかも引き摺るように
「こわッ!!」
マリア様の一言で、みんなまたガヤガヤと動き出した
「えーっと・・」
わたしは何をしていいか分からなくなりキョロキョロと辺りを見わたした。
女の人に囲まれているビル。紅茶とお菓子を楽しんでいるダム、ディー。ティアと仲良く喋っているチョコくん。
「みんな楽しそう」
「アナタは楽しんでいますか」
「ッ!?」
後ろからいきなり声をかけられて吃驚する。
そっその声は・・