遊びに出かけよう
「なんでこーなんの?」
目の前には大きな門。
わたしは今から城外に出ます。
話は数分まえにさかのぼる
「どう?アリス・・ダンスは上手く踊れるようになったかしら」
マリア様は椅子に座りながら聞く
「ええ・・まぁ何とか・・昨日ビルにしごかれましたから」
そして何時の間にか朝日が眩しくなってました・・・ふふふふっおかげで3時間しか寝てないよ・・・ふふふふ
「アリス・・大丈夫?」
物思いにふけっているとマリア様は心配そうにわたしを見た。わたしは「何とか」と軽く返事を返した
「アリス・・悪いんだけど・・・3時間くらい城外に行ってくれないかしら?」
「はっ?」
マリア様を見るとにこりと笑って有無を言わさない顔だった。
「・・・・はい・・でもどうやって時間を潰せば・・?」
辺り森ばっかじゃん?どうしろと?まさか・・魔物と遊んでろとか言わないよね?
「ハハッ・・アリスー、それは幾ら何でもないよ」
ビルが扉から入ってきた。
考え読むな!!馬鹿!!
「騎士殿・・アリスの護衛頼みましたよ」
「勿論です。女王陛下」
ビルはマリア様の前にうやうやしく跪き、手の甲にキスをした
ということなのである。
「誰に説明してんの?アリス」
ビルがふっとわたしの顔を覗きこんできた。わたしはさっと一歩下がりふっと笑い答えた
「大人の事情よ」
「俺より子供のクセに」
ちょっとむっとした顔をするビル。
「心は大人なのよ」
「身体は子供だけど?特に」
ビルがわたしの、お腹より上の部分を見た。
わたしは胸を押さえて
「そうそう・・16にもなってまだAカップ・・って何言わせんの!!!!」
ビシッとつっこむ。ビルは薄く笑って
「勝手にアリスが言っただけだろ。・・Aカップだったのか・・・」
「うっうっさいわ!!」
「馬鹿アリスとビルさんがいちゃついてるー」
「・・・・・。」
声が聞こえて振り返ってみると、ダムとディーが居た。
「馬鹿って何!?いちゃついてるって何!?」
「そのままの意味だ。」
「ディーの言うとおり〜!僕はそのまま思ったことを言っただけだよ。ほら僕ら素直な子供だから」
にこっと笑うダム。
どの口が言う。どの口が。・・・いや案外嘘じゃないかも・・・ズッパリ言うからなこいつら
「何々?アリス、トゥイードルくんたちと仲いいの?」
ビルがわたしの頭に腕を乗せて寄りかかる。
やめて!!背が縮む!!!
「悪い。」
「えー酷いアリス・・僕らあんなに仲良かったじゃん」
「一緒に遊んだ仲なのにな」
きっぱり言ってやると、ダムはにやりと笑いながら答え、ディーはいつもどおりの無表情で答えた。
「へぇ。仲いいんじゃん」
ビルは更に頭に体重を掛けた。
縮むッ!!やめてくれ
「今から俺ら城外に出て待ちに遊びにいくんだぜ」
ビルはわたしの心の声を無視して続ける。
・・・性悪四号決定。一号アルヴァ二、三号は目の前の2人だね
「ビルさんと?アリスが・・?」
「ああ。」
そういうと2人は顔を見合わせ、話し合いを始めた。
「女王陛下からの命令でな・・昨日もダンス教えたしアリス下手すぎて大変だった」
「そりゃどーもすみませんね」
口元が引くつくけど言い返せない・・だってホントのド素人だったし
どうやら話し合いが終った2人はにっと笑って
「「僕ら(俺ら)もついていきます」」
見事なシンクロを披露した。
ビルはわたしの頭から腕をどけ
「仕事はどうすんの?トゥイードルくん」
「これも仕事のいっかんですよ〜」
「アリスの周りに現れた魔物を狩るって言う仕事です」
ダムとディーはそういってにっと口の端を引き上げた。ビルは2人を見た後口元に手を置いて噴出した。
「ははっ・・さすがトゥイードルだな」
「「サボりのプロですから」」
胸を張って答える2人。
いやそこ威張るトコじゃないし!!
「じゃあいくか」
「アリス、ボケッとしてると森に捨ててくよ」
「早く行け。それでなくともお前足遅いだろ」
ビルは先陣を切ってルンルン気分で歩き出す。ダムはさらっとひどいことを言ってビルの後に続く。ディーは一応待ってくれているが一言・・・いやそれ何処じゃないけど余計だ
「ああもう!!なんか主旨変わってない!?わたしを城から連れ出すことでしょ?なのに何で遊ぶ為になってんの!?」
ちょっと大き目の声で言って見るが前の三人には全くの無意味だ。
わたしは観念して三人に続いた。
つづく