真夜中の訪問者
それは・・突然の出来事だった
ボーンボーンッ
時計が夜中の12時を告げる。
「んっ・・」
ベットの上で身じろぎ、目を薄く開ける
「・・っ・・まだ12時・・」
ゆっくりと起き上がり小さく伸びをする
「ん・・・っ・・何か目が覚めちゃったな・・・」
立ち上がりふらふらと何となく窓の方へ寄ってカーテンを開けた
「えっ・・・」
バルコニーには月光に照らされて光る何かがあった
もぞっ
「うっ動いた・・・」
目を凝らして良く見ると、
「ひっ人ォ!?」
しかもこっち見てるし
窓を勢い良く開けて
「誰ですか!?」
と叫ぶとガンッと窓がその人のひたいに当たった
「あいたたたたっ」
頭を抑えてしゃがみこむその人。頭がまぶしい・・ってさっき光ってたのこの人の頭だったのか・・ハゲてたのね
「しししししっけいだぞキミ!!わたしはハゲてはいないぞ!これはスキンヘッドというもので・・」
その人・・いやハゲてるおっちゃんは勢い良く立ち上がって言った
「なんで思ってること分かったの!?まさか半獣!?」
「いや思いっきり言葉で言ってましたけどォ!?どんだけボケてんのキミ!!」
「ってかおっさんなんでこんなとこにいるの」
そういうとおっさんは肩をぎくりと震わせて
「あれーっ?何でだろーおじさん間違えちゃったかなぁ〜部屋間違えちゃったかなぁ?」
アハハと笑った
「いや可笑しいでしょォ!?どうやって間違えんのよ。しかもバルコニーなんですけど此処バルコニーなんですけど」
「じゃっおやすみアリスくん」
おっさんは手を挙げて飛び降りようとした。
「ふざけんなこの変態2号!!!!」
そういってマントを掴んで部屋の中に投げ入れた
「なんでぇぇぇぇええ!?なんでこうなるのォォォ!!ってか落ち着いてくれアリスくん。わたしは覗いてなど・・「へぇー覗いてたんだ。いい年超えたおっさんが何盛ってんの?」
笑顔でおっさんを壁際に追い詰め、魔道石からスタッフを出しておっさんの鼻先につきつける
「いやいやいやまちたまえアリスくん!!わたしはキミに盛ってなど・・大体好きで覗くならもっとボンッキュッボンのダイナマイトボデェの女性に・・」
「ボディだろボディイイイイイ!!!」
魔法で花瓶を大量に出しておっさんに叩きつける
「ギャアアアアァァァァァ!!!!!」
「ホントッ申し訳ありませんでしたァァァ!!!ボディでしたァァァァ!!」
おっさんは正座し土下座する
「そこじゃねぇよ。もう一発やっとくか?ぁあっ」
わたしは腕組みし仁王立ちをしする。おっさんの顔は痣だらけだ
「いえっ!すいませんでした!申し訳ありませんでしたァ!!ホント調子乗ってましたァ!!だからもう花瓶はやめてぇぇ!おじさん死んじゃうっ!おじさん死んじゃうよォ!?いいの!?みんなのアイドルハンプティダンプティが・・「死にさらせぇぇえ!!!」
花瓶を投げつける
ガシャーンッ
「いだだだっ!良い子はまねしないでね!」
笑顔でウィンクするおっさん。キモイからやめて!!
「でもちょっと興奮す「変態ぃぃぃぃっ!!」
また花瓶を投げつける
「鳥肌が立った!チキン肌になったよ!?」
ぞわぞわぞわって。
「快感で?ほほう。アリスくん中々のSではな「キモイ変態。なにもっともらしく言ってんの?変態、ハゲ。加齢臭すんだよ。おっさん」
「なるほど言葉攻めか・・中々「だからキモイッつってんの!!!!ってかあんた誰だよ!!」
こんな変態城内に入れちゃっていいの?!此処の城の警備どうなってんのォ!?
「警備は完璧だ。なんたってわたしジャックのハンプティーダンプティーが指揮してるのだからな」
胸を張って言うおっさ・・ハンプティダンプティ・・
「まって。まってまってちょっもしかしてあんた城の人?」
「無論わたしはジャック。女王陛下をお守りする者だ」
「いやっ駄目でしょォ!!こんな人入れちゃ!!コイツから女王様守れよ!ッてかこいつを護衛にするとか駄目じゃんッ!!!」
「なにをォ!?おじさんだってやるときやるんだぞ!!」
「何ができんだよアンタに!!覗くことか覗くことだけか!?」
「他にもある!!盗撮とか尾行とか・・「全部怪しい系じゃん!!!」
駄目だよホントッ!!
コンコンッ
「大丈夫ー?アリス・・・」
その声は
「ダム!!」
「今何時だと思ってるんだ・・」
「ディー・・・」
眠たそうな声だよディー・・・
「兎に角入るよ」
「ちょっちょっちょっとまって」
こんなおっさんと部屋の中に2人きりだったら変な勘違いされちゃうよ!!!
「おーダム君とディー君か。うむ入りたまえ」
ガチャッ
ドアが開いた
「「何だコレ・・・・」」
周りは花瓶の欠片が散乱して、ぐったりした様子のわたしと裏腹に何故か生き生きとしたハンプティダンプティがいた
もうなんかホントもうやり切れません
「ディー・・ダムゥ・・・もうわたし疲れた」
あれっ?なんか目から水が出てきたよ
ダムとディー二人により掛かる
「ちょっアリス!?」
「お、お前どうしたんだっ!?」
二人は動けず固まる。あんだちきしょーそんなに珍しいか
「はっはっは〜若いっていいなぁ〜でもアリスくんそんな2人よりわたしの胸へカモンッ!!!」
両腕をバッと広げて本人は爽やかな笑顔なつもりだけどとてつもなくキモイ笑顔を向けてきた。
「さっきからあの調子・・・もう眠いのに・・・」
双子は顔を見合わせて、
「よーしよーしアリス。」
「お前にしては良く頑張った」
そういって頭を撫でてくれた
「んー・・・っ」
他の人が来てくれて安心したのか瞼が重くなり、ゆっくりと閉じた。
よかった・・今回だけ感謝・・ダム・・ディー。
つづく