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Puppy

「来たよ・・マリア様の城に」


目の前に聳え立つのは赤の城とは対照的な真っ白な城。駄洒落言ってるみたいだけど、違うからね。底らへんわかっておいてね。


「アリアの馬鹿野朗が命令口調で言うから」


もともと行くのは嫌じゃなかったっと言うか逆に行きたくて仕方なかった・・けど

行きにくくなったんじゃん


「あっ・・アリスじゃん」


「えっ?」


振り返ってみるとそこには


「えっと・・・確か・・トゥィードル=ダム、ディー・・?」


「正解!良かったね覚えておけて。アリス歩いたら3歩で忘れそうだし」


にこやかにそういうのはダムだ


「3歩って鶏じゃん!!歩いたら3歩で忘れるとか鶏じゃん!!」


「いや鶏よりも利用価値がないから・・・鶏以下だな」


いつもの通り無表情で言うのはディーくん


「あっあんたたち・・そんなに人を怒らせて・・楽しい?」


口元が引くつく。


「んー・・別に怒らせるためにやってるんじゃないんだけどな〜ただ遊んでるだけなんだけど。ねぇディー」


ダムがディーに同意を求めるとディーは軽く頷きスタスタと歩き出した


「あっそうだ・・速く行かなきゃ・・アリス。」


「何?」


「今日って確かアリスお客さんなんだよね」


「うん・・まぁ」


そういうとダムはニコッと笑って


「お城でいっぱい遊ぼうね」


そういってダムはわたしの手を引いてはや歩きで歩き出した


「あっ・・」


アルヴァとスピードが違う。アルヴァのほうが・・・速い。







「アリス〜。来てくれたのね嬉しいわ」


謁見の間に通され床にひざまずく。大きな椅子にマリア様は腰掛けている


「そんな!お招きいただき光栄です」


頭を下げる。


この人の前だと自然と敬語になる・・・やっぱ女王はこういう人じゃないと!


「どう?この城は・・迷子になったりしないかしら」


「大丈夫です。赤の城につくりが良く似てますから。」


こちらのほうが目には優しいし・・ほとんど白だもんこっちは・・向こうなんてほとんど真っ赤・・目がいたいったらありゃしない


「ふふっ・・ゆっくりしていってね。何日でも滞在してくれて構わないから。あとでお茶会にしましょうね」


「はい」


そう返事をすると女王は扉から出て行き、変わりに誰かが入ってきた。

わたしは立ち上がってみてみると


「あれ・・・?誰もいない・・誰か入ってきたと思ったのに」


あたりをきょろきょろしているとスカートの裾を引っ張られる感覚がした


「誰?」


下を見てみると、茶色の髪に大きなクリンクリンのつぶらな瞳をした子供がいた


「かわっ・・じゃなくてどうしたの??迷子?キミ何処の子?」


「アリス殿、自己紹介します。僕の名前はチョコ=マルクリーンです。以後お見知りおきを」


女の子かな・・男の子かな・・どっちだろ・・・


「僕は男です」


「えっ!?何で分かったの思ってること・・」


そういうとチョコ君はさっと自分の背中を向けた。お尻から何かが生えている・・これは


「犬の尻尾・・」


「僕は半獣です。」


頭も良く見ると犬の耳が生えていた


「なるほど・・・」


半獣は人の心が読めるんだよね


「アリス殿。では部屋の案内をしますのでついて来て下さい。」


「はぁーい」


チョコくんがとことこと歩き出す。その後ろをついていくといきなり足元に軌道を感じて咄嗟に避けた


「うおっ!?チョコくん何をするの」


情けないけどしりもちをつく。

目の前にはチョコくんが刀を持って構えていた。


「拙者の背後を取るとは・・・なかなかの手練だなアリス殿。」


「はっ!?えっちょっ!?何が!!?」


「だが・・今回は見逃してやる。次はないと思え」


そういってチョコ君は腰に刀をおさめた。

するとチョコくんの顔が段々と蒼くなっていき


「申し訳ないです!!!」


そういって土下座した


「何ガ・・ドウシタノ・・何がアったノ・・??」


「あああアリス殿片言になってます!!・・・ッホントッッ申し訳ないです」


そういってチョコ君は床におでこを擦り付けた


「え?え?」


訳が分からずオロオロしているとチョコ君は顔を上げて


「実は僕・・・背後に立たれると刀を抜いてしまう癖があって・・で、この刀を抜くと・・別人格になってしまうのです」


そういってしゅんとした。尻尾と耳も一緒に倒れる


「別人格・・・あの人格まるで・・」


ティアに似てるな・・時代劇風だったし。向こうは殿だけどこっちは武士みたい


「ティア・・?とは誰ですか?」


小首を傾げて聞くチョコくん・・これは


「母性本能を擽る作戦ね・・」


「母性?作戦?」


更に疑問の色を濃くするチョコくん


「なんでもないよ。ティアっていうのは王子なのに殿のティアルス=ダイアだよ」


「ティアルス殿でしたか!!」


目をキラキラと輝かせていう


「良い人だよね!あの城の中でかなりお世話になってるよ」


「彼は僕とも趣味が合うんですよ!」


趣味?趣味ってなんだろ


「時代劇鑑賞です。あの儚く煌く感じがなんとも・・」


この歳で命のきらめきが分かるなんて・・・スゴイ


「更にあの曲線・・・」


「きょ曲線?」


「柄の綺麗な細工・・・それを見るのはとても好きです。ティアルス殿は物語が好きなようですが」


ああ・・刀がすきなのねあなたは・・・


がくっと肩を落とすと、チョコくんはにこりと幸せそうな顔をして微笑んで


「さっ行きますよ」


とことこと歩き出した。


「はぁい」


一歩踏み出したときわたしは踏み留まった。


「危ない危ない・・背後に行かないようにっと」


横にずれてチョコくんの隣に並んだ


                                  つづく




NO11

子犬  (7歳)


チョコ=マルクリーン



礼儀正しくシンのしっかりした子で人懐っこい。でも、背後に立たれると刀を抜いてしまうクセがある。しかも刀を抜くと人格が変わる、二重人格者。

ティアルスとは仲が良く一緒に時代劇の鑑賞をよく2人でする。

白の城ではアルヴァと同じ立場のお偉いさん。


容姿は茶色い髪に茶色の大きな瞳。

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