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洋風=和風 王子=殿

大きな扉が目の前に広がる。


「此処だね・・・」


ポケットにアリアに書いてもらった地図をしまう。あとでアルヴァに売りつけようかな


「よっこらせっと」


扉を両手で掴んで引っ張る。他の部屋と違って重いや・・・


中はすっごく広くてこれは一生かかっても読みきれないと思うほどの本が並んでいた


「すご・・っ」


軽くエコーも聞こえる。


「ああーーーーーっ!」


両手を口の周りに添えて思いっきり叫ぶ


「ああーーーー」

「ああーー」

「ああー」


「すげぇ!!」


山彦みたい!!


「煩いぞ。水城有守」


「ん?」


何処からかわたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。きょろきょろと見回すと


「おぬし馬鹿ではないのか?!」


「人を馬鹿呼ばわりするな!!!誰だ!!」


ふっと上を見てみると


「・・・・ぬああああああんっ!?」


机も椅子も浮いていてそこで人が座って本を読んでいるのが分かる


「変な叫び声じゃのう?どーしたのじゃ?」


「どーしたじゃねぇよ!下りて来いやこんにゃろ!!」


「おぬしが登ってくればよかろう。」


そうその人が言った瞬間、目の前に階段が現れた。


「おおおっ!?」


恐る恐る足をのせてみるけど普通の階段だった。一歩一歩確かめて登っていく


「ククッ。何をそんなに用心しておるのだ」


「ねっ念のために!ほら!石橋は・・叩き割って通れだよ!!」


「・・?割ったら通れぬだろう?」


くぅっ・・鋭いツッコミ・・・只者ではない!!


やっと上についた・・けど


「床がない!」


「・・・普通にすれば大丈夫じゃよ。」


「えっそうなの・・?あんた意外と親切だね」


普通に歩けば良いんだね・・足を踏み出してっと・・って


「あああああっ!?あぶねっ!!ちょっとあんた!!嘘教えないでよ!!危うく、転落死するところだったじゃない!」


「クククッ。良い見世物じゃ」


「ねぇ!これホントどうすれば良いの!?」


そういった瞬間椅子がわたしの元まで来た


「はっ!?」


「・・その椅子に乗ればいいんじゃよ」


恐る恐る乗ってみると・・・


「大丈夫だった・・」


そのあと自動で動き出した


「なっ!?どうなってんの!?」


「魔法じゃよ。アリア様の。アリスおぬしが行きたいと思う場所につれて行ってくれるぞ。図書室だけだけどな」


「わたしの行きたいところ・・?」


ふっそんなの決まってるじゃん


「あんたのところだこのクソバカヤロウ!!」


そう叫ぶと猛スピードで椅子が動いた


「うわわわわあああああああああっ!!!!!!!」


目をギュッと瞑っているとピタリと止まった。目をそっと開けてみると


「誰?」


本を読んでいて横顔だけしか見れないけど、さらさらショートの金髪に赤い瞳。もう王子様みたいなルックス。それに赤い軍服・・・でも門番達とは違う・・・マントまでついてるし・・・なんかお偉いさんかな?にしても上品で優雅本も良く似合ってる・・・カッコイイし・・・この人の周りキラキラしてるよ


「あれ?おかしいな〜・・わたしあのムカツク野朗のところ言ってぶっとば・・こほんっあの人のところにいこうと思ってたのに・・・」


こんな美形の前で汚い言葉使えないよね


「間違えたのかな〜?」


そういうとその王子様は本を見たままクスッと笑って


「やはりおぬし馬鹿じゃろう」


と言った


「えっと・・・・・・・・・・・・・・・でぇえええええええ!?えっちょっとえええええ!?」


王子様が・・王子様が・・・


「嘘ォォォォォオオオオ!?詐欺だァァァアアアア!!!!!」


頭を抱えて椅子の背もたれの方に身体をぐるっと反転させる


「嘘でしょ嘘でしょ?嘘といいなさい。そう嘘よ王子様があんな「オイ水城有守。大丈夫か」


チラッと王子様の方を見と王子は心配そうな顔で見てきた


「ぐあああっ!!」


やっぱり輝いてるゥぅぅぅ!!神々しぃいいいっ


「大丈夫か・・・此処で倒れるのはやめるのじゃよ。危ないぞ?」


「やめてえええ!!」


身体を王子様の方に向けて立ち上がるその瞬間椅子が足場を作ってくれた。なんて賢いの・・・


「あっあんた、顔と口調が合ってないのよ!!!なんで顔洋風なのに口調和風!?王子なのに殿様!?例えるとご飯とパンを一緒に食べると一緒!スパゲッティーにご飯を入れて食べると同じ!・・あっでも美味しいかも・・一粒で二度美味しい?みたいな?」


混乱してきた・・けど


「とっ兎に角認めません!!!!!」


びしぃぃいっと指を指すとショックを受けたようにふらふらっと立ち上がって四つん這いになった。やはりそのとき椅子動いてが足場となっている


「私は変なのであろうか・・・」


ウルウルとわたしを見上げる


「うん!変!」


はっきり言ってやると


「ガーンッ」


ガーンって口で言った。


こんな人始めてみた!!ってか王子ノリ良すぎ!意外と親近感わく!!ってかさっきまでの暴言は一体なんだったの?


そんなことを考えていると王子はいきなり起き上がってわたしの腰に抱きついた


「ひぎゃああああっ!!」


思いっきりグーパンチしてやろうと拳を握った瞬間、王子が顔をガバッと上げて


「わわわ私はどどどどどうすればよいのだ!?」


とかなりショックを受けた青ざめた顔を向けてきた。それを見て殴れなくなり


「いやっあの・・そのっ・・」


手をバタバタとさせてこの状況を如何にかしようと考える


「水城アリス・・私はどうすればいいのじゃ・・・?」


「うっ」


みんなわかる!?この状況!!美形の男の子に腰に抱きつかれて上目遣い・・ありえん!!これは胸キュンがぁぁぁあああ


「くっ口調を普通にする・・・とかは!?」


そういった瞬間勢いよく立ち上がって手で前髪をさらっとして


「そうかその手があったのか!!して・・普通の口調とはどんなものなのじゃ?水城アリス」


「まず、じゃとか可笑しいだろ!!」


「そうかのぅ」


「のぅも!」


「なるほど・・ではこれでどうかのっ・・・どうだ?」


「のぅって言いそうになったから駄目!」


ここは厳しくいかないとね!


「むむっ中々難しいのじゃねだ」


慌てて言い過ぎて可笑しくなってるよ!!


「あははっ・・王子面白すぎ!!!」


「王子?」


頭にクエスチョンマーク浮かべる王子


「そう。だってルックス王子っぽいし・・名前知らないし」


そういうと


「おおそうじゃったそうじゃった・・じゃなくてそうだったそうだった。自己紹介がまだだったn・・な」


おしい!あとちょっと「の」の「半分」の「の」いちゃったから・・ってのが多すぎて訳わかんなくなった。


「私の名前はティアルス=ダイア。ダイア隊のエース。人呼んで黄金の死神王子じゃよ」


「おうごんのしにがみおうじ・・・?」


やっぱり王子なんだ!


「まぁ好きに呼んでよいぞ」


そう言ってにこっと笑った。


「眩しぃぃぃぃぃいいっ」


顔を背ける。


「歳は?いくつ?」


「16歳じゃ」


「うそ!?タメ!?」


                               つづく

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