城に到着??
「すごっ・・・・」
目の前には真っ赤な絨毯が敷いてある豪華な階段が広がる。その階段の上に真っ赤な薔薇のアーチが作られている。
「約束の日ギリギリ・・・・まぁ間に合いましたね」
時計を片手にアルヴァは言う。何で日にちわかるんだよ!その時計で!!
「まぁ・・・何となく・・ですよ」
微かにアルヴァの顔が曇った。
ん?なんかあんのか??
「それじゃあ行きますよ。こんな所で時間を取っている暇はありません。」
そういうと、アルヴァはわたしの腕をつかんでぐいぐい引っ張っていく
なんか・・こんなことも慣れたなぁ。偉く成長したもんだ自分。まぁこんな成長必要ないけど。
「ねぇ・・アルヴァ」
「なんですか」
アルヴァはわたしの腕をはなして足早に階段を上がりながら言う。わたしもそれに追いつくように階段を駆け上がる
「早いよ!・・っってそうじゃ・・っなくて・・マリンさんに・・これ・・貰ったんだけど・・何コレ?」
ポケットから綺麗な黒い石を取り出してアルヴァに見せる
ってかしんどい!長い階段登りながらしかも駆け足でだし・・・・
アルヴァは黒い石を見て吃驚して立ち止まる。わたしはいきなりアルヴァが止まった事に対処できなくて階段に足を引っ掛けて・・・・・
ゴンッ
「イタイッ!!おでこうった!!!血出てる!!」
ころんだ。
いやっ!まぢで痛いんだから!!漫画だったらピューって血がでてるよ!!
アルヴァはそんなわたしを見てフンっと鼻で笑ってから、手を差し伸べた
「ムカツク・・何その笑い」
わたしは差し伸べられた手に自分の手を重ねて立ち上がる
「で、コレって何なの??」
黒い石を親指と人差し指でつまみながら言う。アルヴァはそうだっと思い出したようにわたしの肩を掴んでぐらぐらと揺すった
「それ何時貰ったんですか!!?」
「のあっ・・おっ落ち着きたまえっ!!」
ぱっとアルヴァはわたしの肩から手をどけた。
「はぁ・・はぁっ・・・えっと・・コレは・・・マリンさんのお屋敷出るときに・・アルヴァがチュニリスと喋ってたときに・・・マリンさんが・・・」
話は数時間前にさかのぼる
「もう一日・・居れば良いのに」
マリンさんがしょぼんとした顔で言う。これがまたとてつもなく綺麗で・・
「じゃあお言葉に甘えt「アリス!それ何回目ですか!?昨日も一昨日も・・ここ数日間ずっとそれじゃないですか!!」
「うっ・・だってマリンさん美人なんだもん・・・」
アルヴァがキレてる・・・だってぇだってぇ・・・
「もうだめです!」
「アルヴァくん。アリスちゃんにも人権という物があるのよ?もっとアリスちゃんを尊重してあげなさい」
マリンさんも援護する
「しかし・・・」
アルヴァはマリンさんの言葉に口篭る
「そーだそーだ!マリンさんの言うとおりだぁ!!」
わたしはマリンさんの後ろに隠れて言った
「アーリースー・・・・」
アルヴァは引き攣った笑みを浮かべて拳をつくる
「なんでよぉ!!?なんでマリンさんに怒らないのよぉおお!!何でわたしだけ!?」
「そーよ!アルヴァくん!アリスちゃん虐めちゃ駄目よ!!」
マリンさんはわたしを庇うように抱きしめる。
「マリンさん・・!」
「アリスちゃん・・・!」
キラキラキラ
あたりに光が満ちた・・・様な気がしないでもない。
「兎に角・・今日ココを出ないと間に合いません!お願いですから行きますよ!」
「「ぶーーっ・・・ケチぃ・・・」」
二人声を合わせて言う。アルヴァの額に1つ青筋ができた・・・げっ・・・
「兎に角・・・行きますよ・・ね?あ・り・す?」
THE真っ黒☆
こえええええええっ!!!!ヤベえええエエ!!笑顔が怖いよおおおお!!!
しかしマリンさんはそんな事お構い無しに
「そうねぇ・・じゃあもう少し向こうで待って。アリスちゃんと話があるから」
ニコニコと笑顔で言う。
つっ強い・・・
「まぁ・・・わかりました」
アルヴァはなるべく手短にと言って向こうのチュニリスが居る所に行った。
「マリンさん話って・・?」
「・・・・アリスちゃんは・・この世界の事・・・どう思う?」
「えっ・・・・?」
マリンさんは相変わらずニコニコと笑ったままだ。
もしかして・・・
「えっと・・・マリンさんは・・・あのこと・・童話の事言ってるんですか?」
「!・・・もう知ってるのね」
そう言ってニコニコ笑いをやめて、少し寂しそうに笑った。
「あっ・・ハイ・・・」
「・・・・・・」
そこから少しの沈黙。わたしはその沈黙を破った
「でも・・わたし・・この世界救う事に決めましたから。絶対に」
今度はわたしがニコッと笑って返す。
きっと救って見せるから。平和な世界にして見せるから
「!!アリスちゃん・・・アリスちゃんって良い子ね。優しい子。」
頭をポンポンっと撫でる。その仕草がとっても優しい
「そんなこと・・ないです」
「じゃあわたしが餞別あげる。」
そう言ってマリンさんは片方の手の平をもう片方の手で被せるように撫でた。すると何もなかった手の中に黒くて綺麗な石があらわれた
「それは・・・?」
マリンさんはわたしの手を取ってその石を握らせながら
「アルヴァくんに聞くとわかるわよ?」
クスッと笑ながら言った
「えっと・・はい」
「それ・・大切にしてね。きっと良い事があるから」
「ありがとうございます」
手の中で綺麗にそして妖しく光る石に確かな重みを感じた