少しの真実
何のためにわたしが存在してるのか
何のためにアルヴァはわたしを此処に連れてきたのか
分からない
「不安・・・か」
きっと此処の住人は全て知っているのだろう。
わたしが何のために存在しているのか
アルヴァが何のためにわたしを連れてきたのか
何時の間にかつれてこられて、何時の間にか此処に居た。
今までは何も考えずにここまで来た。でもいざとなって思い返してみれば
何にもほんとに知らないまま来たんだな
「ほんと・・わたしって馬鹿だ」
今更になってこんな事思うなんて・・・
「今更何言ってるんですか」
「!?・・あっアルヴァ・・・・」
何時の間にか庭の奥の草花の迷路のような所に入り込んでいたみたいだ。
アルヴァが木にもたれかかっていた
「どうかしました?」
「あっ・・」
今聞いちゃおうか・・でもどうせまた逃げられちゃうんだろうな・・・
「何かありました?」
何時に無くアルヴァの声が優しく聞こえた。コレはきっと気のせいだろう
「あの・・ね」
きいたらアルヴァは教えてくれるだろうか?
わたしは思い切って聞いてみる事にした
「あのねっ・・」
ぎゅっと手を握り締める。こうでもしてないと不安に負けちゃいそうで
「・・・・」
アルヴァは真剣に無言でわたしを見つめる。
「えっと・・・」
でもなんて聞いたら良いのかわからない。
何でわたしを連れてきたの?
何でわたしなの?
何でわたしは此処に居るの?
聞きたいことはたくさんある。でも言葉に出来ない。聞きたい事がありすぎて言葉に出来ない
「・・泣かないでくださいよ」
アルヴァがそっと私の頬に触れる。
「えっ?」
わたしはアルヴァにいわれて自分の頬に触れる確かにそこは濡れていた。
ああ。わたしは泣いちゃったんだ。
そう認識すると余計涙が溢れた。視界が涙で翳む。
「困りましたね、、、」
アルヴァはわたしから離れてまた木に寄りかかった
「へっ・・?」
「アリス。アナタが聞きたいこと知りたいこと一部はわかるのですが、、一部は僕にも良くわからないんです」
「はぃ・・?」
「僕も聞かされてないんです。赤の女王様、、アリア様に『アリス』をつれてくるようにと言われてきたので」
ぽっかーん
その効果音が合うときなどこの瞬間以外にないだろう
「まって・・!アルヴァは何処まで知ってるの?・・・知ってること、全部教えて」
もう今度は逃がさない。かわされないようにしなきゃ
「・・・・・わかりました」
それからアルヴァはゆっくりと口を開いた
昔々
ゲームの国は平和で自然の豊かな美しい国でした。しかしある時から突然魔物と呼ばれる邪悪な存在があらわれたのです。
正直住人達は平和にあきていたのでその魔物を狩る・・殺戮のゲームをし始めたです
しかし暫くたった時たくさんのそして今までの魔物とは異なる更に凶悪な魔物が住人達に襲い掛かったのです
住人達は懸命に戦いましたが、全く歯が立たなくて困っていました
そのとき異世界から来た「アリス」と名乗る少女が魔物を一掃したのです
その後少女は姿を消し、ゲームの国にはまた平和な日々が訪れたのです
「これはゲームの国に昔から伝わる童話です」
「へぇ、、?」
よくわかんない。。。
「本来、このゲームの国には魔物なんて居ないんです。でも最近、、いや2年前くらいから現れて・・・」
そこまでアルヴァは言って口をつぐんだ
「このままでは童話どおりになっていてしまう。つまり・・・同じ「アリス」つまり・・わたしを・・・」
使おうと・・・。
「ええ。全くその通りです。」
両手を挙げてしれっとした顔で言い放つ
「なんて自分勝手な住民なんだろうって思いました?そう思っても仕方ないですけどね」
「この童話・・・住人皆知ってるの?」
「まぁはい。」
・・・だからあのときフィルは止めようとしたんだ・・アリスを使う・・いや・・利用するのはやめようって・・
わたしはアルヴァの手をそっと握った
「アリス・・・?」
「わ、わたしは・・・確かに・・利用って言うかそんな感じのこと?されそうで・・確かにちょっとムカつくけど・・・・でも・・アルヴァ・・あんたにかってついてきたのはわたしだし・・・フィルのような・・友達が苦しむのは見たくない」
アルヴァの目を見て言う
「だから・・・だからわたしは・・・手伝うよ。ここまでついてきたわけだし。乗りかかった船って言うのかな?」
もう迷わない
話は聞いた。もう迷う必要はない
理由は聞いたのだから
そういうとアルヴァは少し考えて
「魔物はあなたの想像以上に厄介なそして・・あぶないものです。それでもいいんですか?」
「良いも何も・・さっき言ったでしょ?ココまで折角来たんだから・・やってやるわよ」
そう言ってわたしはにこっと笑った。アルヴァはそうですかと言って、
「まぁ僕も・・・いや住人全員あなたの・・アリスのことを助けてくれるでしょう」
手を握り返してくれた
「うん期待してる」
そう言ってわたし達は手を放して、わたしはアルヴァの横に座り、空を見上げた。空にはたくさんの星が輝いていた。