半獣
「!?」
私の目の前に表れたのは、うさぎ耳を生やした美青年でした。いやっアルヴァと同じ説明だけど・・全然タイプ違うから・・なんていうかアルヴァは色白でなんか、不健康そう・・ってか病弱そうで、あっ別にコイツは病弱でもなんでもないよ?で、目の前に居るのはなんていうか・・・爽やか青年・・みたいな?にしても身長でかくね?絶対180超えてるだろ。
「お帰り。チュニリス」
「おお。今日もお茶会やってんのか?」
シウ君と喋り出したチュニリスと呼ばれた青年。
「ねぇ・・アルヴァ」
わたしがアルヴァに小声で話しかけるとアルヴァは眉を顰めて
「なんですか。フィナー・ティピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコーお願いします」
新しい紅茶を頼みながら答えた。紅茶を残してる・・・よっぽどまずかったのかな・・?
アルヴァは新しく入れてもらった紅茶を飲んで
「やっぱりコレですね」
と嬉しそうに言った。いやっあの・・話し聞いてもらっていいですかね?
「だからなんですか?」
「いやっ・・あの人・・誰かな・・って」
「あの人?ああ、彼ですか?」
アルヴァは目でうさぎ耳の青年を示す
「うん。そう」
「彼は三月うさぎのチュニリス=マーチですよ。あっそうだ・・1つ忠告しておきますね彼は「おおっ!!アルヴァじゃん!どうしたんだ?遊びに来たのか?」
アルヴァがわたしに何かを伝えようとした時チュニリスさんが話をさえぎった。
「いえ。マリンさんに連れてこられてしまいまして」
「それは、ドンマイだな」
そう言ってにかっと笑った。爽やかだなぁ・・・ってか忠告ってなんだろ?
アルヴァと喋っていたチュニリスさんがわたしを見た。
「おおおおっ!!びっくりした!いたのか!気付かなかった!」
・・・失礼な人だな・・・・。チュニリスさんはそんなわたしの心を読み取ったのか近づいてきて頭をわしゃわしゃっと撫でた。
「ごめんな。まぁでも女の子は小さい方がかわいいよ。もちろん大きくてもかわいいけどな」
「えっ・・?!あっ・・あっ?!」
ただいま混乱中。ぎゃああああああっ!!なにこれっ!?くどき文句!?
「チュニリスやめないよ。」
シウ君がチュニリスさんを止める。チュニリスさんがわたしの頭を撫でる手を止めて
「またゴメン。折角きれいな髪がくしゃくしゃになっちまったな」
そう言ってわたしの髪を手で撫で付ける
「キレイ!?そそそそんなっ!!とんでもない!!」
「あはははははっ!!!君なんでそこまでどもってんの!面白いっ!あはははははっ」
いきなり笑い出した。って言うか天然!?って言うか笑い止まってないよ!?
「おそかったね」
シウくんが言った。な、何が?アルヴァも不機嫌そうな顔をして
「ホントですね。」
「アルヴァ。もっと早くアリスに言わなきゃ駄目だよ」
「すみません。まさかこうも早くこんな事態になってしまうとは」
ふたりで話し始めた。ってかチュニリスさん!そろそろ笑い終わろうよ!
「あのー何の話・・・?」
「アリス。いいですか?良く聞いてくださいね」
アルヴァが真剣な顔をして切り出した
「あっはい」
「チュニリスは、天然のタラシ&笑い上戸なんだよ」
シウ君が続けた
「天然たらし!?笑い上戸!?」
ちょっと何ソレ!?聞いてないよ!?
「聞いてないって当たり前ですよ。言ってないんですから。まさかこんなにも早くアナタが彼を笑わせるなんて・・・」
ある意味尊敬します。と言われた。・・・どういう意味だ?!馬鹿にしてんのかこらっ!!
「あはははっ・・っ!!ふぅ〜アリスって面白いなっ!」
チュニリスさんはやっと笑い終わって椅子を引き座った
「えっ?どっどうも・・?」
褒めてんのか分かんないよっチュニリスさん!!
「さん付けはやめてくれよ。俺とアリスの仲だ普通にチュニリスって呼んでくれ」
どんな仲!?そこまで仲良くなったっけ!?ってかやっぱりチュニリスも
「心読めんのかい!!」
ガタンッと立ち上がって指をビシッと指す。その行動に一同はきょとんとしてからチュニリスは笑い出し、シウ君は噴出して、アルヴァは呆れた。
「あははははっアリス面白すぎっ!!俺を笑い死させる気か〜っ?」
「ぷっくくくっ・・アリス・・意外と・・抜けてるね。」
「はぁ・・・何度いえばいいんですか?ここの住人はコレが普通です。・・・あっ」
アルヴァは何かに気付いたように声を出した
「何?」
わたしは椅子に座り直してスコーンに手を伸ばしつつ聞いた。するとアルヴァは紅茶を取って
「まぁどうでもいいことですが、心の中を読めるのは「半獣」・・「獣人」の人ですから、帽子屋は読めませんし、あと普通のトランプ兵も読めません。・・女王様も読めませんね」
「へっへえ〜??」
なんか良く判らなくなってきたぞ・・・?
つづく