プライバシー下さい
「はぁ〜・・・フィルの家のお風呂も今日で最後か・・・」
脱衣所で服を脱ぎながら1人愚痴る。
「それにしても広いなぁ・・・銭湯くらいの広さあるよね・・・もうかってるんだろうな・・・」
身体にタオルを巻いて髪の毛を上のほうで縛り、ドアを開けた
するとお風呂には先客がいた
「?・・・フィル?」
湯気で良く見えないけど・・フィルだと思う・・・
「アリス?」
やっぱりフィルだ
「ゴメン。わたしあとではいるね」
ドアを閉めようとしたらクスッと笑われて
「いいよ。一緒に入りましょ?」
「えっ・・・いいの?」
「ええ。此処のお風呂は2人で入っても狭くはなら無いわ。」
いやっ・・別にそんな事言ってるわけでは・・・だって・・裸の付き合いになっちゃうよ??ゴメン・・変な言い方した・・。
「じゃあ失礼します。」
わたしは軽く身体を流してお湯に浸かった。
「もっと近くに来て。お話しましょ?」
フィルが手招きする。
「うん」
わたしはゆっくりとフィルの近くに寄った
「ねぇアリス・・・」
「ん?」
「アルヴァって・・・女王様のこと・・好き・・よね?」
「うーん・・まぁそうだよね」
そういうとちょっと落ち込んで「やっぱりそうよね・・」と呟いた。・・・・もしかして・・・・
「フィル・・・もしかしてさ・・アルヴァのこと好き・・なの??」
だとしたら報われない恋してるよね・・?
「えっばっ・・!?そそそそそそそんなわわわわわけ「あるよね?」
お風呂の所為ではなく顔を真っ赤にさせて否定しようとしてる。ある意味認めてるよね?コレって。
「・・うっ・・・」
顔を真っ赤にさせて俯いた。キャーカワイイーっ!!恋する乙女は一味違うね。でも・・
「なんで相手がアイツなの!?きっともっといい奴いっぱい居るよ!!?だめだよ!あんな短気な奴!!あんなのの何処がいいの?!」
おとーさんは認めませんっ!!そういうとフィルは目を丸くしてから「ふふっ」と笑い手を口の前でからませて
「アルヴァは・・カッコイイしなんていうか・・・一緒に居ると楽しい・・し落ち着くし・・」
どんどん目がとろんとして、うっとりしている。・・・ほんとに大好きなんだね
「それにそれに、優し「ストップ。それはありえない。駄目。違う。あんなのの何処が優しいんだ!?」
フィルの言葉をさえぎって言う。コレだけは言わせちゃ駄目だ!!恋は盲目って言うけど盲目どころじゃないよ失明だよ。
「ふふっ。アリス。」
笑ってから、フィルは私の名前を呼んだ
「何?」
「アルヴァともっと仲良くなると分かるよ?彼の真意が。彼不器用だから・・・」
ニコッと笑った。・・・アルヴァ・・あんた気づけよ。こんなかわいい子があんたのこと好きなんだよ?大好きなんだよ?女王様のことばっかり見てないでこっちも見てあげなよ。じゃないと・・この子・・ほんとに報われないよ?
「報われない・・よね・・」
「!!」
フィルも私の心の中読んだああああ!!
「分かってるよ?それくらい。でも・・やっぱり好きになったからにはもう・・・駄目なんだよ・・彼じゃなきゃ。たとえ、この気持ちにこたえてもらえないとしても・・・彼じゃなきゃ・・アルヴァじゃなきゃ・・・駄目。この気持ち変えられない・・よ」
途切れ途切れたけどちゃんとした言葉。はっきりとした言葉。やっぱりフィルはカッコイイよ
「あっ!この事いわないでね」
「言わないよ。馬に蹴られて死にたくないもん」
人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえっ!ってね?そう言ってウィンクするとふぅと溜息をついてから・・彼女は微笑んだ。
「ありがとう。このこと知ってるのアリスだけよ?」
「ホント?嬉しいな」
フィルと・・・ちょっとは仲良くなれたかな?
「アリス。わたし達はもうお友達よ?わたしの秘密を始めて知った人だもん」
友達・・・・・・。なんだか凄く懐かしく聞こえるよ。元気にしてるかな・・皆。
・・・・ああっもうっ暗くなるのやめた!!せっかくフィルが友達だって言ってくれてるのに!!
「うん。友達だね!」
わたしはにかっと笑った
「じゃあそろそろ上がりましょう?」
そう言って彼女はわたしに背中を向けて湯船を出た。
わたしはあるものを発見した・・・コレって・・
「羽?」
「えっ?」
フィルは振り返って私を見た。確かに今
「フィルの背中に羽が生えてる」
「ああコレ?」
そう言って彼女は折り曲げていた羽を広げた。それは大きくてキレイで・・
「スゴイ・・・」
翼だった。
「ほら。アルヴァにはうさぎ耳。チェシャ猫君は尻尾と猫の耳ついてるでしょ?それと一緒コレがついてる人は半獣って呼ばれてるのよ?」
知らなかった?と言われた
「うんっ全然知らなかった。みんな唯の趣味かと・・・」
今考えるとコレが趣味とか怪しいよね?女の子がうさぎ耳〜とかならOKだけど・・男の人がうさぎ耳〜とかないべ?・・・ちょっと待って・・そのうちアルヴァたちも歳とっていくよね?例えば90歳くらいになってもうさ耳生えたまま!?
「ぶぶっ」
想像して思わず吹いてしまった。そんなわたしを不思議そうな顔で見ているフィル。なんかいいな・・こういうのも。
つづく
さぁ旅の続き!・・のはずが・・・今度は狂った***と*****に摑まってしまいます・・・