第十話白うさぎ
今回はアルヴァくんとラヴラヴです?
「起きて下さいアリス」
「んっ・・もうちょっと・・・」
あの後フィルに部屋を案内してもらって久しぶりのふかふかなベットに横たわり死んだように眠っていたコイツ(アルヴァ)が来るまでは。
「その言葉13回聞きました。アリスのもうちょっとは30分・・あっ今31分になりましたね。31分なんですか?」
なんだよ。31分ぐらいなんだよ。短気は嫌われるぞ・・まったく
「うるさい。わたしは疲れてんのアルヴァと違ってタフじゃないんだから」
わたしはころんっと寝返りをうって、アルヴァの居る方向とは反対の方を向いた
「僕だってタフじゃありません。繊細です」
「ちげぇよ。繊細じゃなくて洗剤の間違いだよ」
「意味が分かりません」
「私も分からない」
声からしてアルヴァはイライラしかけている。ホント短気だよね
ふぁあっ・・・眠い・・・まぁわたしも人の事言えないよな〜・・・のんびりしてるし・・
「兎に角起きて下さい」
「いや。今日もフィルに頼んで此処に泊めてもらう。ってか一生ここに暮らしたい」
「だめですっ!!」
何時もより少し大きい声だ。
「!!」
びっくりしたー。いや願望だからね?わたしの。どーせ無理なんだから幻想くらい抱かせてよ。そんなわたしの思いもまるっきり無視してアルヴァはいきなりベットに上がってきた
「なっなに!?」
顔をアルヴァの方に向けると同時に顔の横に手をつかれる。つまり馬乗りになられた。
「アリスは絶対城に行くんです!!絶対に!」
真剣な目で言われる
「えっ・・はっ?」
どういう状況?コレ。なんで馬乗りにされてんの??
アルヴァは銃を取り出して私の額に銃口を突きつける。
「もし・・・キミが城に行かないと言うなら僕は強硬手段を取る事になります。”アリスを城に連れて行く”それが僕の任務。役目です」
瞳の中で何かが揺れている。真っ赤な血の深い海のような目の中で。
なんだろ・・・なんか・・いつものアルヴァじゃない・・・なんだか・・
「アルヴァ・・」
「なんですか」
すっごく
「おなか減った」
「はぁっ?」
悲しそうなんだもん。
「だから、おなか減った」
「それは分かってます・・・はあ〜っ・・なんでもっと空気読まないんですか?」
「失礼な」
ちょっとにらめつけると、アルヴァは苦笑いしてわたしの上からどき、銃をしまった。わたしはベットから起き上がり、立ち上がった。
「ああ。わかりました。読まないんじゃなくて読めないんですね?すいません。流石の僕もそこまで気が回りませんでした」
何時ものアルヴァの顔だ。人を馬鹿にしたような。よかった
「ひどっ!アルヴァちゃんと友達居る!?いないでしょ?」
「アリスこそいるんですか?そんな馬鹿なのに」
「いるわよっ!!」
前言撤回。良くないっ!!さっきのほうが可愛かった!ちくしょっ!!
そんな私の顔を見てアルヴァは
「あははっ」
笑った。
「!!」
わたしは目を見開いた
「どうかしました?」
「うっううん」
いっ今、純粋に笑った・・・!?何時も眉間にしわ寄せてるか、人を馬鹿にしたような笑い方しかしないアルヴァが!?すっごい・・かわいいじゃんっ!!
吃驚した・・・なんか・・・すっごく胸が高鳴ってるよ・・。よっぽど吃驚したんだろうなきっと・・。ごめんね吃驚させて。だから心臓麻痺とかで止まらないでね。
「早く行きますよ。フィルがお待ちかねです。あっ!その前にお風呂に入ったほうが良いかもしれません。彼女は結構潔癖症ですから」
「・・・・・・・・」
じっと彼を見つめる。なんだろうな・・・ほんとに心臓吃驚したんだろうな・・・・まだドキドキしてるよ・・ってか増してるよ・・・。
「聞いてます?」
「うっうんっ!?まあ!?」
そう答えると彼は何時もの通りイラッとしつつわたしに文句を言う。
つづく
次回はフィルとの掛け合い?予定