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ブレイクタイム

「ごめんなさい、少し休憩させて」


 狭く暗い部屋でわたしはブレイクタイムを提案。すると、わたしの声に賛同した何人かは車座から抜け、各々行動を始めた。


 一人は用をたすためにトイレへ。一人は側にいる男を誘惑し、自らを安く売ろうとし、一人は何処からかコーヒーの入ったマグカップを二つ持って戻って来る。一つは自分。もう一つはわたしに差し出してくれた。


「ありがとう」


 淹れたてのコーヒーはわたしの心を落ち着かせてくれる。一遍に話すとなると難しい物がある。本の様に三人称の視点。言わば神様の視点をフル活用してわたしはこう動いて、サマンサはこう。実は彼は、等と話を組み立てながら伝えていけたらどれほど楽か。


 若しくは、映画の様にわたしのこれまでの道筋を過去回想や心に響く音楽、特殊効果等で演出したり、わたしの今に至るまでをロングショットで撮る。なんて事が出来れば目の前の人々に何かしらかの共感と感動をあたえる事が出来るかも知れない。


 コーヒーを持って来てくれた彼は再び車座に加わる。奇妙な人々なのだ。


 この人達はわたしの話を聞く気も無ければ興味も無い。中には何かを感じてわたしの話を信じてくれている人も居るのだろうが、それでも大半はわたしの話等どうでも良く、聞いてしまったから惰性で付き合ってくれているのだろう。


 それでも構わない。わたしは心から無関心なあなた達に感謝する。理由は一つ、わたしが伝えたいだけだからだ。これはエゴかも知れない。でも、例えそうだとしても伝えたい。わたしが見てきた物、感じた事を自分の意思で伝えたい。残したいんだ。


 そう、これは戦い。わたしの意思とあなた達の意思との戦い。


「続きを話すわ」


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