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ワールド・フラグメント  作者:
第九章 事件終結
78/111

078

 ジャンヌは監察所を出て、目の前で炎や氷を吐き散らし暴れる白いドラゴンを見上げた。瞠目し、息が止まりそうになる。口元を両手で押さえ、喉を震わす。


「そんな、まさか……」


 子供の頃リントが見せてくれたシルファよりも更に大きい。およそ二倍はある。濁った紫色の双眸が、狂気を宿しているように見える。火炎を吹き、吹雪を吐く様は、ジャンヌの知るドラゴンとは似ても似つかなかった。


 ESOの夜部隊のメンバーが勢揃いし、ジャンヌが来るのを待っていた。メンバーは十人ほどだが、皆腕の立つアリスペル使いである。


 本来であれば再会を喜ぶところだが、白銀の飛龍を前にそんなことはできない。


「な、言ったろ? 俺たちだけじゃどうにもならないって」


「………………」


 破壊活動を続けるドラゴンを目で追いながら、ジャンヌは右手首に嵌っていた髪ゴムを外した。それで長く揺らめく金髪を高い位置で一つに束ねる。


「みんな、お願いがあるの」


 メンバーたちは皆、ジャンヌを真剣な表情で見据えている。


「私をアシストしてくれる?」


 ニッと笑って、キルスがジャンヌの肩に手を乗せる。


「我らが〝神速の魔女〟様の頼みとあらば。なあ、みんな!」


 オォ――!! と勢いのいい反応が返ってきて、キルスがジャンヌに微笑みかける。


「頼むぜ、隊長さん」


 その言葉にジャンヌはふっと笑って、巨大なドラゴンに標準を合わせた。


「行くわよ!」


 ジャンヌは声を張り上げ、ドラゴンに向かって走りながら、具体的指示をメンバーたちに与え始めた。

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