遅れをとる
「なんでも!?」
「そう、何でも。それぐらいしないと面白くないだろ?」
もちろん物事には限度というものがあるのだから余りにも無茶な事は、いくら宝条とて言い出さないだろうが……。
彼女が何を言い出すのか、やっぱり不安にはなる。
「なんだよ、自信ないのか?」
「ライナ、イージスさんが困ってるでしょ」
「でもさ、仲間内でも競う方が練習のモチベもあがるじゃん」
「競争するだけなら罰ゲームはいらない……」
俺が困ってるとみて注意する姫岸さんとポム嬢だが、宝条は悪びれない。
「いやいやあるかないかで全然違うって」
「イージスさんも相手しなくていいですからね」
――う~ん。
ここ最近の己の成長に自信もあってこんな提案をしてるのだろうが……。
俺から見れば、動きがよくなったといってもまだ粗い部分がないわけではない。
言ってしまえば中級者。
その辺りにもよくいるレベルのPCだ。
それに比べて俺は前世で英雄レベルにもなっていたし、今だって『ナナム』の中では戦闘中、一番上手く動けてる自信がある。
対人戦といえど、宝条に遅れをとるつもりなんかありはしない。
――よし。
参加部門の違いが結果にどう影響するか見えない部分もあるが、ここは挑戦を受けて宝条の奴をギャフンと言わせるのも悪くない。
「いや……、その挑戦受けて立つよ」
俺は闘技大会に参加するだけでなく、宝条との競争にも応じた。




