立ちはだかる五人の四天王
情報の海『インターネット』。
そこには魚にかわり、あらゆる情報が生息している。
このインターネットという海をただ泳ぐだけならそう難しい事ではない。
最低限の知識さえあれば、誰にでも出来る事である。
しかし、乱雑に漂う情報の真偽を見極め、自身にとって有益である物を拾い上げていける者は、意外にも少ない。
モニターを静かに見つめる男は、あるネットの書き込みを見つけた時、無意識の内に鼻を鳴らし笑みをこぼしていた。
そんな彼の様子に、同年の女が気付き尋ねる。
「どうしたの?」
「興味深いと思ってね」
「どれどれ……」
男のモニターをのぞき込みながら、画面上に表示された文字の一部を読み上げる女。
「『イロモはバグを隠匿し、サポートが最悪の糞ゲー。ゲーム内のトラブルでキャラクターが削除されたのに、何度連絡を入れてもサポートが無視する……』って。……なに、これ」
「どうやらこのあいだのアップデートで入ったギルドガーディアンとの戦闘に敗北し、キャラクターが削除されてしまったという嘆きの書き込みらしいのだが……、どう思う?」
「どう思うも何も、明らかなデマでしょ。どうせ、ゲームが上手くいかなかった腹いせってあたりじゃないの。それか、あっち系の団体の書き込みとか」
女の言う団体とは、イロモを危険視し活動を行っている反イロモの運動団体である。
今日では一時の勢いは無くなっているものの、今だに根強く活動しており、一部の過激な活動者は、デマを平気でばら撒きながら、反対運動を行っていた。
「腹いせに、活動家のデマか。……だけど、もし本当なら面白いと思わないか?」
男は不敵な笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「バグが全くない完全無欠のはずのゲームで、プレイヤーの意志に反してキャラクターが削除される。これがもし、デマでもバグでもなかったら……、我々の最終計画にとって非常に有用な武器となるやもしれん」
「最終計画……」
「そう我ら『ダスク』の最終計画、『ラグナロク』のな!!」
「……それ、言ってて恥ずかしくならないの?」
「……最終計画、『ラグナロク』のな!!」
「そう、ならないんだ……」




