嘘ST
声がする。
聞き覚えのある声が……。
「気が付いた? よかった……。なかなか起きないものだから、心配したわ」
声の主は、俺の顔を心配そうに覗き込むレティリアさんだった。
「ここは……」
目を覚ましたものの、俺の意識はまだ混濁していた。
「大丈夫かい? まだ意識がはっきりしてないみたいだね」
この場にいたのはレティリアさんだけではない。
砦の外での戦いを終えたシラハさんも既に駆けつけていた。
「えっと……」
周囲を見渡しながら起き上がる俺にシラハさんが尋ねる。
「一体何があったんだい?」
何が……。
亀裂、破片、ボロボロになった大部屋。
そして黒い灰。
黒い灰……。
そうだ、思い出した。
俺は彼女の……、アストビアの強大な力を使ってPK達を退治したのだ。
「それは……」
何がここで起きていたのか、自分の身に何が起こったのか、素直に事実を話そうとした。
だけど、口から出掛かった言葉が途中で止まってしまう。
そして……。
「……すいません。よく覚えてないんです」
嘘を付く。
「覚えてない?」
「はい、すいません……、PK達と戦いはしたんですが、すぐに気を失ってしまって……」
「いや、いいんだ。そうか……、とにかく君が無事でよかった」
疑いもせずに俺の言葉を受け入れてくれるシラハさんに、少し後ろめたくなった。
俺のそんな影がかった気持ちとは対照的に、それからの事は滞りなく進んでいった。
やられてしまった味方の蘇生や装備品の回収、そして何より姫岸さんの救出だ。
トウタ達の非道を目にしてひどくショックを受けていた彼女を、どうにか自分達のギルドハウスへと連れ帰り、二人の親友と再会させる事に無事成功する。
そしてシラハさんの計らいによって、この救出作戦成功を祝してのちょっとした祝勝会のようなものが開かれる事となった。
貧乏プレイヤーでは中々口にする事の出来ない豪勢な食事が場に並び、それを囲みながらPK達を相手にした己の武勇伝などを楽しそうに語る面々。
あの壮絶な戦いがまるで夢か幻かであったかのように、既にここには陰気な空気は一切ありはしない。
それも何ら不思議な事ではないのかもしれない。
彼らにとってここはゲームの世界に過ぎぬのだから……。
しかし、そんなゲーム世界に生きる俺は、今はまだ、一仕事終えたと素直に笑えるような気分ではなかった。
心にずっと引っ掛かっていた。
『覚えていない』。
シラハさんについた、その嘘が……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇◇◇カイト◇◇◇
レベル12:ウォリアー:人間
MAXHP134:MAXSP40:MAXMP0:ロロ神
資質:赤0:青5:緑2:黒0:白1
力:86
知力:61
頑強:86
俊敏:86
器用:65
魔力:46
精神力:79
◇スキル◇
スタンアタック:近接攻撃に気絶の効果を付与。
などその他いろいろ
◇装備◇
『バスタードソード+3』『ロバスメイル+2』『鋼の靴+3』
などその他いろいろ
◇◇◇レモン◇◇◇
レベル10:赤魔術師:人間
MAXHP73:MAXSP5:MAXMP43:精霊(赤)
赤9:青1:緑1:黒1:白-5
力:43
知力:71
頑強:42
俊敏:46
器用:59
魔力:80
精神力:72
◇スキル◇
イファ:炎の攻撃魔法
イファラ:炎の攻撃魔法、イファより威力と詠唱時間増加
ヴォル:炎の範囲攻撃魔法
ヴォルラ:炎の範囲攻撃魔法、ヴォルより威力と詠唱時間増加
などその他いろいろ
◇装備◇
『イフリートの杖』『魔術の帽子+3』『火トカゲのローブ+3』『サラマンダーの瞳』
などその他いろいろ




