7th.形から逃れた世界(What betrays form)
暗い、暗い、蔵の中でその人生は始まった。
祝福されたのかもしれない、それでもその記憶すら存在しなければ何の意味があるだろう。
実験体として、飼われ、刻まれ、潰され、怒られ砕かれ煮られ刺され捧げられ貫かれ切られまた刻まれ潰され怒られ砕かれ煮られ刺され捧げられ貫かれ切られまた刻まれ潰され怒られ砕かれ煮られ刺され捧げられ貫かれ切られまた刻まれ潰され怒られ砕かれ煮られ刺され捧げられ貫かれ切られまた刻まれ潰され…
こんな私が、祝福されているはずもない。
世界は形だけだ、形だけの軌跡を与え、そして形だけの祝福を与える。
そんな形だけの醜い世界がある日、蔵の壁ごと砕かれた。
「そんなところで何をしておる、魔法使い」
それは、生まれて初めて聞いた他人の言葉。
「やはり人は愚かだ、壊し、解析し、学ぶことしか頭にないくせに大切なことを微塵も学ぼうとせん…」
とても熱い、熱い、怒りに満ちた声。
でも、なぜだろう…その声には、確かに形以外の何かがあった。
「私に、祝福をくれますか?」
問う。
彼女は、邪悪に笑いながら答えた。
「妾がくれてやるのは、呪いと支配のみよ……さぁ慈悲よ、妾のために働け」
私はその日、形以外の何かを知った。
MagicalGirl MalchutoMalucho
2nd action : A thing important although there is no form
2009/10/2
物語は、ジュリアが転校して来て1日とたたない放課後から始まる。
「しゅぅ~~~~ごぉ~~~~~~!」
美香の掛け声とともに机を合わせていく集団、3年3組実行委員会。
太一と神賀戸は辟易したように、マルコはいつものように、ジュリアはうきうきとしながら机を合わせる。
「さてさて…マルコちゃん、ジュリアちゃん、そして神賀戸君!我が実行委員会は今その存在価値を試されているのだよ!!」
ビシッと3人に指をさす美香に、呼ばれた3人は(うきうきしているジュリアを除き)茫然とした顔をする。
「え~と、どういうこと?」
そう、マルコと神賀戸はここ2日ジュリアとの戦いとその反動のせいで丸々2日間休んでいたから知らなかったのだ。
今現在、美香たち実行委員会は非常に厄介な問題を抱えていたのである。
美香はスゥと息を吸うと、声高らかに宣言した。
「これより第2回、というか全然内容が進んでないから実質第1回!!文化祭クラスの出し物討論会をはじめま~す!!!!」
「ぶ、文化祭の出し物って…あぁ、そういえば押し付けてくるって言ってたよね?」
そう、実行委員会設立が認められた理由の一つでもある『文化祭時の計画進行』である。
美香のようにエネルギッシュな生徒がいる半面、近年の小学生はやはりどこか冷めている子が多くなっているのが現代の風潮である。
まったくもってその通り、人に聞いてもやっぱり帰ってくる答えは喫茶店かおばけやしきといった定番中の定番を適当にいってみたり、あろうことか片やがもう片やを面倒くさい、現実性に欠けると揶揄し始めてぐだぐだになる始末だ。
それならいっそエネルギーの塊である美香に引っ張ってもらおうという腹積もりだったようだが、これがなかなか難しい。
なにせクラスが一丸とならなければ文化祭の出し物は成立しないが、人を引っ張り込むにはそれなりのインパクトが重要だ。
それなのになかなかインパクトのある、なおかつ実現性がある計画が思いつかないのである。
「やっぱり露店とかたこ焼き屋さんじゃダメ?」
「ダーメ、たこ焼き屋さんはもう隣のクラスが大阪から材料取り寄せてきてるから競争すれば負ける」
マルコが苦笑いしながら出した案も迷わず却下される。
「きょ、競争する必要はないんじゃあ」
「あんむぁーーーーい!!!!」
机をバンと叩いて立ち上がった美香は拳を握って力説する。
「文化祭とは読んで字のごとく学生たちの文化的レベルを見るのであって、それはすなわち学年という一種の連合国間に自らのクラスの際立った文化性を見せつける絶好の機会に他ならないんだよ!!そうそれはまさしく聖戦!!それを自分たちにクラス中の正しさと文化性と共に任されたこの金奈美香がほかのクラスと同レベルの催し物を出せと!?否、断じて否!!認めんよ若さゆえの妥協というものはぁ!!」
「み、美香落ち着いて、口調変わってる!!」
しまいには拳に一片の悔いもない人のようなタッチになってきている美香をどうにかして落ち着かせようとするが、ガタッと立ち上がるもう一人が居た。
ジュリアである。
「わかる、わかるよ美香!!任されたからには全力出したいもんだよね!!」
「お、おい!?」
制止する神賀との声も聞かずにジュリアと美香は手を取り合う。
「やろうジュリアちゃん!!」
「二人で最高のブンカサイにするんだー!!」
だめだ、もう二人で劇場作っちゃってる…苦笑いしながらそう思っているマルコの思考に、何かが引っ掛かった。
「で、ブンカサイってにゃに?」
「……そこから!?」
「あ、あのぉー…」
美香とジュリアの漫才に手を挙げて入ろうとするマルコ。
「演劇って、どうかな?」
マルコの提案に、美香とジュリアははた…と静止した。
しかし、ため息をついたのは意外なことに一番やる気だったはずの美香だった。
「それも考えてはいたんだよい」
「? どういうこと?」
問い返すマルコに、美香はけだるげに机に突っ伏して答えた。
「舞台装置がいるでしょ?材料もらうあてもあったんだけど昨日連絡したら行方不明になっちゃっててさぁ」
「行方不明……」
その言葉に、マルコの脳裏に一瞬だけブランクのことがかすめるが…
頭を振ってそれを否定した、魔術師は追い払ったのだ。
もうこの町で、魔術に絡む事件は起きない…もう起させない。
マルコはそう思って、話を切り替えた。
「それじゃあ、別の材料の入手先は……」
「無理だよ、この町ほとんど住宅街か、材料が手に入れられそうなところホームセンターくらいしかないよ?
私たちの予算じゃ手が付けらんないよい」
美香はできないことはできないと割り切り、早々に次の行動に移るタイプだ。
それ故に、演劇の予定は早々に没となる…はずだった。
ジュリアが、手を挙げた。
「あの、ジュリアが……」
ジュリアは自信満々の笑みを作って手を挙げている、その表情を見て神賀戸はジュリアが何を目論んでいるのか気がついてしまった。
「おまえ、まさか!!」
「ジュリアが、道具を確保します!!!!」
そして、今回はジュリアの行動が美香の思考の展開よりもほんの少しだけ早かったのが幸運だった。
美香は目を見開いてジュリアを見上げる。
「え……できるの!?」
「もっちろん、任せてください!!」
ドンと胸を張るジュリア、すぐさまフォローを入れる神賀戸。
「かか、彼女の兄が外国で建築デザイナーのをやっててな、材料くらいだったらほとんどタダ同然ですぐに協力できると思うんだ!!」
嘘は言っていない、魔術結社は用いるモチーフや儀式場の確保のため建築協会を祖にもつ為、そのまま建築業者を名乗る例が多い。
薔薇十字騎士団もその例に漏れず表向き歴史ある建築士協会を名乗っているのだ。
ツッコミを入れようとしたマルコにもそういった内容の自動筆記が届いたのはひとえにこの数日の間に鍛え上げられた神賀戸のフォロー能力の賜物である。
「へぇー以外にお嬢様なんだねい?」
「そ、そうなんだよ!!あははは!!」
「? 下院様はお兄ちゃんじゃなくてこんやk…」
「だあはははははははは!!!!」
必死にジュリアの口が滑るのを止める神賀戸を見て太一は思った。
「事情は知らんが大変だなお互い…」
「黙れ靴下」
その後太一と神賀戸の大喧嘩によってその日の会議はしっちゃかめっちゃかになったのであった。
喧嘩する二人を応援するジュリアと美香、仲裁するマルコ。
大変ではあるが、ようやく訪れた平和にマルコは安堵のため息をつくのであった。
◆
喫茶アヴァロン。
今は神賀戸もジュリアも住む事になった、事実上薔薇十字騎士団日本支部である。
「主よ、哀れみたまえ」
ジュリアの手元から威光の光が放たれた。
「へぇ~演劇やるのねぇ?ジュリアちゃんもずいぶん張り切ってるじゃないねぇ♪」
さっそくと言わんばかりに威光でベニヤ板を造り出すジュリアを眺めながら、明は片頬に手を置いた。
「私もカメラ持参しないとねぇ?」
「お巡りさん呼んだ方が良いか?」
既に手に最新のハンディカメラを持ってハァハァ怪しい息をたてる真黒美女に神賀戸は言うが、残念ながら聞き入れられなかったようだ。
ため息をついた神賀戸はマルコに尋ねる。
「そう言えば、脚本はどうする気なんだ?」
「あ、それなんだけど……」
マルコはジュリアと向き合って、互いに笑顔で頷き合った。
「な!!!?あの戦いをモデルにするだと!!!?」
「「うん!」」
マルコとジュリアの提案を聞いた神賀戸は、奇声じみた大声をあげた。
それにマルコとジュリアは笑顔で頷いた。
「普通に暮らしてきた主人公、突然現れた敵、日常を取り戻すために戦ってたら現れたヒロイン、戦って悪い魔術師からヒロインを解放して大団円!ジャパニメーションで見た魔法少女の定番にゃ!」
最近巷で流行りの魔法少女アニメDVDを見せてドヤ顔で語るジュリア。
神賀戸はすぐ明を睨むが、明は明後日の方向を向いて口笛を鳴らしている。
「駄目だ駄目た!だいたいジュリア、僕らの活動目的を忘れたのか!?」
「う……世間からの魔術魔法の隠匿でしょ?」
ばつが悪そうに身をちぢこませるジュリアに、元祖フォロー人であるマルコがプラカードを持ち立ち上がった。
「大丈夫!最後にこれを読み上げれば全部うまくいく…と思う!」
『この物語はフィクションです。
じつざいの団体、まじゅつし、まほう使いとは一切関係しません』
プラカードにはそう書かれていた。
マルコのいつにない強気な態度に、神賀戸は押され気味になった。
「い…いや、しかしだな」
「良いんじゃない?」
そこで思わぬ横槍が入る。
どこからともなく飛んできてマルコの肩に留まる白い子竜型の天使、エリヤである。
「フィクションなら薔薇十字もとやかく言えないじゃん?」
「お、おいそれで良いのか天使!!」
神賀戸は助けをも止めるような目で、ジュリアの肩に留まる黒い子竜型の天使メタトロンをみる。 しかし……
「そうだな、私はジュリアさえ楽しければ何も言わんよ。」
意外な返答に、神賀戸はがくりと地面に両手をつく。
そして神賀戸の抵抗を嘲笑うかのように、最後の…それも最大の推し手が掛かろうとしていた…!!
『ふむ、良いんじゃないかね?』
「……」
聞き覚えのある声に、神賀戸とジュリアはそちらを振り向く。
明は良い笑顔で携帯電話をマルコ達に向けていた。
その着信先は……『下院』。
「団長ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「にゃぁぁぁ下院様はぁぁぁぁ!!!!」
神賀戸の悲鳴じみた絶叫と、飛び上がらんばかりのジュリアの感性が同時に響いた。
『よぅジュリ、元気でやってるようだな?良かった良かった…』
すぐさま携帯電話を明から奪い取ったジュリアは、顔を赤くしながら興奮気味に下院に話しかける。
この前の一件からジュリアも携帯電話を持たされているが、立場が立場だけに書類仕事も多い下院を気遣いかけないでいたのだ。
「下院様下院様!!お仕事忙しいんじゃにゃいの!?」
『ハハハ、そんなの気にするな。演劇やるんだってな?よし、その日休みとれるようにちょっと仕事にせいを入れるかね』
「……!!見に、来てくれるにゃ?」
ジュリアの問いに、間を置かずに下院は自信に満ちた声で答えた。
『ああ、最高のハンディカメラ持っていってやる!それじゃ仕事があるんでまたな、楽しみにしてるよジュリ』
別れの挨拶と共に切れた携帯電話を握りしめたまま、感極まって硬直するジュリア。
その後ろでマルコと神賀戸がヒソヒソと話をする。
「やっぱり下院さんて…」
「言うな、言ってやるな。無差別よりマシだろ」
ジュリアにはそんな会話も耳に届いてないのだろう、プルプル震えている。
「下院様が見に来てくれる…下院様が私のために来てくれる…!!
にゃ、にゃ、にゃ、にゃはーーーーーーーーー!!!!」
「ちょ」
「ジュリアちゃんやり過ぎるとお店から溢れうぼぁ」
「わ、わあぁぁ!?」
有頂天となったジュリアは加減なく威光を発し、アヴァロンから溢れるほど材料を創造し始めるのであった……。
◆
翌日、昼休み。
マルコは校庭横の資材置き場に美香を呼んだ。
「おお…おお~!!!!」
山のように積み上げられた材料を見上げて、感嘆の声をあげる美香。
「凄い凄い!!!!これが殆んどタダァ!?これなら今からでも劇を作ることができるじゃないかい!!
マルコが持ってきたシナリオ案も出来が良いし、こりゃあおもしろくなってきたぁぁあああ!!!!」
材料を前にサイヤ人よろしくやる気を噴出している美香を見て、眉間にてをおきため息をつく神賀戸。
「はぁ、まさか了承されるなんて」
「そう言いながら神賀戸君だって、頑張って運んでたよねぇ♪」
「んなっ、あの魔女に脅されたんだ!!!!
運ばないと日本に移籍させるって!!!!」
顔を赤くして神賀戸は怒鳴る。
しかしマルコはクスッと微笑むと、神賀戸に自動筆記を送った。
《でも、事件が終わっても此処に残ってるのは神賀戸君の意思なんだよね?》
「!!」
マルコの言葉に、神賀戸は目を見開いた。
「……」
《……どうしてそう思うんだい?》
《だって神賀戸くんも神賀戸くんで、ジュリアちゃんを心配してたもの。
世界中で頑張ってる組織だっていってたのにここに残ってるのも、私やジュリアちゃんのためだよね?》
《買い被りすぎだ、アフターケアも仕事の内だから半年ここで監視を続けるだけだよ。》
そう返事を送りながら、神賀戸は思っていた。
……なんて、鋭い と。
内心、神賀戸はかなりマルコの事を高く評価していた。
最初の内はよく知りもしないで関わるような危なっかしい魔法使いとだけ思っていたが、晶水マルコという少女は意外にも意思に芯の通った強い少女だった。
激しい戦いのなか、ジュリアを傷つけることなく助けることができたの神賀戸の作戦だけでなくマルコの尋常ならざる機転と判断力による結果だ。
特にマルコのそれは誰かの救済に関して尋常ならざる能力を発揮した。
薔薇十字としてだけでなく、魔術師としてだけでなく、人間として、神賀戸はマルコに興味を持ち始めていた。
そんな神賀戸の頭に、中身の入っていないビニール袋がぶつけられた。
「け、け、決闘だ神賀戸おおお!!!!マルコと見つめ会いすぎなんだよおまえ!!!!」
「それなら手袋をなげろおおおお!!!!」
「えーなになに?また決闘?じゃあ今度はドッヂボールだねい!!!!」
「あわわわわ大変なことに…!!あれ、ジュリアちゃん?」
慌てて辺りを見回すマルコだが、いつの間にかジュリアが居ない事に気がついた。
「そいえば、教室で寝てたっけ?呼んでこなきゃ…」
そういって、マルコはジュリアを呼びに教室へ走るのだった。
美香の号令で着々とドッヂボールの準備が整いつつあるグラウンドから避難するためでもあるのだが…
◆
「だ~う~、寝過ごしちゃったにゃあ」
眠そうにとぼとぼと教室から出たジュリアは、眠そうに目を擦っていた。
昨日張り切って夜中まで作業していたため、当然と言えば当然だろう。
どん と、誰かとぶつかった。
「にゃっ?ゴメンにゃさい…」
「あ、大丈夫なの。こっちこそごめんなさいの……!!あなたが、ジュリアちゃん?転校生の…」
目立つ髪の色で判断したのだろう、その容姿とテンションの高さからジュリアは美香に続く期待の新人として校内ではそれなりに有名人だったからだろう。
「にゃ?」
ジュリアが頭をあげると、優しそうな目をした赤毛赤瞳の少女が手を差し出していた。
その手を取ると、少女はみるみる顔を赤くしていき、言葉に詰まりながらも必死になにかを言おうとする。
「あっ、あのっ…あの!」
「な、にゃんでしょう?」
少女の思わぬ反応に思わずジュリアまで赤くなる。
「あの!私、エトナっていうの!ちょっと……付き合ってほしいの!!」
「ジュリアちゃ~ん大変なんだよグラウンドに…え゛!?」
・・・・・・・・・・・・!?
「あっ……ちが、そじゃ、なくて…!!」
マルコと目が合い、ジュリアと目が合い、ますます赤くなっていくエトナという少女は呆然とするジュリアの手を引っ張る。
「えっと、ジュリアは好きな人がいるから残念だけど……」
「ちがうのおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
絶叫するエトナはそのままジュリアを引っ張って全力で走り抜けていくのであった。
「…………ど、どうしよう」
とんでもない現場を目撃し、呆然とするマルコ。
その様子を、隣のクラスの窓枠に方肘ついて覗く人影が呆れたようにつぶやいた。
「なにをやっておるのじゃ…あやつは」
そして、呆然とするマルコの背後からも声がかけられる。
「晶水マルコさんやね?」
「ひゃっ!!?は、はい!?」
ビクッとして振り返ったマルコは、その少女を見て一瞬だけ息を呑んだ。
下ろせば足下まで届くであろう、白く長い髪。
ジュリアの銀髪とは似ているようで全く違う輝きを持ったそれを、銀の蜘蛛のアクセサリーでサイドテールに纏めたマルコよりも小さいめの少女が居た。
しかし、マルコは彼女が自分と同い年であることを知っている。
彼女もまた、青銅欄第三小学校の人気者の一人だからだ。
三年生にして四年五年をはねのけて卓越した手腕でマニフェストを実行し、残り二年もその座に居座るであろうと噂される驚異の生徒会長。
燕糸踊壺、その人だったからだ。
踊壺は不思議に輝く紫の瞳をマルコに向けて、口を開いた。
「ちょお頼みたいことがあるんよ、神賀戸レンさんもいっしょになぁ?
ちょお、付き合ってもらえます?」
マルコは少し考えて、答えた。
「…ワタシハダメデスケド、カガトクンナラギリギリツキアエルかと…」
「だ、大丈夫ですかいな?」
ぎぎぎと頭から煙を出しながら答えたマルコの反応に、踊壺は冷や汗を垂らした。
次回予告
第一生徒会長、燕糸踊壺。
第二生徒会長、ヘルシャ=ファルベロート。
二つに分かたれた生徒会の戦い。
しかしその戦いは、表の世界に留まる範囲のものではなかった。
現れたのは新たな火種、少女たちは再び魔法と剣を手に取った。
次回.新たなる敵(Two persons and three persons )