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壱話―③ under world

 同刻 暗い場所で・・・・・・

 

 はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・

 息が荒い。

 もう、何度鎌を振り回しただろうか・・・・・・。手に感覚がない。白い鎌が血で真っ赤に染まるほど、ボクは目の前にいる《ナニカ》に向かって攻撃をしていた。その《ナニカ》によって放出された赤い血がボクの体を赤く染めた。

 あはは・・・・・・笑える。

 《ナニカ》は凄く脆い。こんなに小さなボクにでも《ナニカ》は負ける。

 負け=死、は当然の方程式だ。ボクに戦いを挑むのがいけない、自業自得だ。だって、ボクは死神だ。人間じゃない。人間なんてただ脆くて理屈っぽいだけだ。何が考える葦だ。笑える。パスカルさんに失礼だが・・・・・・。

「くきゃきゃきゃっ」

 サタンみたいな笑い方。ボクは、この笑い方が大好きだ。血を全身に浴びた時は必ずこうして笑う。そして、魂を脆い肉体から解放する。

 双子の姉、有巣からその笑い方は止めろと何度か言われたことがある。有巣は、黒い髪を持った高貴なる死神だ。ボクとは違う、天と地の差だ。そんな、ボクにとっては神に近い存在の彼女に言われたくない。上に立つ者は上しか見ない。下なんて、特に、底辺なんて視界にすら入っていないはずだ。


 しかし、ボクはそんな高貴な黒い死神の有巣に頼まれた。

 一日、名前を貸してくれ、と。

 何でかは知らない。ただ、条件が、《ナニカ》を狩ってもいいという最高の条件だったから引き受けた。

 そして、今、ボクは楽しい。


「ちょっと、やりすぎでは・・・・・・」

 有巣のパートナーの≪人間≫がそんなボクの様子を見て言う。ほんと、黒の世界はおめでたい奴ばかりだ。黒いスーツでびしっと固めた格好がボクは嫌いだった。彼女、≪人間≫は狼人間だ。もともと、青の≪狼≫だったのを有巣が≪人間≫として抜擢したらしい。

「いいの、いいの。だって、条件だったしぃ」

 ですが、そう言いかけて彼女の表情が固まった。そして、


「黒崎様・・・・・・」

 と言いながら深く頭を下げた。黒く纏められた髪が薄明かりに反射する。

「有巣はどうした」

「今、殿の目の前にお出でなさいます」

「・・・・・・そうか」

 黒崎、それは有巣とボク、伊織の父。彼は、死神の王とも呼べる存在であり死神を束ねている。歳はすでに六〇を過ぎており、貫禄があった。そして、小さい緑色の目は暗い闇でも光を放っていた。それがまるで蛍の光のようで、ボクは笑えいてきた。小さい目だ。

「何か、おかしいか、有巣」

 どうも、父はボクのことを有巣と勘違いしているようだった。彼は、愛する娘をも見分けられなくなってきているらしい。

「死体の処理はきちんとしとくのだぞ」

 彼はそう言いながら重たそうな体をゆさゆさと揺らしながら出て行った。

 

 どうも、ただの視察だったみたいだった。


 はあ、と溜息が洩れる。

「本当に、よかったんですか」

 彼女、≪人間≫がおろおろしながらボクに尋ねてきた。

「いいんだよ、全く。それに、これは有巣の責任だ。ボクの責任だよ」

 そう言い捨てて、ボクは再び《ナニカ》の腸を鎌の先で中から取り出した。長いモノが、キモチワルイぐらい蠢いている。

「ホント、暇だね」

 そう言いながらボクは近くにあった椅子に座った。少し血で濡れていたが、まあ、問題ないだろう。


 ――薄明かりが彼女、を照らし出す。彼女、と表現するべきか、少女の名前は伊織という。少女の髪は血がこびりついて赤く染まっているものの、まだらに白が見えている。そう、少女は白髪の持ち主。血のような赤い目を鈍く光らせ、少女は≪人間≫を見た。


「よく、似てます」

「双子だからな」

「髪の色はあんなに違うのに・・・・・・」

 はあ、とボクは溜息をついた。しかし、≪人間≫はボクを差別する目では見なかった。さすが、姉が選んだパートナーだ。狼人間といえ、彼女は他の狼人間と違って優秀でおとなしい。それに、血に慣れている。


「しかし、有巣は何でまたこんなことしたんだ?」

「私にも分かりかねます」

「それに、オヤジはどうして区別がつかない?」

 それは・・・・・・と彼女は口ごもった。

「有巣は、ボクと見分けられないと踏んで入れ替わったんだな」

「まあ、黒崎様は御目が悪くて・・・・・・」

 あっ、という顔をするが遅い。なるほど、そういうことか。

「目が、見えない。そうだろ?」

「ええ、はい」

「いつからだ?」

「かなり前からです」

 ≪人間≫はボクから目線を外した。


「さあ、もう一回解体でもしてみるか」

 悪くなった空気を変えるため、ボクは持っていた腸を鎌で切り放つ。

「また、ですか」

「それしか、ここはやることがない。後は肥えることしかできない。オヤジを見れば分かる」

 そう言いながら、ボクは再び鎌を振り回し始めた。


 後には、ボクが振る鎌の音と血肉が潰れる音しかしなかった。


 そして、ボクは姉を思い出していた。

 

 口笛を吹く。

 目の前では、《ナニカ》が再びばらばらになった体をくっつけていた。ものすごくそれが気持ち悪くて、普通の人間は吐いてしまうだろう。しかし、ボクはそれがとても興味深かった。

なんだか、意味が分からなくなってきているような・・・・・・。

少しグロイシーンがありました、はい。

寝ぼけて書いたからか、あまりまとまっていない気がぁ・・・・・・。


 最後に、読んでくれた人、ありがとうございます。

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