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矢後一希は捕まった。

犯行後、たった5日でのスピード逮捕だ。

理由は簡単だった。

あまりのことにパニックにおちいった矢後はいくつもの遺留品をあの家に残して逃走していた。

これなら自分はこんなヤツだから早く見つけてみろよと言ってるのと同じだった。

取り調べの時に警察官に言われたのが歯科医院の診察券が残されていたので一発で犯人を特定できたそうだ。

聞かされた矢後としては「そうだったのか」としか言葉が出ない。

それで大田区蒲田のアパートに早朝から逮捕するために押しかけてきたんだ。


殺害された老夫婦はその家の住人であることに間違いなかった。

子供は小学2年生の男の子でこの老夫婦の孫であった。

夏休みに入ったので娘夫婦が遊びに来ていた。

両親は買いものに出かけていて男の子は家に残っていた。

たまたま3人は2階にいた。

そこへ矢後が侵入してきたわけだ。

買いものから帰ってきた娘夫婦がその惨状の第一発見者となった。

状況は酷いもので包丁による刺し傷がそれぞれに数十ヶ所もあったということだ。

刺し傷の跡から犯人はめったやたらに突き刺したものであることが判明した。

3人それぞれの傷跡があまりにもランダムだったからだ。

おそらくだが犯人は狂乱状態で包丁を使用していたものと思われた。


矢後一希は強盗致死傷罪で起訴された。

余罪として空き巣の件もあった。

だが主には3名を殺害した強盗殺人になった。

東京地方裁判所での裁判員裁判では死刑判決。

高等裁判所でも死刑。

最高裁判所まで争われたが死刑判決はくつがえることはなく刑が確定した。

刑が確定するまで6年ほどかかった。

異例の早さだった。


矢後の身柄は葛飾区小菅にある東京拘置所に移された。

死刑囚は拘置所で収監されることになる。

刑が確定して実行される場合は刑務所。

まだ「死刑」という刑が実行されてないので拘置所に留められることになる。


この日本では世間には知らされてない極秘の裏の世界がある。

表向きには何月何日に死刑を実施したとアナウンスがある。

実はそうではない場合もある。

生かされた死刑囚は様々な薬品や実験などに使われる「生きた材料」の一部として使用されることになる。

塀の中でのことなので外部には漏れないことになっている。

拘置所内で知っているのは数名だけだ。


その日の朝、朝食後に部屋を移動すると告げられた。

死刑囚なので独居房にいる。

別の部屋に移るものばかりだと思っていた。

刑務官に連れていかれた場所は駐車場。

どういうことなのかは矢後にはわかってなかった。

誰からもなんの説明もない。

強制的に車に乗せられた。

どこに行くとも告げられない。

まさかドライブってことはないだろう。



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