8-1 いきなりの婚約破棄
そして学園生活も終わり、
最後の卒業パーティの日。
やっと小説の世界が終わるのねと、
ほっとする。
小説では、リュミエール様がヒロインを選び、
悪役令嬢である私は断罪され、幽閉が言い渡される日。
しかし、リュミエール様は相変わらず私に優しいし、
闇の精霊と契約せず、ヒロインをいじめないと言う、
目標も達成した。
まあ、恋をしないと言う目標だけは、
破ってしまったけど・・・・
でもそれも、今では幸せになっているので、
いいと思う、そう、あの瞬間までは・・・
「なぜですか?」
私は今起こっている事が理解できず、
表面的には冷静に聞き返す。
「今言った通りだ、レイラ・フォン・エヴァンズ
との婚約を解消し、エテルニタを新たな婚約者とする」
あまりにも、小説と同じ場面が繰り広げられ、
頭がくらくらする。
エテルニタをいじめてもいないし、
闇の精霊と私が契約していないのは、
誰もが知る事なのに・・・・
壇上にいるリュミエール様と
エテルニタさんを見て、
そして、皇帝陛下とお父様を見る。
エテルニタさんは勝ちほこったように微笑み、
他の3人はポーカーフェイスで何を考えているか
分からない。
脇に控える重臣達は何とも言えない顔をしているが、
発言をする者はいなかった。
名君と称えられる皇帝陛下が、何もおっしゃらない所で、
この決定がリュミエール様の我がままではなく、
何か深い思惑があると察しられる、
また、私を溺愛しているお父様が黙っている
所からしても、この方が家や私にとって
都合がいいと言う事なのだろう。
なぜ、いきなり小説と同じ流れになったのか分からないが、
私は丁寧にカーテシーをする、
言う事は一つだ。
「確かに承りました、婚約破棄お受け致します」
はっきりそう告げた私に、リュミエール様が、
少し苦しそうな顔をしたのを、見逃さなかった。




