07,友情と、幸せと。
読んで下さり有難う御座います。
大きな事件が一段落ついた翌日。
犯人がわかったこともあってか、初日の敵同士のような雰囲気からは想像もできないくらいに互い互い打ち解けあっていた。
萌花と十香はあんなことがばれた翌日なのにけろりとしていて周りともう馴染んでいる。すごい切り替えだ。
,,,と言っても、私がそこまで友達がいないのに代わりは無かったが、あまり気にしないことにしている。
あまり詳しく見ていなかった中を回るか。
◆此処の形状はぐるっと一周するように通路や部屋があり、三階建てになっている。中心に中庭のような庭園があって、マモノが居るのはそこだ。
いつでも見えるから、気は抜ききれない。
私達がいつも目を覚ますのは二階で、広い空き地だ。
他の階や少し歩いた場所は何があるのかわからないから、遊んだり会議をしていた場所はいつも同じ此処だな。
そこから同じような空き地が続き、半周くらいしたところで部屋が2つあった。
1つがプールルーム、もう1つがシャワー&バスルームだ。夏に皆で来るものいいかもしれない。泳ぎは苦手だが、クロールくらいならできるぞ。
そこから先、二階はずっと空き地だったので次の階へ行くことにした。
次に来たのは一階で、こちらはフードコートだった。腹は減らないが、有り難い。
ためしにラーメンを頼んでみたらしっかり味がして、それであっておいしい。思いきって来てみたらよかったかもな。
食べ終わったあとは不思議と満腹感はなかった。
最後に三階で、なんとここにはそれぞれの部屋があった。
端から「NASDUKI」、「IROHA」、「AKIRA」
「MOEKA」,,,という風に全員分の部屋があり、鍵もしまる。中には好きな本があって、本当にありがたい。
最初は御免だと思ってたこの世界も案外悪くないかもな。
だが、一つ気になる点があった。
一周終わった最後の部屋,,,まぁ、つまり私の隣の部屋だ。
そこだけネームプレートが黒く塗りつぶされており、どことなく不吉感が漂っており、小走りで皆がいる場所へ戻った。
◆「えー!そんなことあったの!大発見だよ
なっちゃん!」
「そんなのあるならちょっと冒険してみればよかったです,,,」
皆にその事を話した結果、当然といったところか大興奮。質問攻めにあった,,,勘弁してくれ。
「ねー!せっかく帰ってきたし、大富豪しようよ!」
「,,,わかったわかった。参加する。」
正直とても面倒だったが、せっかく出来そうな友達だ。付き合って損はないだろう。
「すごぉーい!奈月ちゃん、つよいんだねぇ~。」
結果は私の圧勝。よし。
「対戦ありがとう。楽しかった。」
自分から発されたその言葉が、心からの言葉だと、発してから間をおいて気付く。
「今気づいたけど、奈月ちゃん、めっちゃいい人だね! 」
「え、そ、そうか,,,?」
「今さら気付いたんですか?」
褒めるのはやめてくれ。耐性が皆無だ,,,!
「友達なろー!」
え!?
「と、友達!?,,,ありがとう。私もなりたい。」
昔はそんなこと言われることもなかったからいらないと思っていたけれど、実際にできるとすごく嬉しいものだな。友達とは。
「私もお願い!」
「私もぉ~!」
「杏菜もなってあげないこともないけど。」
「私からもお願いします。」
しっかり息を吸って、ゆっくり吐き出した。
「ありがとう。よろしくたのむ。」
こうして、私には萌花、穂希、杏菜、栞菜、彩葉という友達ができた。
暖かい気分に浸っていると、視界が霞んできた。
今宵はこれで明けるようだ。
久々の投稿です,,,!
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<★次回予告★>
此処に集められた共通点のまさかのヒント!?