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怪我は痛い

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たしかこの辺りに見つけたような···

うーん、景色が同じでで分からない。目印を付けておけばよかったな〜

そういや前世ではトリュフは土のなかに埋まっているから犬が見つけていた。それに鑑定魔法で豚獣人が食べるって書いてあったけれど、前世でも豚はトリュフを食べてた。

大昔は豚にトリュフを探してもらっていたらしいけど、食べてしまうという理由から豚は禁止になったはず。


結局何が言いたいかというと、人間の嗅覚じゃ見つけられないよってこと。でも見つけるしかない。絶対にここにあるよね。

前世では高級キノコだったからほとんど食べたことがなかった。高級なレストランでパスタにパラパラと少量飾られてるくらいだった。あれだけじゃ匂いも味もイマイチ分からない。

『贅沢に食べてみたい!!!』

でもどうやって見つければいいの?

とりあず地面を折れてない手を使って表面だけ土を掘り起こしてみたけれど、うん無理だった。

しかも掘る振動で反対側の痛みが増す···やっぱり諦めるしかないかな?

と1人でグルグルと考えていると、側に獣人2人組が現れた。

「人間がこんなとこで何してんだ?」

「迷子ちゃん?」


シンジュは突然声をかけられて驚いた。

トリュフと怪我のせいで気配の把握が出来なかったが、

ひとまず危険かどうかを確認するために観察をした。


何の種族だろう?茶色?と黒がキレイにまだら模様になっている。2人ともに同じ模様をしていて顔もそっくりだった。


「おぉ迷子ちゃん大丈夫?」

「獣人見るのは初めてか?このあたりは獣人国だが、今はドワーフしかいないからな。」



見とれてしまったシンジュは慌てて気を取り直した。もしかしたら獣人は嗅覚が良いから見つけられるかも?

普段だったから警戒して初対面の相手に何かを頼むことは絶対にないが、痛みで判断が鈍っていたシンジュはトリュフ探しを手伝ってもらおうと思った。

「この黒い塊を探してるけど見つからなくて困ってるところだよ!」


「貸してみろ。これはフンか?」

「なにこれ、うざき獣人のフン!!!」 

謎の種族の2人はトリュフを『フン』だと勘違いし、必死に手をこすっていた。


そんな様子にシンジュは説明してから渡せばよかったと後悔したが、渡してしまったものは仕方がないと開き直った。

「フンじゃないよ。どこにその黒い塊があるか分かる?」


フンじゃない聞いた2人はシンジュを不審な目で見ながら、

「···手伝うメリットが俺等にはない。」

「うん。流石に可愛い女の子からでもフンはやだな。」と言うとまた手をこすり始めた。



うーん確かにお願いして何も対価がないのは失礼だよな〜暫く考えて1番多く在庫を抱えていた砂糖をあげようと考えた。

「砂糖と交換はどうですか?」


「は?砂糖?嘘つくのはやめろ。」

「そうだよ。そんな高級品なんてここじゃ手に入らないよ。」


「本当にあります。それが嫌なら小麦粉は?」


小麦粉の話をすると2人は小声で話し合うと、

「それならいいぞ。砂糖を確かめて無理なら小麦粉をくれ。」

「俺もそれに賛成!」

シンジュの提案に2人は乗った。

その後すぐに2人はトリュフを探しはじめて、ものの数分で20個ほどのトリュフが見つかった。

「これでいいか?」

「フンだね。」


シンジュは先程つまづいた原因となったトリュフよりも大きなトリュフを20個も見つけてもらいニヤニヤがとまらなかったが、貴族の面を被って冷静に答えた。

「はい問題ないです。砂糖はどのくらいほしいですか?」


「うーん拳くらいは欲しいな?」

「うんそれだけ貰えるなら文句ないよ。でも砂糖じゃなかったら怒るけどね。フフ」


砂糖ならたくさんあるから問題ない。それに他の甘味もあるし、キラービーとはちみつは物凄く美味しいし、ここで砂糖をあげても大丈夫。拳分だけなんて少ない気がするから、

砂糖の入ったボールを1つ取り出してそのまま渡した。ただ渡す時に骨折してる手も使ったため痛みが走った。「イッターーー」


「おぃどうした?大丈夫か?」

「フンのせい?」


「も、んだいないです。それより砂糖チェックして下さい。」

あまりの痛さに冷や汗が出てきたシンジュは、ここでの用事はもうないため早く帰るために2人に促した。


「あっま!!!」

「なにこれ!!!初めて食べる。」

と、喜んで舐め始めた。


「それならよかったです。今後その砂糖は売り出されるはず。ただ金額はわからないけど。あと向こうの谷には魔物がいるから気をつけて下さい。見つけてくれてありがとうございます」というとすぐに2人の前から去った。



やばい、痛みがすごくなってきた。腫れてる···

もう転移で一気に帰ってポーションをもらおう。

アアーーーそれよりも何でも屋さんに先に行かないと···


何でも屋さんに向かうと店が閉まっていたが、無理やり中に入った。すると奥から店主が出てくると「閉めて悪かった。周りに誰かいたか?」

「特にいないけど?何かあったの?」

「土地料を払えって言われた。それも金貨30枚請求されて断ったら殴られそうになってやり返したところだ。」


高い!!それは厳しいよね。やり返すって見た目に反してすごい。何でも屋は強いのかな?

「市場のおばさんはそれで逃げたよ!大丈夫?」

「俺は大丈夫だ。こう見えて冒険者でもあるからな。お前こそ帰りは大丈夫か?」

「問題ないよ。これお金ね。あとケーキ型も作って欲しい。これは1ヶ月くらいかけていいからよろしく!」


「あぁ分かった。また仕事をありがとう。おい待て金多すぎないか?!」

と後ろでなにか言っているけどそれよりも帰る。もうこれで完了をしたから自分の部屋へ転移と唱えて帰ると、痛みで手首が痛すぎてそのままベットに倒れ込んだ。

もう1秒たりとも動けない···マジで痛い。とベットの上でもがいていると、ドンドンドンと扉が叩く音が聞こえた。

声を出したくないくらい痛い。

無視してるとガァターンとドアを蹴り破られて誰かが入ってきた。

「おぃお前どこに言ってた???」とギルドマスターの叫ぶ声が聴こえるけど帰ってこれた安堵と痛みに寝不足でそのまま気絶するように眠るのだった。

次回は明日1月10日になります!

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