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弁当箱と街の異変

「シンジュ様おべんとう箱いいの?」


朝食後ゆっくりとシンジュとエメはハーブティーを飲んでいたが、『弁当箱』という言葉と聞いて頼んでいたのを思い出した。

「あぁぁ忘れてた。もう1週間?今日行こうか?」


「うん。いくよ。そろそろギルドマスター良くなる?ピニックいきたい。」


そうだった。この前お弁当持って公園でご飯を食べる話をしたらエメが行きたいと言っていたな〜

他にも忘れてることがありそう···まだ10代なのに。


「分かった。ギルドマスターが具合良くなったら行こうね?とりあえずお弁当箱を取りに行こうか?」


「もうげんきだよ。さっき聞いてきた!今日行こう!」


本当かな?行く気満々みたいだけれど、流石に今日は難しい。

「明日はどうかな?今日はこれからお弁当作る時間はないよ?」


「うぅぅぅーーーん、ぼくもてつだうからだめ?」と目に涙をためたエメが訴えてきた。


うぅぅその顔はずるいけど、流石に今から難しい。

「今日は難しいな。お弁当には今まで作ったことないものを持って行きたいから明日にしない?」


「新しい料理?それなら我慢する。」


ふぅーーよかった。折れてくれた。


その後すぐに転移で何でも屋さんに取りに行った。


「よく来たな!!出来たぞ?」と店を入ると大小様々な形の箱があった。どれも漏れることはなさそうだったが、葉っぱの形や魔物?の形のお弁当箱もあった。


「どうだ?いろんな形があると面白いだろう!」


確かに面白いけれど売れるのかな···きっと売れない理由はこういうところだよね。

とりあえずここにある分は私が買おう。「ここにある分は全て買います。あとクッキー型を今日中に作れませんか?」



「クッキーって菓子か?」


「はいそうです。型は······」と言って実際に星とハートに、竜と虎、エールジョッキと切れ端に書いて見せた。

これだけあればいいかな?ピクニックにするならばいつものクッキーよりも型があったほうが楽しいよね。

「これらの型で作って欲しいです。」


「お前さんの発想はすげぇな。これなら今日中にいいぞ。夕方でどうだ?」


「はい。大丈夫です。」


「んじゃそのくらいによろしくな。ただいまこのあたりは治安が悪いから気をつけて来いよ!騎士も冒険者もここ数日で全て腐ってる。」


腐ってる?良くわからないが、

「分かりました。ありがとうございます!」と言ってすぐに屋敷に戻った。


ギルドマスターや隊長が居なくなったことが原因かな?この前市場に行ったときは大丈夫だったけれど、報告したほうが良いかな?


「シンジュ様大丈夫?クッキー作るの?」


「クッキー作るよ!手伝ってもらえるかな?その前に次は市場に行こうか?明日の材料を買わないとね。」


「うん!わかった!たのしみだね。」


その後すぐに市場に顔を出した。


先ほどとは言われた意味が分かった。どのお店も値段が跳ね上がっている。


砂糖を買ったお店に顔を出してみると「嬢ちゃんじゃないか。この場所で若い女性が出歩くのは危険だよ!家へ隠れなさい。」と問答無用で家の中へ連れて行かれた。



シンジュとエメは困惑し、「どうしたの?」と店主に聞いてみると、  

「ここ数日で治安が悪くなったんだよ。王様は何をしているのか···急に土地料?っていうものが必要と言われてね、支払わないと出てかないといけないらしいよ。反抗したお店は返り討ちに合っていたよ。」


なんだそれ!!ふざけすぎでしょう···ここで商売やるなら金を払えってこと?ヤクザですか!!!


それよりも店主は大丈夫なのかな?

「おばさんはどうするの?」


「旦那が鉱山で仕事をしているから、そこへ向かおうかと思っているよ。私1人じゃ流石に男相手に叶わないならね。ハハ」力なく店主が答えた。



「どこの鉱山?もう避難する?」


「獣人国だよ。谷や山が連なっているところは分かるかい?あの場所だよ。今から避難するか、夜逃げるか迷ってるよ。そんな時にあんたらが来たから驚いたよ。」



「私が連れて行ってあげる。どうせこの市場では、ほしい品物が買えないし、獣人国でお店を見てみるのもいいかも。」



「ふぇ?はぁあんた何言ってんだい?」店主は驚きすぎて変な声が出た。


「私が連れて行く!今から準備できる?明日の朝でも良いよ。」


「なんだか分からないけど準備はできてるよ。店にも品物は出してないからね。あんたと同じでアイテムボックス持ちさ。」


おお!さすが商人さん。


「おっけー!お手洗いとか済ませて待っててよ。1度帰るね。」


と言ったシンジュはすぐに城に転移して「エメ君ちょっとおばさんを送り届けてくるからお家で竜化の練習をして待っててね。」と言った。


「ぼくもいくよ!」


「今回は待っててほしいな?転移がどの程度できるか分からないから我慢しててね!我慢できた子には明日美味しいご飯作るよ!」とエメの返事を待たずに転移した。


最初に何でも屋さんに夜になるかもしれない旨を伝えてから、おばさんのところへ向かった。


すると「うわぁぁぁぁぁーーー」とおばさんが叫び尻餅をついた。


あーーーいきなり転移で現れたらびっくりするか。おばさんごめん。

「ごめんごめん。これ言わないでね?」


「あんた、いきなりびっくりしたじゃないか。元々やばい子供だと思っていたけれどこんな魔法が使えるなんて笑えてくるよ。言わないよ。そのかわりあんたもあたしのアイテムボックス言わないでおくれよ?」


「もちろん!!それじゃ忘れ物ない?向かうよ。とりあえず谷に向かいますか?」


「あぁそれでお願いするわ。」


と言われて谷へ転移するのだった。

読んでくださりありがとうございます!


今年もよろしくお願い致します♡

いい年になりますように(*^^*)


次回は少し空いてしまい申し訳ありません。次回は1月5日予定です。


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