ギルドマスターからの説明
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それからすぐにギルドマスターがやってきた。
「悪かったな。それに昨日は帰れなくて申し訳ない。」と頭を下げた。
「大丈夫だよ。それよりご飯を作って持ってきたよ。食べてないでしょ?!昨日エメと手作りしたハンバーグが1番食べてほしかったけれど隊長に食べられた。」とアイテムボックスからクッキーやオニオンスープ、トロールのお肉を出した。
「うわぁうまそう。温かい料理とか最高だな。あとなんだ、隊長?ドワーフの大男が昨日来たのか?」
「昨日じゃないよ。今日来たよ。夜中に酔っ払って門を叩いて押し掛けてきた。」とシンジュは身振り手振りで伝えた。
「は?お前出たのか?危ないだろ。馬鹿か!!!」
「1回目叩かれた時は出なかったよ。危険だからね···でもさ、2回目門を叩かれた時は本当にうるさくて出たの。そしたら酔っ払った隊長が侵入してきて食べ尽くしちゃった。今は寝てるよ?」
朝から本当に大変だったな〜とシンジュは思った。
頭を抱えたギルドマスターは「あぁ分かった。でも次は絶対に出るな。本当に危険だぞ?貴族だったお前は知らないと思うが夜に外に出るのは身を守れる者だけだ。俺がいない時は対応しなくていいからな?ご飯はありがとう。」と言うとバクバクと食べ始めた。
何もやることがないのでギルドマスターの食べているところを眺めていると目の下の隈が酷い。この人いつか倒れると思う。働きすぎじゃない?社畜だよ。他の部下が仕事できないのかそれともギルドマスターの効率が悪いのか···まあ私には関係ないけどね。
横にいるエメを見るとギルドマスターの食事を食べたそうに眺めていた。朝食に私の5倍は食べていたけど足りないのかな?
「エメ君もクッキー食べる?」
「うん、食べる。」
クッキーを手渡すと嬉しそうに目が輝いている。
アイテムボックスにクッキーを入れておいてよかった。
身長も伸びていることだし、もう少しご飯を増やしてあげよう。
2人が食べ終わるの待っていると執務室の扉がドンドンドンと乱暴に叩かれて知らない人がやってきた。
「おい、先程の女を国に帰したのか?」と大声で怒鳴った謎の男性···シンジュとエメは見えていないようだ。
「帰したぞ。いらないだろ?俺達はお守りが仕事じゃねぇし、冒険者にこびを売る女なんていらないだろ?トラブルの種だろ。」
「勝手なことをするな。援助が止まるだろう。」
「あ?援助されても俺達には何の恩恵もないだろ?お前が面倒を見ればいいだろ。まっ俺は見た目が良くても臭い女は無理だ。アハハ」
「うるさいっ。お前のような冒険者をギルドマスターにしてやったのに口答えをするな。お前は俺達に従ってれば良いんだ。」
「は?俺はもともとなりたくねぇ。ならやめるわ。お前がやれよ。ッフできないと思うけどな。」
「クッソお前なんてクビだ。ここから出てけ。」
「はーい。分かりました。んじゃ頑張れよ。俺からギルドの協会には連絡しといてやるよ。あと国王にも言わないとな。2人とも帰るぞ?」
だれ?この人?犬?わからないや。とりあえずツッコみたいことが多々あったがとりあえず帰ろうとシンジュとエメは椅子から立ち上がった。
「おま、何で子供をこんなところに連れて来てる?ここは遊び場じゃないぞ。」
謎の男がやっとシンジュ達に気づいたようで騒ぎ始めた。
あぁー誰かさんと同じことを言ってる。さっきの女の人の関係者かな?チラッとギルドマスターを見たけれど普通の顔をしていたのでシンジュは黙ってギルドマスターの後ろに控えた。
「俺の客人だからさ。」というとシンジュとエメの手を取ったギルドマスターは執務室から退出した。
「お前ふざけてんのか?!」と後ろで怒鳴っている声が聞こえるがそれを無視しギルドマスターが冒険者ギルド内をズンズンと進んでいく。
すると突然ギルドの真ん中で止まると「お前ら俺は冒険者ギルドマスターをクビになったから普通の冒険者に戻った。ギルドマスターはライスがやるそうだ。それじゃあな」と宣言するとまたズンズンと歩きシンジュとエメは引きずられるようにギルドを後にした。
何となくこの状況はあまりいい状態ではないと思ったため、仕方なくギルドマスターの前で転移魔法を使うことにした。
「家に帰ろう?」
「あぁそうだな。あの家は買い取るから安心しろ。」
別にあの場所の買い取りはどうでもいいけど、それよりギルドマスターの疲れたか顔が心配。
「ありがとう。じゃあ私の転移魔法で帰るよ。」
「は?転移使えるのか?」
「うん」と言った途端転移魔法を使って家に帰ってきた。
「お前規格外かよ?」と言われたが無視して、とりあえず家の中に入ってギルドマスターを休ませようとしたところ、隊長がギルドマスターの部屋で寝ていた···
「え???何でここで寝てるの?朝はキッチンにいたのに···」
「あぁこいつ酒癖わりぃから仕方ねえよ。俺もまだ眠くないから少し今回の経緯を説明させてくれないか?」
ギルドマスターを休ませたかったが渋々頷くとキッチンに移動し、まだ余っていたクッキーをテーブルに出した。お茶を飲みながら俺はさギルドマスターになりたくなかったが······と話し始めた。
さっきのやつを覚えてるか?あれは獣人国に領地を持っている野心家だ。使えるものは何でも使う男だ、あいつとは同級生だった。俺が住んでる領地は貧乏だったから冒険者をやるしかなかったのだが、俺は才能があったみたいでSまで上がった。それに目をつけたあいつがこの国のギルドマスターになるのなら虎族の援助をすると言ったから俺は何も考えもせずに了承した。まあ本当は上位冒険者の若手だったから皆に押し付けられたのもあるがな···。実際は全く援助をされず、あいつのやりたい放題。ドワーフ共和国で我が物顔で悪いことをやりまくり、もちろん自国でもやる。それの尻拭いを俺がしていた。ただ俺はもともとこの辺りをメインに活動していたからドワーフ共和国の王族たちからは信頼されていてな。あいつのことも報告済みだ。だからどっちにしろあの犬男はドワーフ共和国から追い出されるはずだ。
とギルドマスターが説明したが、シンジュは
良く分からなかった。とりあえず騙されたギルドマスターが散々な目にあったってことだよね。長すぎて分からない。
「お疲れさまでした。」
「あぁ休暇が出来て嬉しいよ。それに冒険者に戻れるならそれでいいさ。」
「自分が納得してるなら良いと思うよ。私達そろそろお金が少なくなってきたから魔物狩りに行きたい。教えてくれる?」
「もちろんだ。一緒に狩りに行こう。俺は厳しいからな。」
いつも通りに戻ってよかった。ただ早く寝させてあげたい。
「今度よろしくね。それよりも今日は寝て欲しい。エメの部屋で寝たら?私とエメは一緒に寝るよ。」
「わりぃな。客室もこれから準備しないとな。」と言ったギルドマスターは気が抜けたのかフラフラしながら2階に上がって行った。
エメとシンジュは「疲れた」と声を揃えるように呟いた。
「今日はゆっくりしたいね?」
「うん。ぼくもゆっくりすごしたい。」
と2人は思っていが隊長の父親のことを忘れていた···
門がガンガンガンと叩かれたかと思うと「今日から工事に入るからな」と言って地下の掘削が始まるのだった。
今年はありがとうございました!♡
沢山の方に読んでいただけて嬉しかったです。
明日は何十年ぶりかの年末に雨予報ですね!!
来年もよろしくお願い致します(*^^*)
次回は1月1日になります!