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閉話 フェルとライオスは何してるの?

閉話をいれます!

フェルとライオスが毒を見つけた時の話です。


今日中にもう1つ本編を投稿します!

違法鉱山に向かったフェルやライオスが毒を発見した時の話




「腹減った、喉乾いた、帰りてぇーあーだるりぃー、腹減った、喉乾いた、帰りてぇ······」とライオスは何度も同じ言葉を繰り返し言いながら歩いていた。



そんなライオスの様子に「うるさいっ。少しは黙ってください。私だって帰りたいですよ。」と珍しくフェルが声を荒げた。

ライオスと同様フェルも早く帰りたかった。今までずっと1人で冒険者として活動していたが、ここずっとシンジュ達と一緒に過ごしていたことで、自分にとってどれだけシンジュ達が大切だかを思い知った。

ライオスのことは嫌いじゃない、むしろ好きだが2人だけで過したここ数日間が物凄く苦痛だった。


「わりぃ。言っても帰れないことくらい分かってんだけどさぁ、この状況には嫌になんだろ。」


フェルもこの状況に嫌気を指していた。シンジュ達に会えないのは仕方がないが、あまりにも進むペースが遅いドワーフ達···酒を飲み始まると明け方までどんちゃん騒ぎを起こすため、なかなか前に進まない。流石にしびれを切らし護衛対象のドワーフ達へ『違法鉱山の下見に行く』と言い、ライオスと2人だけで先に進むことにした。


どんどん奥に向かって進んでいくと、鉱山に近づくにつれて悪臭が漂ってきた。息をするのも大変だった。

フェルがすぐさま鑑定魔法をかけると鉱山まで1日かかる距離の場所ですら土壌に毒が混じっていることが分かった。

近付きたくなかったが限界ギリギリの場所まで歩くと辺り一帯花や木々が枯れ果て、川の水は紫と濁っており周辺に生き物の気配が全くなかった。

毒が先程の土壌よりも50倍ほど高かった。


そのため毒スキルを持っていないフェルやライオスは違法な鉱山に近づくことが出来なかった。

ただ目視で確認すると鉱山が稼働しているようで動いている人が見えた。



「もう少し観察したら戻りましょう。この毒は有害すぎて私でも解毒するのが難しいかもしれません。」


「は?ハイエルフが無理なら誰も無理じゃねぇか?解毒ポーションは持ってきたか?」


「一応ありますよ。でも1つしかないので気をつけたほうが良いですね。」


「あぁ俺も気をつけてねぇとな。ここにいると目が痛い。俺の目って今どうなってる?赤くなってねぇか?」と目を見開き、フェルに見せた。


フェルは声に出さなかったがライオスの目が物凄く充血していることに驚いた。

「赤いですね。充血してるようですよ?毒かもしれません。もう戻りましょう。」と流石に危険と判断し、2人で急ぎ安全地帯まで戻った。ライオスは急ぎ解毒ポーションを飲み、フェルはライオスのために目を回復魔法をかけた。

すると目の状態は良くなかったが、走っている最中に土が舞い上がって尻尾にかかったようで尻尾の先端の毛が抜け落ちていた。


ライオスも自分の異変に気が付き、

「いってぇーーー!!目ばかり心配をしてたら、まさか尻尾が···見てなかった。これって火傷か?どうすりゃ良いんだよ。」と普段は絶対に弱音を吐かないライオスが尻尾を抑えながら弱音を吐いた。


フェルはもう1度鑑定魔法をかけると、獣人にとってものすごく危険な毒だと分かった。もしこれが今後悪用されたら獣人が絶滅する恐れがあった。


 

フェルはライオスの火傷が少しずつ広がる様子を見て、直ぐさま魔族のジャマルに連絡すると5分もかからず転移魔法でやってきた。 

その間にライオスの尻尾は手のひらサイズにまで毒が広がっていた。


「なになにどうしたの?急いできたけどぉ?これは僕じゃ無理。ちょっとまってて」と言うと直ぐに誰かを連れてきた。


「俺さ今忙しいって言ったすよね?俺の許可なしに転移するとかやめてほしいっす。ハァーだりぃっす。」

「緊急事態だったんだよ。ねえーライオスを見てよ!」

「ん?ライオスさん?え?フェルさんも?ここどこっすか??」

「後でそれは言うからライオスが毒でやられてるっぽいよ。」

「分かりましたよ。見れば良いんすね?!」どれどれと言うとライオスの毒らしきところを確認すると、「は?」と驚いた声を出して直ぐに毒を吸い取った。


すると毛は生えてこないが進行がストップしたのだった。


「この毒やばいっすね。初めての毒で身体が痙攣してるっす。ふぅーーー美味かった。」と言うと満足そうに腹を叩いた。


「もうこれでライオスの毒は大丈夫?」


「大丈夫っすよ。でも念の為にあまり激しく動かないでほしいっす。もし俺が吸いもれしてたら毒が回るっす。あとは···」舌をペロペロと動かしたら毒の味を確かめていると「この毒は色んな種類の毒が組み合わさったみたいっす。自分じゃ作れないっす···解毒薬は今すぐ作るのは無理っす。」と今度はブツブツと呟き出した。



「ドッキーありがとうございます。貴方のお陰で、ライオスの大切な尻尾を失わずにすみました。」

「俺からも礼を言わせてくれ。本当にありがとう。まじで激痛で死ぬと思った。」



「へ?あ、いえいえっす。間に合ってよかったす。今日もフェスさん、ライオスさんも素敵すっす。そういやこの毒ってどこで手に入るっす?毒マニアとして俺よりすごい毒を作るやつなんて許せないっす。」

ドッキーと言われる者は、毒スキル持ちで毒が3度の飯より大好きな男だった。

毒スキル発覚前から手当たり次第毒を口にして何度も危険な目にあっていた。そんな者が毒スキル持ちになった途端、案の定見境なく毒に手を出し、何度か事件を起こしたため魔王が首輪をつけた。今は魔王お抱えの専属毒師として毒の研究を行っていた。


「これは違法鉱山近くにある毒ですよ。私達はドワーフ共和国からの依頼でここに来たのですが、これでは毒スキル持ちしか近づけませんね。ジャマル!この状況をドワーフ共和国の王様に伝えてくれませんか?あと後方隊にも伝えてほしいです。」


「分かったよ。でも本当にライオスは死ななくてよかったね。せめてもう少し生きてもらわないとつまらない。」

獣人は人間よりも寿命は長いが魔族やハイエルフよりは短いためせめて寿命は生きてほしいと思った。

仲良くなった者を何度も見送るのは面倒くさいし、辛い。


「確かにそうですね。せめて獣人の寿命は真っ当してもらわないとですね。」


「うるせぇーーー俺もこんなはずじゃなかったよ。」

と3人でふざけ合っている間にドッキーと言われる毒のスキルを持った者は近場にある物を手あたりに次第毒があるのか調べていくと、今いる土壌ですら毒があることが分かった。

その後毒スキル持ちの者が急遽招集されドッキー含む数名が違法鉱山へ向かった。

毒対策が難しいフェルやライオスは急ぎドワーフ達が待機している場所へ向かった。

ただ急ぎ戻ったが結局ドワーフ達の護衛をすることになり、なかなかシンジュ達の元へ戻れないのだった。

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