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スキルを少しかじる

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結局午後の時間を全て砂糖に費やしたシンジュとエメはクッキーを作ることなく夕食を適当に作って食べると早めに寝たのだった。


次の日、今日こそは絶対にスキルを使いたいシンジュは朝食の席で「今日はスキルを試したいからエメ君の竜化の練習をお願いしていいの?」と聞いた。


「もちろん約束した通り大丈夫だが、隊長がお前に会いに来ると言っていたぞ?」


忘れてた···昨日砂糖を食べて庭をぐちゃぐちゃにした隊長さんに直すように指示を出してから放置してた···ちゃんと帰れたのかな?


「顔色悪そうだが大丈夫か?隊長は完璧に直してから帰ったから安心しろ。」


あぁよかった。隊長のことだから庭で寝泊まりしてるのかと思った···

「それな良かった。もう来るかな?」


「昨日は夜勤だと聞いたぞ。きっと仕事が終わったらそのまま来るんじゃないか?」


え?徹夜で来るの?ドワーフってそんなに頑丈なのかな?



「シンジュ様 ぼ、くのこと見捨てるの?」と突然エメが震える声でシンジュに質問をした。


うん?意味がわからない。ギルドマスターの会話でそんな話はしてないよ。「どういうこと?」とシンジュは困惑した。


「だって、ぼくのことをギルドマスターにお願いしてるから···」


あぁエメのことをお願いするって言ったことが嫌だったのかな?私じゃ教えられないから理由を説明しよう。

理由も説明せずに人任せにされたらそりゃあ不安になるよね。

「それはね、私は人間だから竜化の仕組みが分からなくて、ギルドマスターは虎でしょ?人化出来るから教えもらおうも思っただけだよ。」


「それでもゃだ。」と駄々をこねた。


こんなにイヤイヤと言うエメが珍しく目を開いてシンジュは驚いた。それだけ心配なのかな?私の愛情が足りないのかな?と心配になった。どうすれば解消されるかな?

「じゃあギルドマスターとエメ君が練習してる姿を見れば安心かな?」と提案してみることにした。


「シンジュ様のスキルもみる。」

うーん、まだ自分で確認していないから不安なんだよな。

だから1人で確認しようと思ったけれど、昨日のギルドマスターのように無言の圧が怖い。これだけ懇願されるなら一緒に確認してもいいかな?

ギルドマスターにエメを守ってもらいながら見るか···

「分かったよ。じゃあ一緒に確認しようね?」


そうと決まればギルドマスターにお願いしなきゃ。

「ギルドマスターはエメを守ってもらえませんか?スキルを確認する時に何が起きるか正直わからないのでお願いします。」


「あぁ分かったぞ。」


その後3人は急いでご飯を食べて隊長が来る前にスキルを確認することになった。


リビングに集まると「スキルを試してみるので少し離れてて。」とお願いしたシンジュは目を閉じて自分で働いていたサロンを思い浮かべた。


まさか自分のスキルが前世の影響を受けるなんてな〜どんな風にスキルとして使えるか分からないけれど早速心のなかで『エステサロン召喚』と唱えてみた。

目をゆっくり開けてまわりを見てみると何も変わった様子はない?身体にはも特に変化なし。やっぱり使えないのかな?

祖国の人間が言っていたようにゴミスキルかも···としょんぼりと落ち込んでいると、

ふと目線を上げた時にエメとギルドマスターの顔が視界に入った。


なんだろう?唖然としてる?


「2人ともどうしたの?」


目線の先を追って見ると後ろにガラス張りの扉が見えた。

「は???」まさか後ろにサロンの入口ができるなんて···これじゃ分からないよ。

しかも扉があるだけ?誰しもが子どもの時に1度は見るアニメに出てくるピンクの扉のように、扉がぽつんと現れた。

ちゃんと左右後方すべての方向から確認するも、透明な扉が立っているだけでその他には何もなかった。


「成功したのかな」とボソボソ呟きながら扉の検証をしていると、やっとそれに反応したギルドマスターが動き出した。

「おま、これなんだ??何のスキル持ちだー?」

「うん、特殊なスキルだとおもう。」

「まさか、魔界を召喚したのか?この扉の先はどこだ?」

と冷や汗をかきながらギルドマスターが叫んだ。


魔界?どういうこと?そんなことしないよね?

「そんなことないですよ。ちょっと扉の向こうに行ってきます。エメをよろしくお願いします。」


「はははやまるな。お前死ぬ気か?こんな扉の構造は見たことないし、死ぬぞ!!!やめておけ。」


「いやいや、大丈夫ですから。手を離してください。」


「ダメだ。俺が許せない。小僧が1人になるぞ。」


「ちょっと待って。エメ君を1人にしないから。室内の様子を見たらすぐに戻ってきますよ。」


「何言ってんだ?あんな危ない扉を開けたらすぐに槍が降ってくるに決まってる。俺は冒険者時代、ダンジョンの扉を開けたら床が穴が開いていたため落ちたことがある。それから危機感を持って行動をしてる。お前は人間だからだめだ。」


まあエステサロンの扉がダンジョンだと思われても仕方ないよね。初めて見る扉だろうし、そもそもこの世界に透明のガラスもない、それに加え全面ガラス張りの扉なんて見たことないはず。王族すら手にするのは無理だろうな。



「シンジュ様 だめだよ。ぼ、くうわぁぁぁぁぁん」


今度はエメが騒ぎ出した。

ちょっと待って、え?ダンジョンじゃない。

「エメ君泣かないでよ。これは大丈夫だよ。」


「ゃだだだだ。いかないで!!!!!」


余計なことを言ったギルドマスターのせいで、あぁスキルが試せない。

それに2人から掴まれている腕が物凄く痛い···いつになったら試せるのだろうか。

読んでくださりありがとうございます!

次回は明日12月17日です!

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