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帰ってきたギルドマスター

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その夜ギルドマスターは何もなかったかのように帰ってきた。


「逃げたギルドマスターお帰りなさい。」



まさかまだ子供が起きていると思っていなかったギルドマスターはしどろもどろになりながら「あ、う、ん逃げたんじゃねぇ。仕事が忙しかっただけだ。」と答えた。



いや、明らかに目が泳いでるじゃん···しかも昨日エメに粗相された太ももを必死で擦ってるよ?気づいているのかな?

嘘付いてるってバレバレだけどギルドマスターとして大丈夫なのかな?

「ふぅーーーん。それなら仕方ないけれど···エメ君の竜化の手伝いをしてほしい。鑑定で見ると親が教えるみたいだけど私しかいないから教えることが出来ない。」


「あ?そ、そんな時間は取れないな。今忙しいからな。」


うん、また目が泳いでる···私に育児をほぼすべて任せたギルドマスターには制裁が必要だね。

「へぇ〜、じゃあギルドマスターが痔って皆にバラしちゃおうかな?!」


「は?何で知ってんだよ!卑怯だぞ。」とギルドマスターは青ざめた。


シンジュは頻繁にギルドマスターを鑑定していた。

念の為に鑑定していただけであって決して弱みを握るためではない。

たまたま最近見た時にたまたま健康欄を見て『痔に悩んでる』ってことをたまたま知った···


「じゃあ素直にハイと返事をしてください。あぁ座ると痛いな〜あぁ椅子に座れないギルドマスター可哀想だな〜わははは。」


「クッソ、お前悪魔だな。本当に最悪だ···やるよ。やってるやる。小僧が今度漏らしても我慢してやる。」と投げやりで答えた。


少し酷いことを言ったけれど私じゃエメに教えられないし、今度ドーナツ型の座布団をプレゼントしてあげよう。

「ありがとう。それと私もスキルの確認したいからいつ休み取れます?」

「お前ってまだスキルを試してなかったのか?今使っていいぞ?」

「誰もいないところで1度試したい。」

「じゃあ明日休みにするよ。どうせまだ暇だしな。そういやフェルとライオスは1ヶ月もせずに帰って来ることが決まったぞ。」


なんでなんだろう??

「お前らの件もあるが他の上位冒険者が行くことになった。鉱山の場所を目視で確認し者によると辺り一帯に毒が広がってるのが分かった。かなり汚染されてるみたいでな、、、毒に強いやつが行くことになった。」


辺り一帯って···どのくらい違法な採掘をし続けたら汚染されるのかな?少なくともリボンさん?の年齢を考えると100年以上は経っているよね···それだけ長い年月見つからないってすごいな。責任者が隠密が得意なのかな?気になる。

「毒?ドワーフ達は大丈夫なの?」



「いや無理だな。その場所は汚染が回復するまで手を入れることが出来ねぇ。ただそんな汚染された中で今も働いてる者がいるみたいだぞ。ドワーフ達は救出するか見捨てるか悩んでいるらしい。」


そんな危険なところで働かされてるのは奴隷かな?

もう少しマシになればいいのに。



「そういや小僧は寝たのか?」


「寝たよ。今日は竜化の練習をしたから疲れたのかもしれない。あ!そういやリビングを一部壊した···ごめん。あと凄腕のドワーフを紹介してほしい。」


「あ?壊した?まあギルド持ちだから問題ねぇぞ。凄腕なら2人知ってるが1人は無理だな。あのハーフドワーフの父親だ。今荒れに荒れて薬を買い漁ってるらしい。」


たしかにあれは嫌だ···リボンさんは私じゃ助けられないもん〜気まずくて会いたくない。


「あとはデカいドワーフの隊長の父親だな。あれは凄腕だぞ。ただ気難しい···何度か冒険者時代に武器を作ってもらったが依頼通りに作ってもらったことはねぇな。ただ腕は凄いから作られた武器は全て俺の手に馴染んだな。」



それなら隊長に聞いてみようかな? 「分かった。後で隊長に伝令送ってくれる?」


「あぁいいぞ。送っておく。それよりこれ食って良いのか?!」


あ!忘れてた。ご飯を食べていいよって言いに来たはずが···話があっちこっちに飛んでしまった。

「ごめんごめん。それ夕食だよ。出かけていないから今あるもので作ったよ。ハッシュドポテトとフルーツミルクと、トメートに砂糖をかけただけ。ハッシュドポテトはチーズ入りとプレーンどちらもどうぞ?」


食べ始めようとしたギルドマスターだったが静止しし、しばらく考えてから口を開いた。

「お・ま・え!!!これ砂糖か?」


「うん。砂糖だよ。嫌いだった?」


「こんなに近くで砂糖を初めて見たぞ。この量で金貨いくらだ?」

「は?それは祖国から逃げ出す時に取ってきたからお金かかってないよ。それにひとつまみ分だからそんなに高くないよ。」

「お前は馬鹿か?さすが元貴族だよ。この量で金貨5枚はするぞ。まだ持ってるのか?!」

「あるけど少し舐めてみる?」とシンジュは砂糖をスプーン1杯分出した。なんたって砂糖はまだ2樽分あるから問題なかった。

「うわっすげぇな。」

「ギルドマスターなら食べられるでしょ?」

「食べられなくもねぇが砂糖を買ってる男って恥ずかしくねぇか?だから中々菓子店にも入れないから差し入れで貰ったものを食べるしかなかった。」

「それは大変だね。でもその砂糖は美味しくないよ?」

「なんでだ?」

「たぶん砂糖にする過程が下手くそだから苦みあるのかも。」


そう。小麦同様砂糖の精製も甘いため苦みが残る。

そもそもこの砂糖の原材料が甜菜だった。作る過程で不純物やアクを全く取り除いていないため苦いのではないか?と思った。

自分で甜菜を煮詰めて作りたい···

前世では甜菜は薬品が大量に使われてるとか、遺伝子組換えが悪いとか言われてたけれど、よくよく調べてみるとちゃんと規制されてたから国産のは大丈夫だったな〜

健康とか気になり始めるとキリが無いよね···

この世界の甜菜は害虫とかどうなんだろう?甘いから虫が寄ってくるせいで薬品とか使われてるのかな?

そんな事を考えてたらいつの間にかギルドマスターは砂糖を舐めてた。


じっくり味わうように目を閉じながら食べているようだった。


「すごく上手い。確かに苦みがあるがはちみつと違った甘さだな。」

「はちみつもキラービーのはちみつなら美味しいと思うよ?!今度キラービーの住処に行きたい!あと魔物の下処理の仕方を教えてほしい。」

「別にいいぞ。砂糖まだあるか?」

「食べすぎると太るからやめたほうがいいよ。また明日あげるね?今日は寝る。」と伝えてシンジュは自分の部屋に戻って行った。


その後ギルドマスターはトメートについてる砂糖を大事に大事に舐めてからご飯を食べ始めたのだった。


読んでくださりありがとうございます!

次回は明日12月11日なります!

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