ふぅーーー戻った
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1日経つとエメは元通りの8歳児に戻った。
「やっと戻ったね。」ハハハ本当に昨日は大変だった···
噛まれてヨダレをかけられてつねられて···ハハハ
「シンジュ様···ごめんね」
「大丈夫だよ。それより身体は痛いところない?」
ちなみに私は身体が痛いよ。思いっきり噛まれて歯型が付いてる···しかも竜の歯型って人間と違うみたいで細かい歯がいっぱいあるのかな?すごいあざ···キスマークを通り越して虐待されたみたい。
ハハハと心中で何度も乾いた笑みを浮かべていた。
「うん。へいきだよ?きのう食べたごはんなに?あれおぃちかった。」
「パン粥かな?何をあげて良いのか分からなかったからパンをミルクでふやかしてジャムをかけてあげたよ。」
「ありぇ食べたい。あとギルドマスターにあやまる」
昨日赤ちゃんになったエメは着れる洋服がなかったため裸で過ごしていたのだが、ギルドマスターの膝の上で粗相をした。それも赤ちゃんの便だったためユルユルで大変だった···人間と違って獣臭もあり部屋の換気や子供服の準備に、子供にとって危険な物を取り除いたりとシンジュとギルドマスターは1日本当に大変だった。
それに食欲は8歳児の時と同じだったため離乳食の量がとんでもないことになった。
はじめはギルドマスターがパンを購入してきてくれたのが鑑定魔法の結果食べれないことが分かった。
そのためシンジュがパンケーキを作りそれをミルクで柔らかくしてあげたのだ。顔ほどあるパンケーキを10枚ほど···
本当に大変だったが今日は朝起きるといつも通り戻っており、シンジュは安心していた。
ギルドマスターは昨日の経験から朝早く起きてすぐに冒険者ギルドに逃げた···
「今日はまずご飯を食べたら身体を調べようか?」
「うんする。」とニヤニヤしながらエメは答えた。
エメは昨日赤ちゃんになったときのことを全て覚えていた。
赤ちゃんになったとき何だかわからないが急に泣いたり、怒ったりした。何でだろう?心ではわかってるのに態度は心と違う動きをして怖かった。だけど赤ちゃんになるとシンジュが1日中構ってくれるのが嬉しかった。
また赤ちゃんに戻れるなら戻りたいと思っていた。
ちなみに噛んだことも覚えているが、エメは甘噛程度だと思っていた。
実際にはシンジュの柔らかい肌にエメの歯が突き刺さっていた。ハンコ注射ような大きさの跡が歯の並びに沿ってしっかり残っていた。
ギルドマスターが持っていた止血剤で血が止まったがポーションや回復魔法は使っていないためただ血を止めたに過ぎない。
普通の貴族令嬢ならショック死するレベルであった。
そんな事は知らないエメは今後自由自在に赤ちゃんになるために密かに訓練をするのだった。
その後2人でパン粥を準備し、ぱぱっと食事を食べた。エメの食べる量は2倍に増えた···パンケーキ20枚分。1枚1枚フライパンで焼くのは正直大変だった。
「エメ君 今度ドワーフに依頼してホットプレート作ってもらおうか?」
「それなーに??」
「パンケーキをいっぱい焼ける鍋だよ。それがあると色んな料理が作れるよ?」
「ほちぃ!!!いついく?」
「エメ君の様子を見てからかな?また突然竜になったら大変でしょう?」とシンジュが言うとパンケーキ大好きなエメは、うんと元気よく返事をした。
食べ終わり少し休憩後、一番広いリビングでエメの竜化を調べた。
まず鑑定魔法で確認すると、
名前 エメ(エメラルドから名前を取った)
種族 竜人族
家族 なし
年齢 8歳
身長 148cm(+5cm)
体調 良好、成長痛
ギルドランク なし
魔力量 25(+5)
体力 55
スキル 不明
備考欄 伝説の虹色竜に変化、全ての魔法はもちろんだが変化が1番得意。なりたい姿に変身することができ竜の姿で過ごす必要はない。また危機が迫ると仲間を連れて異世界へ渡ることが可能。
と書いてありこの前鑑定した時のままだった。
そのため竜人族について鑑定魔法を使ってみると、、、
種族 竜人族
出産 卵から産まれる。生まれる時は竜の姿で生まれるが例外もある。
性格 仲間思い、おおらか 敵には容赦しない
人化 竜の姿で生まれた子供達は10歳前後までに人化できるようになる。人化のやり方は家族が教える。ただし逆の場合はいつ竜化出来るようになるか不明。一生竜になれない者もいるがその様な者は回復魔法に特化している。
備考 長寿のため子供が生まれにくく竜人族皆で子供を大切にする種族だが、基本的には番第1主義であるため子供よりも妻や夫を優先し、子供が行方不明になること多々ある。
と言うことが分かった。結局エメの場合は竜ではなくて人化したような姿で生まれてきたのかな?それにいつ竜化するか分からないって書いてあるけど、これはもう竜化できるでいいのかな?
「エメ君、今竜になることはできる?」と確認してみることにした。
「やってみりゅ!」と返事をしたエメはすぐに
「竜にな〜れ!!!!!」と大声で叫んだ。
すると竜化することができたが小型のトカゲの大きさの竜になってしまった。
シンジュはそれを見て子供だからトカゲの大きさ?それともエメの力なのか全く分からなかった。
昨日の竜の大きさと違ったため戸惑った。
エメ本人もあまりの小ささに驚いているようで「ぎゅお?」と謎の声を出して小さな体を一所懸命揺さぶって大きくなろうとしていた。
しかし無理だったようで「ギュゥゥゥ」と切ない声を上げてシンジュを見た。
いやいや私も見てもどうすることも出来ないよ?とシンジュは思ったが「もとに戻れるかな?」と聞いてみると、
また「ガゥガゥガァーーーーーー」とエメが大声で叫ぶと、今度は手を除いて元の8歳児に戻った。
その後何度か繰り返したが大きくなる時もあれば、小さくなる時もあった。それに元の人間に戻る時はどこかしら竜のままで戻るようだった。
そもそも竜化の原理が分からないシンジュはどうしたらいいのか分からなかった。
これはギルドマスターに力を借りなければならないと思うのだった。
次回は明日12月10日になります!