朝ご飯の準備とエメ?!
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シンジュは朝起きると知らない天井が目に入り驚いたがギルドマスターの家にいることを思い出し胸をなでおろした。
最近いつも一緒に寝ていたエメが隣にいなかったためベットが冷たくさみしく感じたが、部屋の窓から入る冷たい隙間風が顔にあたり目が覚めた。
布団から出るとクリーンで身だしなみを整えてキッチンへ向かう。
与えられた部屋は2階だったので隣の部屋で寝ているエメを起こさないように静かに階段を降りていく。
昨日、夜遅くに出かけたギルドマスターはまだ帰ってきていない様子で、玄関近くにある執務室は扉が開いたままだった。
キッチンにたどり着くと朝は何を作ろうか、、、うーん少し肌寒さを感じたので温かいトマトと芋のスープと時間があるためうどんを作ることにした。
トマトと芋は適当な大きさに切ったら鍋の中に入れてバターで少し炒めてそこに水を入れてグツグツと煮込む。芋に火が通ったら湯がいておいたミゾソバとノビルを入れて塩で味を整えて1品目が完成。後は食べる直前に温めれば出来立てを提供できる。わざわざアイテムボックに仕舞わなくてもコンロで温め直せるなら便利!
家ってなんて便利なんだろう···まだ1日で家が欲しくなった。
次にうどんを作ることにした。
小麦と水、塩を混ぜ合わせてひたすら捏ねていく。
この世界は薄力粉、中力粉、強力粉と小麦粉が分かれていないためグルテンの量がバラバラのようだった。
買った小麦によって強力粉に近いものや薄力粉に近い物など統一性がなかった。
いずれ余裕ができたら3種類に分けて料理を作ろう!
ちなみに今日使う小麦は中力粉と強力粉の間の小麦粉だった。
ひたすら耳たぶの硬さになるまで捏ねると約20分くらいでできた。
あとは麺棒がなかったのでコップを利用してコロコロと伸ばしていく。最後に折りたたみ細く切っていくだけ。
ただどれくらい膨張するのかわからなかったため、なるべく細く切った。
その後茹でてミルクとチーズのソースをかけて食べる。
卵がないからカルボナーラは作れなかったけれどチーズのソースは美味しいそう!和風のうどんが食べたい···
今日は調味料探しでもしようかな?と作りながら考えるのだった。
それから約2時間くらい経つと玄関が騒がしくなったため様子を見に行くとギルドマスターが帰ってきた。
「おかえりなさい」と一応声を掛けると『は?』という驚いた顔で振り向いたギルドマスターだったが、「ただいま」とボソボソと呟いた。
「寝る?ご飯食べる?」
「は?もうできてるのか?まだ朝6時だぞ。お前は使用人じゃないから好きなようにしろ?」
「起きるのはクセだよ。」
「年寄りみたいだな。俺は一旦寝るわ。2.3時間後にご飯を食うから俺の分も取っておいてくれるとうれしい。」と言うとギルドマスターは執務室に入って行った。
たくさん部屋があるのに執務室で寝るのかな?と思ったが、それよりもなんだか玄関の獣臭がすごい···
魔物の血の匂いがプンプンし、ところどころ汚れている。
昨日は満月が出てたから興奮して魔物刈りにでも行ったのかな?と勘違いするシンジュだった。
この世界は満月の日は魔力が高まると言われている。何故だが分からないが魔力の高まりに影響され魔物が活発に動くと言われている。さらに一部の獣人も月を見ると興奮すると言われているためシンジュが勘違いしても仕方がなかった。
それから暫くキッチンで過ごしているとエメの悲鳴が屋敷に響き渡った。急いで階段を駆け上がると、エメがミニ竜になっていた。
「すごい!!!竜!!!可愛い!!!」とシンジュは大興奮しエメに触れた。
しかし「ガウガウガウ ガゥゥゥゥガゥゥゥ」と言うだけで何を喋っているのなか分からなかった。ただ目からは大粒の涙が流れていることだけは分かった。
そんな状況にシンジュはどうして良いのか分からずオロオロとするしかなかった。
すると突然エメの部屋の扉がバンと前に倒れてきたのと同時に「お前らうるせぇな」とギルドマスターがやってきた。
しかしエメを見て固まった···その後口をハクハクと動かし、
「は?竜?しかも虹色竜?ウソだろ?」と頭を抱えたのだった。
シンジュはギルドマスターが言っていることが良く分からなかったが涙をいまだに流し続けているエメに一応鑑定魔法をかけてみると···
名前 エメ(エメラルドから名前を取った)
種族 竜人族
家族 なし
年齢 8歳
身長 148cm(+5cm)
体調 良好、成長痛
ギルドランク なし
魔力量 25(+5)
体力 55
スキル 不明
備考欄 伝説の虹色竜に変化、全ての魔法はもちろんだが変化が1番得意。なりたい姿に変身することができ竜の姿で過ごす必要はない。また危機が迫ると仲間を連れて異世界へ渡ることが可能。
は?????······変化?異世界へ渡れる?!
シンジュは鑑定魔法を見て唖然とするのだった。
次回は明日12月6日になります!
シンジュと違って私は朝起きるのが苦手です。特に冬はいつまでも布団に入ってぬくぬくしたい···