魔力が増える
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ギルドマスターは急ぎ人化を解いて虎の姿で冒険者ギルドに向かって走った。
ほんの2分で着くと「ギルドマスターどうされました?」と問いかけるギルド職員を無視し、水晶に触れると驚いた。
もともと魔力が100だっところ110に上がっていたのだった。
さらに体力も150のところ155と出た。
意味がわからなかった。子供が作った食事を食べた途端、美味しかったのはもちろんだが身体に力が漲るような気がした。
そして魔力が手から溢れ出すような感覚がした。
急ぎ確かめたかったため、子供達に寝るように促し飛び出してきたが、、、本当に上がっているとは思わなかった。
あの子供が原因だと分かる···それしかありえない。
この現象をフェルとライオスは知っているのだろうか?
もし知っているのに色んな人にむやみやたらに食事提供をしているとしたら···何が起きるか分からない。
あの2人に聞かなければならない。
幸い今回の違法鉱山への指名依頼は進むペースはゆっくりのはずだ。ドワーフ達がいくら急ぎ足で進んだとしても冒険者ほどのペースでは歩けない。
すぐに冒険者ギルドを後にすると、フェルやライオス達がいる場所に向かって走り出した。
鼻が効くため2人の場所は臭いで分かる。他の連中だったから分からなかったが仲の良い2人の臭いは嗅ぎなれていた。
逸る気持ちを抑えて森の中をどんどん進む。
久しぶりの冒険に胸が高鳴るのを抑えつつ、スキルと威圧を使って魔物を倒していく。
普段ギルドが離れられない俺は救援連絡が来た時ぐらいしか森に入らない。魔物の血の匂いが俺の血を呼び覚ます。
もともとドワーフ共和国周辺の山は俺の縄張りだった。
ただギルドマスター就任とともに縄張りを放棄した。
そもそもこの辺を拠点にしていたせいで今の状況になったのだが、、、
それから5時間ほど走り続けるとドワーフ達の集団が見えた。
今はテントを張って休んでいるようだった。
移動中は鍛冶仕事は禁止にしているから寝るか飲むしかないのだろう。
2人の匂いを追っていくと見張りをしているフェルとライオスを見ついて背後から近付くと、「うわぁぁぁぁぁ」と気を抜いていた周りの冒険者が数名気絶をした。
「少しは威圧を抑えてください。」とフェルが呆れて言った。
「あ?こいつらは弱いな。俺の威圧で気絶する冒険者を護衛に混ぜた覚えはないぞ?ランクは何だ?」
「ランクはD出そうですよ。私も本当にDなのか疑っていたのですよ?弱すぎて邪魔になるので帰そうとしたのですがねぇ、、、ライオスはどう思います?」
「お前の意見に同意だ。そもそもギルドマスターの気配を感じ取れねぇって相当弱すぎじゃねぇか?そういやお前の威圧はやばかったぞ。すげぇ遠くからお前の威圧がバンバンとすごかった。お前が来るってことは何があった?」
「お前らに聞きたいことがある。防音張ってくれ。」
とそれを聞いたフェルが3人に防音を張ると「お前ら俺に黙ってたのか?知っていたのか?ふざけてんの?」とギルドマスターは怒鳴った。
「うるせぇー耳がいてぇ。なんのことだ?」
「本当ですね。私達は何もしてませんよ?」
ッチ「あの子供らだよ!!!規格外のやべぇやつだ。」
「あの子供がどうした?可愛いだろ?」
「そうですね。本当に可愛いですよね。料理上手で最高ですよ?」
「それだよ!それ!料理だよ!!!あの子供が作った料理を食べたか?」
「もちろん食べましたよ。素晴らしく美味しくて感動しました。」
「それは知ってる。俺も感動したがそうじゃねぇ。食った後魔力が上がった。体力も上がったんだよ!!!」
「「は??」」
「食ってすぐに身体に異変を感じだから水晶で調べたら上がってた。だから嘘じゃねぇぞ。お前らはそれを知ってたのか?」
「私達は知りませんでした。確かに力は漲って魔力が溢れ出ました。」
「あぁ1度食べてすぐに魔法が放たれたことがあったな。」
やっぱりか、、、こいつら知らなかったのかよ。
「これがバレたらどうなるか分かるか?それに色々わからないことが多いだろ?」
2人はたしかにそう思った。もしこれが世間に露見されたら一気に子供は危険にさらさる、、、それに結界師ということも同時に知られたらどうなるか·····
「子供は今まで何人くらいに食べさせてる?」
「宿屋で冒険者たちにと、俺達が見ている弱い種族のグループたちだ。」
「何も言ってこないなら大丈夫だと思うが、とりあえず調べるまでは無闇に色んなやつに食わすのは禁止するからな。ちなみにお前らは増えてるか?」
と言われたフェルは瞬時に鑑定魔法で確認すると、自分のもライオスのも少しだけ増えていた。
「少しだけ増えてますね。」
ランクが上がってから数値が伸びなかったので驚いていた。
魔力も体力も訓練を重ねると上がるが、ギルドランクが上がるにつれて数値は伸び悩む。それが上がっているのだ···言葉が出なかった。
「お前ら早急に帰ってこい。それまでの間に俺の方で調べとく。」と伝えるとそのままギルドマスターは帰って行った。