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ギルドマスターの家も何だかおかしい···

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ギルドマスターの家は冒険者ギルドから徒歩20分程度の場所にあった。

屋敷は高いに塀に囲まれていて全く中の様子が見えない。そして真ん中には大きな門があり重厚そうだった。



シンジュが屋敷を見てぱっとすぐ思い浮かんだのは刑務所だった。

もしかしてここに閉じ込められる?逃げ出さないようにするため?それとも結界を張る仕事をさせられる?とシンジュは疑心暗鬼になった。


それもそのはずである。塀には有刺鉄線のようなトゲトゲのワイヤーが塀に沿って括り付けられていた。

さらに祖国では街全体が強固な城壁で囲まれていてが、個人の屋敷は柵をメインにした物が一般的だった。

同じくドワーフ共和国でも街は城壁に囲まれていたが、この屋敷ほど高さもなければ簡易的だった。

そのためこれだけ立派な塀がなぜあるのか不安に思った。



シンジュは今いる場所から周りを見回して逃げ道を考えた。しかし入口は門の1箇所しか見えない。閉じ込められたら逃げようがない···シンジュはもしここが本当に刑務所のような場所だったら···と逃げ道を頭の中でぐるぐると考えていた。



すると「この家おおきい!!谷の門よりおおきい」とエメがキラキラと目を輝かせ興奮しながら言った。


「そうだろうな。俺もこんな不気味で大きな家は見たことなかった。ここは元々エルフが住んでいたらしいぞ?」


「「エルフ??」」と不思議に思った。

シンジュは1度考えるのをやめてギルドマスターの話を聞くことにした。



「俺が聞いた話によると研究好きのエルフがドワーフを研究するためにここに家を構えたと聞いたぞ。ドワーフはチビが多いだろ?それを調べようとしたらしい。」


「さすがエルフだね···」

研究好きだと本に書いてあったことを思い出した。

確かにドワーフが何で小さいのか気になる···解明されたのかな。


「フェルを見てると分かるだろ?アイツも変わっているが、他のエルフはもっと変な者ばかりだ。今は妖精族の羽の研究をしてるらしいぞ?」


は?まだ生きてたのと···


「お前らは思っていることが顔に出やすいな。本当に貴族だったのか?まだ生きていたことに驚いただろ?エルフは無駄に長生きだから好きなように生きてる。じゃなければ何千年と退屈に過ごさなきゃいけないからな。」



今は貴族のお面を取り外してるから仕方ないじゃん···

長すぎる生は退屈なのかな?前世も今世も人間だから気持ちが分からない···エメの今後が心配になってきた···

「貴族のお面をつけてもいいよ?ギルドマスターは退屈?」


「そのままでいい。俺は退屈だったが最近お前らのせいで寿命が縮まったぞ。あと500年は生きるけどな」と言いながらギルドマスターが重そうな門の扉を魔法で開けるのと同時に何かがシンジュ達目掛けて飛んできた。


間一髪避けると「な、な、なに?」とシンジュは声を上げた。


ギルドマスターは「すまんすまん。ほとんどギルドに泊まっているから屋敷の手入れをするのを忘れてた。」と笑いながら飛んできた蔓を叩き落とした。


いやいやこれは想定外···奥に見える屋敷は確かに貴族だと中級クラスの家ほど大きかったが問題は庭だった。庭はシンジュの背丈程の植物が生い茂っており、屋敷まで歩く道がない。

それに何だか植物の様子がおかしい··ところどころ赤や黄、オレンジといった色の花が咲いているが、どの花も口がついており鋭い歯がびっしりと生えた口をパカーンと開けている···

これは前世のゲームで見たことある花にそっくり。もしかして私達が餌???

さらに飛んできた蔓は不思議な植物の一部のようで何度も何度も蔓がシンジュ達目掛けて飛んでくる···



「わりぃな。下手に庭を歩くなよ?前に住んでたエルフが変な植物を植えてたみたいでな、燃やしても燃やしても生えて来る。しかも危険なものばかりだから俺を食おうとしてくる。」


は?そもそもこんな危険な庭を歩けるわけない。

エメ君を連れてこの屋敷にどうやって入るの?とシンジュは思った。

そのため「この庭の雑草消して良い?」も提案をした。


「あ?多分無理だぞ。魔族の国から仕入れた植物らしいがエルフ本人も消せなかったらしい。それに何度も庭から外に逃げたして通行人に怪我をさせたらしい。だから俺がギルド長としてこの場所の管理を任された。」


そんな植物を野放しにしちゃいけないでしょ。だからこの城塀はこの高さなの?有刺鉄線みたいなのは逃げ出さないように?管理を任されたって自分の家じゃないじゃん···

植物だから永遠に攻撃できるのかな?何度も攻撃してくる蔓···うん、処分しよう。

「消しますね」と言ったシンジュは行動が早かった。庭をどうするか考えて、すぐに実行に移したのだった。


これだけ広い庭は有効活用したいな。

この謎の植物を植えておくのは勿体ないし、そもそもエメが自由に走り回れないから選択肢は駆除1択したかない。


ただテニスコート3面分はあるよな。除草剤嫌だな···かといって自分で取り除くのも面倒···魔法!!!


シンジュは魔法で根から全て取り除くことを思いついた。


そして取り除いた後は、通路には砂利を敷いてそれ以外の場所は防草シートはこの世界にないから、結界を応用してちゃっちゃと防草シートのように結界を庭に張ればこれで安心と独り言をブツブツつぶやきながら魔法を使った。




「おい、小僧これはいつもか?」

ギルドマスターは子供が突然ブツブツと呟くと魔法が展開されて庭がどんどん変わる様に驚いた。

それにとんでもない魔法をバンバン使い始めて唖然とした。


「そうだよ?シンジュ様がこうなったらとまらないよ!」とエメは安定のニコニコである。何をやるのかワクワクと楽しみだった。


「お前も苦労するな?」

こんだけ好き勝手自由に魔法を放てるやつは初めてみた。

今まで魔法が得意な者達をたくさん見たがこれはさすがにまずいだろう···フェルもライオスも大変だな···



「そんなことないよ。どんなシンジュ様でもだいすき。ほらキラキラすごいでしょ?」

エメはシンジュと一緒に暮らすようになって魔力が見えるようになっていた。それもただ魔力が見えるのではなく、魔力の質まで見えた。シンジュの魔力はキラキラと輝いていて綺麗だった。


何も知らないギルドマスターはちょっと小僧もやばいな思うのだった。




それから数十分でシンジュは庭をまっさらにし、結界を張ったことろまで終わった。

「これでどう??」



「お前ふざけてんのか?これはやばいだろ····この庭の植物は消えないって言ったよな?」とギルドマスターは怒鳴った。


ギルドマスターはやっぱり糖分足りないのかな?いつも怒ってるもんな、、、

早く砂糖を使った料理をプレゼントしてあげないとね。



「お前は何でこんなふざけた魔法を普通に使える?無駄な結界の使い方をやめろ!!!」


「う、ん?砂糖のお菓子は何が良い?」


「お前聞いてのかる??」


シンジュは無視してお菓子を考えるのだった。



「もういい。家の中を案内するから来い。」と疲れたギルドマスターはやっとシンジュとエメを家の中に案内するのだった。

読んでくださりありがとうございます!

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